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ミライ: フツクロウさん、質問です。
フツクロウ: ホウ。
ミライ: 「新国立競技場建設に2560億は高すぎる!!!」っていったん白紙になりましたが、正直、ほかにもっと高いインフラあるので、よくわかりません。ほかのスタジアムと比べると高いというのはわかりますが、森元総理が「国がたった2500億円出せなかったのかね」なんていうと、それもそうかという気になります。東京は土地も物価も高いし。
いったい、いくらで建てるのがいいの!!?? と思うのです。
フツクロウ: ホッホッホッ。確かにスタジアムの値段なんて普通の人にはピンと来んからの。
ミライ: はい〜。
フツクロウ: ホウいうときは、こんな方法であたりをつけるのじゃ。昔流行ったフェルミ推定みたいなもんかの。
ミライ: ああ、あの「シカゴに何人ピアノの調律師がいるか」ってやつですね。
フツクロウ: ホウじゃホウじゃ。専門家じゃないから、完全な答えが出せるわけではないが、2560億円が高いかそうでもないかくらいはわかるぞ。
ミライ: そういうのが知りたいんです! どうやるんですか?
フツクロウ: まずこういう記事を探してくるんじゃ。1年前のだから、最近のドタバタは入っとらん。
新国立競技場、年3億円の黒字見込む 五輪後の収支試算 :日本経済新聞
などなど、いろんな情報が書かれておる。日本スポーツ振興センター(JSC)は19日、2020年東京五輪・パラリンピックに向け建設する新国立競技場について、五輪終了後の収支計画を発表した。スポーツ大会やコンサートなどによる収入38億4千万円に対し、維持管理費などの支出は35億1千万円で、年間3億3千万円の黒字を確保できる見込みと試算した。今の国立競技場の収入・支出はいずれも年7億円程度で、事業規模は5倍超に膨らむことになる。
ミライ: ふむふむ。
フツクロウ: まず、この記事での総工費は 1692億円じゃ。
ミライ: まだ、2560億円よりずっと少なかった頃ですね。
フツクロウ: ホッホ、ホウじゃな。
つぎにその競技場を建てたあと、50年間の大規模修繕費は 656億円とある。総工費の4割弱じゃ。
1年あたりになおすと13億円で、それは総工費の0.7%程度の額にあたる。
1年あたりになおすと13億円で、それは総工費の0.7%程度の額にあたる。
ミライ: はい。
フツクロウ: また年間の維持管理費は35.1億円。総工費の2%程度じゃ。ちょうど総工費を50で割った感じじゃの。
さて、大事なことは総工費が膨らむと、これら大規模修繕費や維持管理費も増えるということじゃ。高いスポーツカーを買えば維持費も高い。安い軽自動車にすれば維持費も安い。
ミライ: そうですね。
フツクロウ: じゃから、この例を元に、スタジアムを建てたらその大規模修繕費や維持管理費は総工費のそれぞれ0.7%、2%かかると仮定するんじゃ。
ミライ: 建てた後毎年かかるお金を見積もったわけですか。
フツクロウ: まさにホの通りじゃ。仮に現金ポーンと出して無借金でスポーツカー買っても、その後の維持費を毎年稼がんかったら維持はできん。スタジアムも、スタジアムの収入で大規模修繕費や維持管理費がまかなえんかったら、毎年税金が投入されることになるんじゃ。
ミライ: 「2500億円くらい」出しちゃえても、後で困るかもしれないんですね。
フツクロウ: ホウじゃ。
ミライ: でも、2560億円の計画では、実は大規模修繕費が安いとかあるかもしれないじゃないですか。
フツクロウ: 甘いの、ミライ。そんなことが起こるわけがないじゃろう(笑
ミライ: え、どうしてですか?
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