「百合妊娠」(成年向け)
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「百合妊娠」(成年向け)

2016-07-16 17:48

    百合ファンには、あらおし悠先生等のラノベ方面で有名なキルタイムコミュニケーションですが、今回、コミックでも初のH百合アンソロジーを発売してくれましたぁぁぁ(すでに電子媒体では2巻に分けて発売済みですが、今回は電子媒体分を紙媒体1冊にまとめています)

    その名も「百合妊娠」(!?)という、百合ップルで妊娠エンド(!)な作品ばかりを集めた、ド直球なタイトルとなっております。
    そして、私自身も最初にこのタイトルを見た時、同人などでありがちな、ふたなり化、男体化、男絡みであって、純粋な百合作品はないのではと不安になったのですが(苦笑)、そういう非百合的な展開は皆無なので、ご安心を。

    長代ルージュ先生の「呪いの跡継ぎ」では、そのタイトルからも察せられる通り、閉鎖的な山村を舞台に、そこの旧家の跡継ぎの女性に掛けられた呪いをテーマにした和風伝奇百合となっており、幼馴染みの少女同士が、その呪いを忌まわしいものではなく、お互いに望んだものに反転させていく過程が見所となっていました。

    みら先生の「ドリアードの花嫁達」では、同性愛者が迫害される世界を舞台にしたファンタジーで、お互いに愛し合っている少女たちが、迫害から森に逃げ込んだところで、木の精霊ドリアード(♀)と出会い、精霊の子供を得ること(!)に協力してくれたら、助けてくれると言われ…。
    ということで、ダークファンタジー色が濃い目で、複雑な味わいのあるエンディングを含め、久々に商業に登場されたみら先生らしい、読み応えのある百合になったと思います。

    剛田ナギ先生の「秘密のトカゲ姫」では、トカゲのことになると我を忘れてしまう天才女性科学者が、絶滅したと思われていた貴重なトカゲを入手したことから、そのトカゲを繁殖させるためにぶっ飛んだ方法(?!)を試みた結果は、というSFチック(?)百合となっていましたね(ただ、脇役のグレイシー(♀)の立場がちょっと不憫だったかも(笑))

    ヒロアキ先生の「結婚のメソッド」では、幼い頃に偶然迷子になっていた女神(!)を助け、女神とも知らずに結婚の約束をした少女の元に、その女神が現れて「結婚=妊娠」という強引な理屈でHを迫りますが…。
    最初はぶっ飛びコメディのように思わせて、徐々に少女のことを一途に想い続けてきた女神の切ない健気さにシフトしていくところが素晴らしかったですし、ちゃんとオチも設定されているのも百合としてよかったです。

    山田ゴゴゴ先生の「イヴの世界」では、男の絶滅が危惧される世界で、名門女子校を舞台に秘密裏に進められていたある実験に巻き込まれた(?)少女の運命は、という百合ハーレムエンドな作品なので、苦手という人もいるかもしれませんが、主人公が男の許嫁のことなど眼中になくなるエンディングは、百合にとってある種の理想かも(まあ、あとがきに書かれているおっさんの登場はNGということでお願いしますね(笑))

    タカハギケモノ先生の「がまんできない」では、いわゆるRPG的ファンタジー世界を舞台に、かつて女性だけのパーティで一人のメンバーを好きになってしまいパーティを解体に追い込んでしまった獣人のスフィアに、優しく声を掛け、助けてくれた魔法使いの少女エリー。
    次第にエリーのことが好きになってゆくスフィアは前のパーティでの経験から必死にそんな想いを我慢していましたが、そんな折にエリーがスフィアを助けたのはある思惑があったことが明らかになって、という、こちらもタカハギ先生らしい、鬱展開が二転三転するうちにハッピーエンドへと雪崩れ込んでいく様は、やっぱり最高でしたね~。

    相川りょう先生の「魔法少女と百合の檻」では、ずっと一緒にコンビを組んで、悪い魔女を退治してきた魔法少女二人組でしたが、いつまでも危険な魔女退治を続けることを危惧した一方の魔法少女が思い付いた方法とは、という具合にちょっと魔法による強引な展開が気になりましたが、それ以外はなかなかよかったと思います(偉そう)

    桜沢かなた先生の「サキュバスと夢の種づけH!」では、いつも痴漢にあったりと、男が大嫌いな少女の夢の中に、ある日ルルと名乗る女性夢魔が現れ、少女に自分とHして妊娠するように迫りますが、最初は自分の好みのタイプが女性であったことにショックを受けた少女が、徐々にHだけでなく、ルルと会えないことに我慢できなくなってゆき、ルルも少女に慕われることで却って照れてしまう展開は、百合としてのポイントをちゃんと分かっている感じがあってすごくよかったですね!!!

    というように、各作品とも呪い、魔法、超科学など、ふたなり化等を使わずに、いかに女性同士で妊娠させるかというある種の無茶振り(苦笑)に苦心しながら、百合としての女性同士の関係性もしっかり重視して、バラエティに富んだものが揃ったのは、百合全体としても非常に画期的だと思いました。
    まあ、さすがにこのテーマで何冊も刊行できるとは思っていませんが(笑)、オークスの「L ガールズ」と並んで、しっかり百合ファンの好みが分かっている編集さんが関わっておられると感じましたので、これからもいろいろなテーマを「百合を越えない範囲」(重要)で引き続きお願いしたいものですね!!!


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