のすじいのそーさく(笑)日誌35・・黄金の夏休み・・
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のすじいのそーさく(笑)日誌35・・黄金の夏休み・・

2017-08-07 17:08
    遠い遠い昔・・夏休みは時に長く時に短い魔法の季節。

    登校日が妙に待ち遠しくなる8月上旬・・
    プール開放で毎日学校に通った小学校高学年。
    近所の野球をする空き地をいつの間にか向日葵に占拠され
    背丈よりも高い其れの間を縫ってかくれんぼと鬼ごっこ。

    一日30円だか50円の小遣いで20円のアイスキャンデー喰うか
    コーラの硝子瓶入り40円呑むか迷った田舎道の駄菓子屋。

    引っ張って当てるくじ付きの飴は夏場暑さで溶けて不人気で
    コリスとか言う怪しいメーカーの砂糖じゃない甘さのチョコレート
    此れも10円だか5円だかの当たりくじ付きな代物は
    銀紙はがす前にグラウンドの水道で包みごと冷やして固めて(笑)
    まあ、衛生的なんて概念は殆ど無かった昭和のあの頃の餓鬼。

    幼馴染のみこちゃんと言うおんなのこは幾つかお姉さんで
    真っ黒に日焼けして軟式ボール投げ合う自分たちの草野球や
    いきなり出来た向日葵畑の鬼ごっこに何となく混ざってた。



    無口で笑うと何処か大人っぽい表情になるその少女は
    思えば周りの大人の女たちからは何処か微妙な目で見られてて
    その分自分たちのような男の子と一緒に遊びたがった気もする。

    同年代の女の子たちも似たような目で見てたのだろうな、今にして思えば。

    彼女は田舎の街には珍しく大きな色町が在った自分の故郷の
    其の、今で言う芸者置屋の女将の娘で俗に言う庶子だったから。

    薄いチェックの水色のワンピースにチューリップの刺繍なポケット。
    無口でうっすら笑みを浮かべて男の子に混じってた彼女は
    何故か魔法のようにそのポケットから駄菓子じゃないお八つを出して
    年下の餓鬼にひょい、とおすそ分けのように呉れたな・・

    大概はグリーンガム、時にカバヤのキャンディ・・
    ああ、マーブルチョコレートの小分けした袋も在ったっけ。

    今、思えばドラえもんより不思議なポケットだったかも知れず。
    しかも夏場でも何処かいい匂いがしてたし・・男の餓鬼から見れば。

    最後に記憶している彼女の姿は・・奇妙なことに顔ではない。
    ちょっと湿った、だが綺麗な水の匂いと共に浮かんでくる
    セーラー服のスカートを無造作にたくし上げた少女の脚だ。



    其処は故郷の街のちょい山よりの外れ・・福島から流れる大河の支流で
    季節には蛍も飛ぶ緩やかで河原の広いせせらぎのような川・・

    確か中学生になってた彼女がお盆前の自分、隣に住んでた自分に
    いきなり・・川を見に行こう・・と、ほんのりした笑顔で言い出し
    置屋兼仕出し屋のような彼女の家で使ってた配達用の自転車
    今なら大人の男でもペダルが重そうな代物を自分に漕(こ)がせて
    小一時間かけて辿り着いた彼女の恐らくは秘密の場所だったのだろう。

    夕暮れが来るまで何をするともなく足を水に浸して遊んだ・・
    たぶん8月、盆前の何処か忙しい時だったように記憶している。

    ただでさえ無口な彼女はその時何時もより更に透明な微笑で
    殆ど口をきくことも無く、其れで居てとても楽し気に水と戯れていた。
    夕暮れ近く、長い夏の陽の残照を受けて染まる川面、周りの夏草
    その中で・・真っ白な臑(すね)と言うか・・スカートからのぞいた少女の脚。

    ・・其れが何故かひどくぞくぞくするものに思えて・・

    結局、その日夏の遅い夕暮れが暮れ切ったころ自転車で戻ったら
    自分の祖父母と彼女の母が店先で待機しており
    こっぴどく怒られた記憶もまだ残っているような気も。

    ただ、其処に居た野次馬のような近所の金棒引きなおばさん達が
    陰口のように此れだから置屋の子は、とか、芸者の子だからとか
    これ見よがしに囁き交わすのを聴いた自分の祖父(じじい)が
    其のおばさん、いや、糞ばばあたちに向かって大きく一喝し

    「うちの孫が嬢ちゃんを誘ったんじゃろう、なんせ儂の孫じゃからなあ」

    そう言ってもの凄く豪快に笑い、其れをちびの婆さんがこれまた笑いながら
    和服の裾を乱さぬ器用さで爺さんの臑に下駄で蹴り入れたのも覚えてる。

    其の後、彼女は故郷の街から離れた場所の商業高校に進学し
    その街で就職して20過ぎたころ同僚と結婚したと聞いた。
    彼女の母親も店の仕出しの部分だけを後進の元芸者さんに譲り
    其の店は小さな割烹としてまだ故郷に残っている・・・

    ある意味そんな記憶を思い起こさせる歌だったかも知れんな。
    もうだいぶ昔になる此の、あまりに著名な夏のうたは。

    ああ、縁日に連れて行ってもらった記憶も・・少し蘇ってきた(笑)
    確かぽっぽ焼きってローカルフード、10円で3本・・奢ってもらったっけ(爆)

    多分、恋とかそんなんじゃないが微妙に笑みが浮かぶ遠い記憶。























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