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後半は【馬車目線】(?)でお送りします。
効率化されるとイライラさせられやすくなります。
たとえばあなたの会社の近くに良く使う立ち食いそばがあるとします。注文すれば、安定してすばやく出てくる店で、ささっと食べれて、あっという間にお昼ご飯を済ませられるので、重宝するし、快感でもあります。券売機に並ぶときには、小銭準備して手早く操作するなど最適化を極め、今日は昼飯何分何秒、新記録!と内心記録更新に励んでいるかもしれません。
そんなある日、券売機に初めて来たのか、操作に手間取っている人がいました。人が並ぶこと自体はよくあることで、気になりません。みんなてきぱき券を買っていきます。しかし、その日、その人は大いに時間がかかってしまったのです。「ち。」とあなたは、心の中でその人を呪いました。これは今日のことだけではありません。特に女性や高齢者は時間がかかりがちなので、並んでいるだけで「大丈夫か」と不安になります。「できればこの店にはこないで欲しい」そう思うこともあります。
券売機、慣れればなんともないですが、初めての店で初めて見るタイプだと、凄く緊張しませんか。後ろに並ばれようものなら、うわ早くしなきゃとさらに焦ってしまいます。
券売機は、良く利用する人にとっては手早く注文できていいのですが、一方で一見さんや女性や高齢者がちょっと手間取るだけで疎ましく思ってしまう、イライラしてしまう、不寛容になってしまうという罠を持っているのです。
以上のように、効率化には人の不寛容を助長するものがあります。不寛容の時代になったと心配する声が良く聞かれますが、その背景にはこのような不寛容を助長する効率化があるのです。誰でも自分のペースやテンポを崩されるのはいやです。ある効率化に乗っかれた人は、それに乗っかれてない人にペースを崩されたら疎ましく感じてしまうのは仕方ありません。ほとんどの人が乗っかれるくらいこなれれば、極一部乗れない人がいても許容しやすいですし、乗っかれてない人が乗っかれてる人のペースを乱しにくい仕組みでもよいでしょう。
ですから、効率化そのものを否定するわけではありません。IT技術の普及によってデジタルデバイドなどの問題点を指摘されていますが、IT技術によって目が見えない人と耳の聞こえない人が会話できるようになったり、裾野が広がる効果もあります。iPhoneなどのタッチパネルデバイスの普及で、IT技術はさらに誰にでも使いやすく変化しています。一時的に不寛容を助長したとしても、諦めずに共生を促進するものへと進化しているのです。券売機もできるでしょうか。
逆に効率が悪いために人気の店に行ったことがあります。地方のカフェで、おしゃれぽかったので行ってみたところ、ウェイティングリストにはたくさん名前が。みんな駐車場の車の中で待っているので、列はありません。都会ならともかく、こんな地方でどうしてこんな待ちが出るのか不思議で、がんばって待ってみました。
お店の中はとても雰囲気が良くて、小物なども小洒落ています。が、店の広さのわりに、たった二人で回していました。なので、席はすべて埋まりません。食べ終わった人は好きなだけくつろいでいるのですが、それでも埋まらないのです。車で待っている人は、それを知ってて、車の中でめいめいくつろいでいるのでしょう。食事もお洒落な感じで、味は普通。他では食べられない味!で来てるのではなく、のんびり待って、のんびり食べて、のんびりくつろぐという店だったのです。
これは都会では絶対できない形態だなと思いました。まあ地方でもそこら中にあるとは思えませんが、非効率にも付加価値を付けられるという発想は、いろいろ使えそうです。
もう一つマクドナルドに代表されるハンバーガー屋さんを取り上げてみましょう。以前マクドナルドのカウンターからメニューが消えたおかげでメニューが良くわかった件でも取り上げましたが、メニューをなくすとかいろいろ取り組んでいるにもかかわらず、マクドナルドは最近も売上が落ちているようです。
私は結構ハンバーガーが好きで、東京に住んでいた頃は、一店舗のファイアハウスとか好きでたまに食べてたし、アメリカにいた頃は、日本人も口々に絶賛する In-N-Out はリバースエンジニアリングで家で再現して今でもたまにやるくらい好きだし、ロッドマン達がケチャップ落としながら食べる CM に象徴されるワイルドな味が病み付きになる Carl's Jr. と共に、また食べたくて仕方ありません。
でも、振り返ってみるに、ここ一年マクドナルドに限らずハンバーガー食べに行ったの、1回か2回か。行ったのも、時間がないとか、止むに止まれずばかり。なんでそこまで行かなくなったんでしょう。
・併せてどうぞ
【マクドナルドのカウンターからメニューが消えたおかげでメニューが良くわかった件】
【目が見えない人と耳の聞こえない人が会話する】
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