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日本のGDPが増えなかった真の理由がわたしたちを豊かにする(その2)
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日本のGDPが増えなかった真の理由がわたしたちを豊かにする(その2)

2015-10-07 00:30

     

     
     日本のGDPが増えなかった真の理由がわたしたちを豊かにする(その1)  の続きです。

     前回は、なんだかよくよく考えると GDP が増えなくても暮らしって豊かになってるんじゃないかということを考えました。

     でも、仮にそうだったとしても、
    日本のGDPが増えなかったのは、増える必要がなかったからではないかと。
    と言ったように頑なに増えなかった直接の理由にはなっていません。政府だって経団連だってGDPは上がってほしいわけであれこれやっていましたし、海外の主要国は上がっていたわけですから、一緒につられて上がればいいはずです。

     なぜ増えなかったのか。それは、日本のグローバルな大企業が競争力をつけるためだったからなのだと思います。一時期人件費が上がってしまい、世界の中での競争力が落ちてしまいました。そのため大企業は頑なに人件費をあげませんでした。結果として周りもすべてそれに合わせて、人件費をあげる代わりにものの値段を安くすることで、そして新しいものを元の値段で出すことで、暮らしを豊かにしていったのです。

     そういった外圧もありましたが、実は、もう将来を嗅ぎ分けた日本人の本能的な行動ではないかと思います。人口が増えない、つまり昔の成長モデルから、均衡モデルに移行しないといけないという本能です。

     地球上に広がる自然は、私たち人類が生まれる前から、地球を埋め尽くし、ある均衡を保っています。その姿は人間が見てジリ貧ではなく、とても豊かに見えます。成長しないことと豊かに繁栄していることが両立しています。

     私たち人間社会も、人口はあるところで頭うちになります。実際毎年人口が増える割合は、年々減っています。

     そろそろ知らないと恥ずかしい「止まった人口爆発」  

     なんと私が生まれた1969年頃からそれは始まっています。もう50年近くも前です。世界はそんな昔から着々と人口の平衡へと向かっています。

     私たちは、そんな人口均衡社会に向かって社会の仕組みを変えていかなければなりません。そこでGDPの増大は必要でしょうか?

     過去の社会の経験では、経済成長することで景気が良くなっていましたから、社会としても経済成長させようとがんばってしまいますが、人口均衡社会で GDP が増えることが必要なのか、そんなことしなくても豊かになれるのではないかということを改めて考え直して検証するべきときがきているのです。

     これは机上の空論ではありません。私たちは20年間 GDP が成長しないという社会を立派に生き抜いています。

     もちろん今景気いいでしょう?と強弁するつもりはありません。この状態がベストではありませんが、景気をよくするためになにをしなければいけないかという問いに、必ずしも GDP をあげる必要はないだろう、ということです。

     さらには、賃金をあげようと先に物価をあげてみましたが、全く効果はありませんでした。やがて賃金に合わせて物価は戻っているのが今日です。GDPもずっとプラスなんてことはなく、4-6月期はマイナスでした。でも、売られている商品がたとえ同じ値段であれ、進化していれば私たちはより豊かになっているのです。
     
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