『イジメ、ダメ、絶対。』を履き違える人たち。
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『イジメ、ダメ、絶対。』を履き違える人たち。

2016-05-29 15:24
    イジメを苦に自殺という報道が増えてから、
    イジメの動画がTwitterで拡散され、個人が特定され、実名や住所まで流出するという流れをよく見ます。確かに、イジメの状況を知った時、被害者への哀れみや加害者への怒りは湧いてくるでしょう。しかしその撮影前後で一体何が起こっていたのかを知ろうとする前に、むやみやたらと加害者(と思われる)人物をネットで叩きのめすのも、ある種の二次的なイジメと言えるのではないでしょうか。


    Twitterのタイムラインに、上級生が下級生に対して怒鳴り、暴力を振るっている動画が流れてきました。撮影者は上級生に対して怒りを示した文章を綴り、Twitterへ投稿したところ、ものすごい数のRT(リツイート)と共に、加害者への非難が殺到していました。それだけでなく、すでに加害者の氏名、在学している学校の名前、学部、住所、すべてが流出している状態でした。



    少し前の女子中学生拉致監禁事件の場合、千葉大学が容疑者の卒業認定を取り消したことで問題になりました。その時は、
    「千葉大学は、出所した後も社会復帰しにくい状況を与えてしまった。そんなに簡単に未来を奪っていいのか。」
    と騒がれたはずです。
    しかし実際に自分の目でイジメの行為に及んでいる現場を見てしまえば、状況は異なるようです。
    すぐ感情的になってか、RTの嵐。その結果、動画で危害を加えている人物の身元が大勢に知れ渡り、それこそ世間に顔向けできない状況が作られてしまいます。



    イジメや暴力は確かにいけないことですが、本当にそこまでする必要が果たしてあるのでしょうか?


    タレントなどの少年時代の話を聞いてみると、たむろしているヤンキーに因縁つけられてボコボコにされたとか、ちょっとしたことで部活の先輩に胸ぐら掴まれたとか、教師に殴られたなどという話をザラに聞きます。このように、今の大人たちがよく口にするように、上級生や教師に殴られるなどということは、昔では当たり前にあるくらいのものだったようです。


    昔と今をごっちゃにして、「だから暴力なんて大したことない」と言うつもりは毛頭ありません。しかし、「イジメ撲滅」という、最近になって登場したかかげ文句を、少々履き違えて捉えている人が多いのではないでしょうか。


    たった30秒の動画で、それが撮影される前に何があったかを知る由もありません。
    実は動画内で加害者と思われた人が本当の被害者だったという可能性もあるし、極端な話、すべて演技かもしれません。
    しかしそのショックな動画と一緒に、
    「○○高校の○○くんがイジメています。イジメはよくない。拡散希望です。」
    という文章が添えてあれば、状況と文章が勝手に頭の中でリンクしてしまい、冷静な判断力を失ってしまうでしょう。
    正義感のつもりでRTした結果、知らず知らずのうちに自分もイジメ、あるいはそれ以上のことに加担しかねないのです。



    まず対策として、撮影した本人の行動が重要です。
    巻き込まれるのが怖いのは当然なので、無理に仲裁に入る必要はもちろんありません。
    せっかく撮影したのですから、それを証拠に警察に被害届を出すなり、学校の先生に相談するなりすれば、より良い対処に繋がったかもしれません。
    実際に現場の状況を目撃してしまえば、その衝撃はダイレクトに伝わってきて、まるで自分が被害に遭っているかのようなショックを受けるかもしれませんが、だからこそ、撮影者も、動画を観た人も、過度に反応してしまわない心構えが必要なのではないでしょうか。
    決して、「加害者を苦しませたい」という思いが先行してはいけないのです。



    『イジメ、ダメ、絶対。』『イジメ撲滅』『暴力反対』


    私たちは毎日、テレビや新聞、掲示板、そして電車の中に張り巡らされている広告の数々から、無数のインパクトあるキャッチフレーズを目にしています。
    しかし、安易に刺激されてはなりません。キャッチフレーズだけが一人歩きしては危険なのです。

    ポスター広告のキャッチフレーズに対して、これは女性差別に繋がる、メディアによる刷り込みだ、などといい大人がtwitterで理屈を振り回して議論を展開している場面をよく見かけます。
    しかし、キャッチは所詮、集客ツールなのです。キャッチ1つでも真に受けるか惑わされないかは自分次第なのです。
    メディアを鵜呑みにするなと声を大にして喚起を促す人たちこそ、メディアリテラシーというものを理解していないように見受けられてしまいます。

    短いキャッチフレーズも、そして撮影された短い動画も同じ。その面だけを見て判断してしまわないことが重要です。
    なにせRTさえ押せば、その感情はウイルスのごとく拡散され、伝染してしまうのですから。

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