[感想]Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第一話 雨傘の義理
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[感想]Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 第一話 雨傘の義理

2016-07-19 15:28
    こんにちは、ヘルシアです。

     6月には1本も記事を書かなかったのに、クールの切り替わりの7月になったら急にやる気を出すアニメオタクの典型的な例、それが私です。

     サンダーボルトファンタジーです。既に第二話がバンダイチャンネルで配信されており、周回遅れの感想ですが、特別な作品であるため、残したいと思います。


     台湾で人形劇を製作している「霹靂社(ピーリー社)」さんと、虚淵さんがタッグを組んだ作品。人形劇をベースに、CGによるエフェクトをかけて、日本の声優さんが声をあてた作品。人形劇だから、アニメじゃないんだけど、ニコニコでアニメ枠扱いなので、アニメ扱いとします。他意はありません。

     内容は古代中国風のファンタジー物。幻想じゃない方の水滸伝を読んだことあるのですが、それに近かったです。

     1話は、古代の超兵器である"剣"を封印している兄妹が、剣を狙う悪の手先に追われるところから始まる。兄は妹を逃がすために命を落とし、妹も手負いとなって悪の手先に捕まりそうになる。そこへ、何の因果か主人公が登場して妹の命を救うお話。

    ※用語補足
    兄妹・・・兄:丹衡、妹:丹翡。おそらく妹がヒロイン。
    ・悪役・・・玄鬼宗。仮面ライダーのショッカーみたいな組織。ボスの名は蔑天骸。
    ・主人公・・・凛雪鴉と殤不患という二人の男性だと思われる。
    ・超兵器・・・神誨魔械という武具。烈火の炎でいう魔導具。
    公式HP:http://www.thunderboltfantasy.com/


     ほうぼうで言われてますが、まず人形の動きに驚きました。

     人形劇といえば、「ひょっこりひょうたん島」や「サンダーバード」のような数世代前の人形劇や、NHKで流れるような伝統芸能の映像しか認識が無かったため、いきなり未来技術を見せられた古代人のような感覚です。

     例えばナレーション後、丹兄妹が玄鬼宗から逃げるシーン。
     妹が追手を気にして後ろを振り返り、不意に灯籠にぶつかってしまう。その後カメラは妹のもつれた足、次に転倒した妹の顔を映す。

     人形劇で"もつれた足"を表現できるのか。

     人形劇は、人が人形を下から支えて演技する。そのため、足は映さないか、映っても垂れ下がっているだけで、"足がある"程度の表現しか見たことがなかった。
     
     カメラは妹の足しか映していないので、おそらく"足だけ"のモデルを作って撮ったのだろう。映像作品だからこそ、世界の一部を切り取った表現ができることに、今更気付かされた。

     もともと人形劇は、観客を前にして演じられていたので、前時代の映像作品は観客の目線と同様に、その舞台全体を映すカメラアングルが主流だった記憶がある。

     しかし、映像作品として表現するのであれば、映像的な嘘を撮っていくことで、よりリアルな表現ができる。ヒーローショーと特撮の違いのようなものだ。


     次に、人形を惜しみもせずに破壊、真っ二つにすること。そして"血"を流すこと。

     台湾の人形劇では普通なのだろうか?
     剣で切られたら血が出る。頭を吹き飛ばせば首が無くなる。そんな当たり前で残酷でリアルな表現を、人形劇で見られるのかと。

     しかも、重要なシーンというわけでもなく、玄鬼宗のただの雑魚キャラだろうが血は流れている。

     昨今のアニメでは、グロシーンへの規制から、黒塗りになる事が多い。しかし、人形だから大丈夫と判定されたのだろうか?
     確かに肉まで表現されていないが、それでも十分リアルだ。

     人形という一歩引いた世界に、血が流れているというリアルが持ち込まれていること、規制されていないことに、驚いた。


     最後に、話のつなげ方やセリフ回しが好みだったこと。
     生きているうちに手渡されるのも、殺した死体から奪うのも、オレにとっては大差ない。
     だが、貴様らには大きな違いであろう。
     蔑天骸が、丹兄妹から剣の鍵となる柄と鍔を奪おうとして、脅したセリフです。

     単に自分の強さを誇示するだけでなく、相手の情に訴えかける言い回しが、実に嫌らしい。恐怖以上に蔑天骸の性格の悪さが、視聴者としても分かる良い言い回しだなと思いました。


     蔑天骸との戦闘から一転して、落ち着いたシーンに映るナレーションも素敵でした。
    真に優雅な旅に必要なのは、千里を駆ける駿馬でも、贅を凝らした馬車でもなく、歩みを止めて漫然とと過ごす時間であろう。
     この後、さらにナレーションが続くのですが、それなりのボリュームが有るため、全文は載せることは、はばかられます。

     ナレーションの間、凛雪鴉はただ煙管を吹かしているだけでした。

     しかし、ナレーションの内容と、地蔵にかけられた傘、雨宿りと言いつつ濡れている凛雪鴉を映す流れは、彼の人となりを説明するのに、十分な内容でした。

     背景描写の力というべきでしょうか。直接的な言葉を使わず、凛雪鴉のことだとも漏らさずに、彼の優雅さを表現する。そんな奥ゆかしい演出が素敵だと思いました。


     大体ここまで、劇が始まって開始7分の出来事です。

     これから始まる人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」が一体どういうレベルの映像作品で、何を表現していきたいのか、その温度感が冒頭数分で分かる良いチュートリアルだと思いました。

     この後に続く話では、例えば口上のカッコよさや、殺陣の派手さなど、細かい話になってくると思うので、また最終回を迎えた時に、人形劇としてどうだったのかを、語りたいと思い、第一話の感想と致します。

    以上
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