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 知ってますか? 将来人口爆発は起きません。そのことはじりじり常識になってきていて、分かりやすい記事が出てくるようになりました。

 200年後、世界の人口は半分になる!?  
 少し前から、インドや中国、ブラジルやメキシコでも、生まれる子どもの数が減ってきている。世界の人口増加のスピードは鈍っていて、計算によると70〜80年後には増加が止まり、200年後には世界の人口が半分になるかもしれない。

70〜80年後には人口の増加は止まるのです。70〜80年後なんてピンと来ないというのであれば、
実は50億人から60億人になるのに12年かかったのに対し、60億人から70億人に達するのには13年かかった。つまり、人口増加のスピードは遅くなっているのだ。
というのが分かりやすいのではないでしょうか。

次のグラフは人口推計の資料から作ったものです。
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(Population Division of the Department of Economic and Social Affairs of the United Nations Secretariat, World Population Prospects: The 2006 Revision and World Urbanization Prospects: The 2005 Revision, http://esa.un.org/unpp のデータを用いて作成)


 このグラフはだいぶ前に作ったものですが、毎年人口が増えるペースは1970年頃には鈍化を始めています。中国の一人っ子政策が関係あるのかとわざわざ影響を取り除いたグラフも描いてみましたがあまり変わりませんでした。

 人口増加のペースが変わったことは繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下) の第6章「人口転換」の項目でも詳しく述べられています。
出生率は一九七〇年代にすでにアジア大陸全土でごく自然に急落しつつあったのだ。強制されなくても同じくらい大幅に、同じくらい急速に下がっていて、今日でも下がり続けている。アジアは交易による繁栄を感じたとたん、以前のヨーロッパとまったく同じで、低出生率への転換を経験した。
 極めて印象的なのは、どこでもなにか破滅的な事件が起こった訳ではなく、自然に人口増加が鈍化しているということです。
 
 人口推定は将来の予測の中でもっとも予測精度が高いとも言われていて、つまり人口増加の停止はほぼ確実に起こります。

 これは人口爆発によって地球上が人間で埋め尽くされるような破滅的な未来が回避できそうだという点ではいいニュースです。しかし、だからといって省資源や省エネしなくていいと、ほっとしていい問題ではありませんし、さらに人口が増えないということは今の私たちにとって大問題です。

 人口が減り始めた日本などで年金制度が問題になっているように、今世界の社会の仕組みには人口が増え続けることが前提に作られたものがたくさんあります。そしてこれからほとんどの国が日本と同じ問題を抱えることになるのです。

 従って、これから私たちは、人口が増えなくても社会を持続的に継続できる仕組みを生み出していかなければなりません。それは簡単なことではなさそうですから、社会で共通の認識をもって真剣に取り組む必要があります。しかし、世の中ではまだたまに「人口爆発の危機」を危ぶむ話題をみかけ歩調は揃っていません。今回紹介したような記事が繰り返し出てくることで、早く社会全体で持続型人間社会への問題意識の共有が進むといいです。

 少なくとも私たち一人一人は、人口爆発の危機よりも、人口が増えない社会の仕組みに気持ちを割いておくと将来楽、です。

 仕組みがない今は人口が増えないことは恐怖ですが、仕組みさえできれば人口が安定してからこそが真の繁栄です。たとえば人口どれだけ増えるか分からないから、土地の値段はあがり私たちは狭〜〜い部屋に住まわされていましたが、人口が増えないとなればゆったりと土地を使う仕組みがだんだんできていくことでしょう。

 そういう想像を今からいろいろたくましくしておくと将来慌てなくて済みます。

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