「ダ・ヴィンチ」における「百合特集」について
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「ダ・ヴィンチ」における「百合特集」について

2018-02-06 21:40



    ©KADOKAWA CORPORATION 2018
    本とコミックの情報マガジン「ダ・ヴィンチ」において、初の「百合特集」が掲載されましたね。

    これに先立ってwebにも公開された、匿名女性たちによる(一応)「百合」を巡る座談会では、「女性として生きにくい現実」を「百合」に引き付け過ぎた(?)発言などが「百合ファン」の間で否定的に捉えられたりしたため、今回の「百合特集」もあまり期待はしていなかったのですが(苦笑)、マニアック過ぎない一般誌による一特集とすれば、サブカル方面に引き付け過ぎた「ユリイカ」における「百合「文化」(?)」特集よりは、ずっと「百合の世界入門」のような「百合ファン」寄りの真っ当なものになっていたと評価できるように感じました。

    まず、百合脚本家として知られる綾奈ゆにこ先生による「百合クロニクル」は、丁度現在盛り上がっている「吸血鬼百合」の元祖「カーミラ」から説き起こし、過不足なく現在までの「百合」の展開が一望できるのは嬉しいですね。

    さらには、志村貴子(女性同士の関係にじっくりと向き合いながら、長期連載を続けることの難しさ)、森島明子(悲恋のイメージばかり強かった女の子同士の関係を肯定したいという思いと「普遍的な愛」(全き慈悲?)としての「百合」)、高嶋ひろみ(女の子同士のまっすぐな気持ちを楽しんで描いている)、仲谷鳰(女の子同士に限らず、それぞれ好きに生きればいいという思いを描いている)という、ベテランから新人までの百合作家さんのインタビューや、(実は私も実物を持っている(ドヤァ))幻の百合アンソロ「Girl Beans」を刊行された百合の先駆者である霜月みつ先生とお馴染み森永みるく先生の対談(女性が女性としてお互いに愛情を抱き、慈しみあうのが百合)、(一番危惧された(苦笑))「百合ファン」を自認する業界人四人による「百合座談会」(まあ、可もなく不可もなく?)、仲谷鳰、志村貴子、森島明子、なもり、高嶋ひろみ、缶乃、大沢やよいといった作家さんによる描き下ろしのイラストやコミック、そして「百合マンガガイド」に「百合展」の紹介と、まあ総花的でありながらも、不毛な「百合の定義」等のオタク的話題や「男の否定」としての「女性の肯定」といった小難しいことは言わずに、「女性が好き」」という率直な心情を肯定するだけで、その先はそれぞれ好きに自分の「百合」を見付ければいいという単純なスタンスが、いっそ清々しく思えました。

    あと、登場された作家さんや業界人の方たちすべてが、それぞれ立場の違いはあれ、「百合」を愛されていることが分かるのも、よかったですし、「つぼみ」や「ひらり、」の休刊が相次いだ中での「百合」への危機感によって「百合展」「エクレア」「ガレット」の始動したことを高く評価されているのも、分かっている感じですよね(どこかの某「前」編集長には任せておけなかったということ…)

    まあ、最後に不満を言わせてもらえば、現在の「百合シーン」の最も底辺を支えているといえるきららを中心とした「萌え四コマ系百合」と、男向けがメインな成年向けで孤軍奮闘されている(いた)あさぎ龍先生やオークス百合シリーズなどの「H百合」がほとんど取り上げられていなかったことでしょうか(あと、なんで「艦これ」が出ていて、「スト魔女」「ガルパン」が出ていないのぉぉぉ)
    これら、「萌え四コマ系百合」と「H百合」は、「百合」の多様性においても重要な位置を占めていると思うので、もし次の「百合特集」があったら是非(「H百合」は難しいかもしれませんが…)

    ただ、その補完(?)として、「百合特集」の中ではありませんでしたが、アニメも放送中の「スロウスタート」の篤見唯子先生のインタビューも載っていたのはナイスでしたね(女の子同士ならばお風呂に乱入しても「出ていけ」とはならない(ああ、どこかのアンチ萌え百合ファンに聞かせたい(笑)))

    ということで、「ダ・ヴィンチ」の「百合特集」はまずまずだったと一安心(?)できるものになったと思います。

    すでに「ダ・ヴィンチ」では、「BL特集」を数回やっているそうですから、「百合特集」も第2、第3弾を期待したいところですね。


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