「ウーマノミクス」は日本を救うか 安倍政権が女性活躍を後押し
企業は、ぜひこの路線に乗っかるべきだと思います。こんなデータがあります。
女性役員「いる会社」17%増益、「いない会社」31%減益 一部上場1606社の5年調査
この5年間、全体の平均は31%減益だったけど、女性役員がいる会社は平均17%増益だったというのです。
そんなデータに頼らなくても、女性の活躍を促せば、会社が伸びるかもと思う人は多いと思います。
でも女性の活躍を進めるのは簡単ではありません。そんなのずっと前から言われているけど少しずつしか進んでないのを見ても明らかです。
なぜか。
それは、女性の活躍を後押ししようと思うと、育休制度の充実とか、出産・育児を後押しする制度に目が向きがちですが、本当に育児中の女性が働きやすいところは、誰もが働きやすい環境だからです。つまり、改善するなら全体を変えていかなければならないから難しいのです。
育児中の女性や誰もが働きやすい環境とはどんなものでしょう。
・ちょい休みができる。
育児をしているといくら保育所があるとはいえ、子の急病その他でどうしても仕事を抜けなければならないことがあります。それがしやすい職場は、みんなにとっても働きやすいです。育児中の女性だけでなく、ちょっと歯医者にいってから出勤とかがみんなできるのです。
・長期休暇が取れる。
子どもが生まれると育児休業でしばらく休むことになります。短かめに2週間なんて人もいると思いますが、それでも普通の人がそんなに長期にとることは稀でしょう。
アメリカとかだと普通の人でも1週間連続有休くらいなら珍しくないですし、2週間とかも見ます。それが当たり前なので、その間の業務の引き継ぎなんかも普通にやってます。だから、出産だけが長期な休みではないし、それ以外の理由(介護など)で長期に休むことだってあるでしょう。(ちなみに、育休関係はアメリカは随分事情が違います。この記事が分かりやすかったです。)
長期に休む人が産休の人だけだと、慌てて職場が混乱するかもしれませんが、誰もが長期の休みを取る職場であれば、産休の人が出てもよくあることの一つになります。
・男も育休
さらに男も育休をとるようになるといいと思います。出産直後1ヶ月は母親が、その後1ヶ月は父親が取るとかいいのではないでしょうか。
男性も家事ができて当たり前の時代になってきましたが、イクメンなんて言葉があるように育児だってやって当たり前の時代になってきました。育児の経験は仕事に生きないわけがありません。あの理不尽な赤ちゃんの相手をするのですから、少なくとも会社で部下との関係にはいい影響があります。会社は積極的に男に育休を取らせるべきです。
自分の分野になりますが、大学も男性研究者に育休を取らせるべきです。女性研究者は必ず出産かキャリアかという問題に突き当たります。男性も取れば、この問題は随分緩和するはず。
また、上記のちょい休み、長期休暇ができる職場であれば、育休後も男性が育児に参加しやすくなります。保育所の子どもが急病のときの対応を、母親だけでなく父親もできた方が、それぞれの職場にとっても有益です。自社の女性社員の仕事が忙しいときに「子どもが急病だけど、旦那が行ってくれることになりました!!」ということが増えます。
・いろんな人が働ける。
育児中の母親父親が働きやすい環境であれば、介護中の人や、様々な障害を持った人も、それぞれの事情に合わせた働き方をしやすいでしょう。そういった様々な人が働いていることは、会社全体のダイバーシティが広がり、社会の変化にも強いでしょうし、より鋭いイノベーションも生み出しやすくなります。
以上、本当に育児中の女性が働きやすい職場とは、育児に関する制度だけでなく、そもそも、
誰もが誰もが働きやすい環境
が整っているところです。
育児制度だけを整備するのでなく、誰もが働きやすい環境を整える。これがアベノミクスの「女性の活躍」に乗っかって会社を伸ばす方法です。
そうすることで、今いる社員も、よりのびのび自分らしく働きます。例えば、会社で男性で一番優秀な社員が1ヶ月育休を取ったとしたらどうでしょう。帰ってくる時には、仕事に新たなモチベーションを持っていることでしょうし、家事や育児を通して気付きがあって(あるいは育児中に見てた昼のテレビをきっかけに)、とんでもないアイデアを抱えてくるかもしれません!
さらにそういう環境になれば、のびのび活躍している人材が入ってくることにもなります。
早く取り組む程効果は大きいはず。この波に乗ってより働きやすい職場を作って、会社を伸ばしましょう!
・併せてどうぞ
【第2回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション募集開始!】 6/4に最終審査がありました。発表は下旬。楽しみです!