• 犬井あゆ「定時であがれたら【2】」

    2019-10-14 19:16


    正式に恋人として付き合うことになったOL同士のキュートさ全開の社会人百合、犬井あゆ先生の「定時であがれたら【2】」が出ましたねぇぇぇ。

    ひょんなことから親密になった、同じ会社の違う部署に勤めるOL同士の湯川さんと水城さんは、ついに恋人(!)として付き合うことになりましたが、お互いに相手のことを今まで以上に考えてしまったり、湯川さんが女性新人の教育係となったことで、多忙のため一緒にいられる機会が減ったり、湯川さんが女性新人に慕われているのを感じた水城さんがモヤッとしたり、お泊まりすることになって湯川さんが水城さんとのH(!)を意識したりしますが…。

    ということで、「なんかあたしたち、いい大人なのに、学生みたいなことしてる」とは水城さんの台詞ですが、社会人百合の多くが、それまでの学生百合との差異を意識するあまり、社会人の世知辛さや狡さなどを前面に出し過ぎているのに対して、この作品の二人は学生の延長線上のように、極めてナチュラルな恋人同士として描かれているのが素敵ですし、女性同士で付き合っていることを周りには秘密にすることに少し疲れたりするけれど、変な悪役とか出さず、二人の「好き」を丁寧に描いているのが最高でした~(1巻目のカバーでは、主役二人が別の方向を向いているのに、今回は向き合っているのが象徴的でしたね)

    あゆ先生には、これからも読者もハッピーになれる社会人百合として、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

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  • 12月百合新刊リスト(暫定版)

    2019-10-14 07:33
    12/9 みかん氏「不揃いの連理(2)」
    12/11 カヅホ「カガクチョップ(6)」
    12/26 むっしゅ「先パイがお呼びです!(2)」
       くろば・U「ステラのまほう(8)」
    12/27 昆布わかめ「世界で一番おっぱいが好き!(4)」


  • 袴田めら「相方システム -学園が選んだ運命の女の子-【1】」

    2019-10-13 20:162


    「相方システム」という女生徒同士の特別関係制度(?)が導入されている女子校を舞台にした、袴田めら先生による約5年ぶり(「ガレット」を除く)となる商業での百合「相方システム -学園が選んだ運命の女の子-【1】」が刊行されました~。

    ふじみ野女学園に入学した直は素直で平凡な女の子ですが、学園が導入している、毎年実施するマッチングテストの結果により、「相性がいい」と判断された二人の女生徒同士が「相方」となり、公私ともに「強固な連帯関係」を育むことで、良好な学園生活を送れるようにする独特な「相方システム」により、一年先輩で学園の王子様ともいえるカッコイイ伊吹の「相方」となってしまいます。
    一方、直と同じクラスの回路(女の子の名前です)の「相方」は、美人(あと、歌も上手)ですが初対面で「(回路が相方に)相応しくない」と言ってのける最悪な性格の持ち主である一年先輩の優花だったのでした。
    しかし、実は一年前の優花の「相方」が伊吹であったにも関わらず、二度目のマッチングテストの結果、二人の「相方」は解消され、直と回路がそれぞれの新たな「相方」になったものの、少なくとも優花はその結果に非常な不満を覚えていることが明らかになってきますが…。

    ということで、一見マリみてなどの「姉妹(スール)制」と似たような「相方システム」によって出会った四人の少女の関係を描いていますが、「姉妹(スール)制」と「相方システム」は以下の点で決定的に異なっていることに注目したいですね。
    ・「姉妹(スール)制」はあくまで生徒たちが自主的に相手を決めるのに対して、「相方システム」はマッチングテストの結果によって学園側から半ば強制的に決められてしまう。
    ・「姉妹(スール)制」は一方が卒業するまで関係が続きますが、「相方システム」はマッチングテストの結果により一年で関係解消もあり得る。

    そのため、「現代的」で「合理的」な「システム」に見えながら、優花が回路と「相方」になることに納得できないといった(男女間での許嫁のような?)、深刻な矛盾が生じてしまっており、その矛盾を巡る四人の少女のスレ違い、揺れ動く想いがこの作品の魅力となっていると思います。

    また、自分が伊吹と釣り合わないことを自覚しながらも、「相方」として選ばれたことを素直に喜ぶ直と、性格最悪な優花を敬遠しながらも、優花が伊吹に執着する様に嫉妬めいた感情を抱く回路という、対照的な「相方」への想いが溢れるモノローグなどは、めら先生の独壇場とも言えるのですが、一方の先輩ペアの気持ちはモノローグでは描かれず、常に不透明感があることも見逃せないと思います。

    あと、めら先生の絵柄は、「最期の制服」からすごく洗練されてきたように感じる一方、めら先生らしいユニークないい意味での稚拙さを持ち続けているのもすごいと思いますし、これこそが(デッサン力云々などという表面的なものと異なる)真のオリジナリティだと思いました。

    とにかく、約5年ぶりにめら先生の商業での百合が読めること自体が嬉しいですし、作品自体も素晴らしい出来なので、引き続き「めら百合」(!?)をよろしくお願いしたいと思います!!!