「あの娘と目が合うたび私は -社会人百合アンソロジー-」
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「あの娘と目が合うたび私は -社会人百合アンソロジー-」

2018-04-29 09:36
  • 2



©KADOKAWA CORPORATION 2018
さて、商業では初になる(ですよね?)社会人百合アンソロジーと銘打った「あの娘と目が合うたび私は」がついに発売ですね!!!

参加されているのは、イラストで雪子、佐喜ハジメ、コミックではるかわ陽、みかん氏、irua、鹿嵐、瀬田せた、くわばら たもつ、冬芽沙也、えすえす、奥たまむし、みずあそう、さつま揚げ、鈴木先輩、くるくる姫、由姫ゆきこといった百合作家さんが一堂に会しています。

雰囲気いっぱいのカバーも担当されたはるかわ陽先生の「マスキングレディ」では、突然顔出しNG(馬の被り物!?)女性シンガーAsahiのCDジャケットのイラストを依頼された女性イラストレーターのお話。
顔は知らないのに、歌だけでどハマリしてしまい、いつの間にか推しとなっている女性イラストレーターの心の動きがカワイイですし、ジャケットのためか、CDも好評で、Asahiに直接会えることになった結果は…。
というオチも、大人の恋の芽生え(?)、という感じに、はるかわ先生の描く綺麗な女性がぴったりハマっていて、よかったです。

みかん氏先生の「ある会社の彼女たちのこと」は、失恋(ちなみに相手も女性)から自棄酒を飲んでいたら、名前も知らない女性と一夜の過ち(!)を犯してしまったOLさんが、思わず逃げ帰ってしまったものの、その一夜のお相手が職場に派遣されてきて大ピンチ、というありがちな(?)お話でしたが、相手とのバランスや再び失恋することへの恐怖、などを上手く織り込みながら、大人の駆け引き(?)を楽しませてもらいました(笑)

irua先生の「みんな損しているよ」は、OL一同からキツいと評判な女性専務(!)ですが、そんな中で唯一「専務はカワイイ」と言い切るOLが居て、実はそのOLは…という。
専務はどう見てもアラフォー以上なんですが、社会人で年の差というのもいいものですよね~(笑)

鹿嵐先生の「魚と水」は、高校時代の同級生(♀)に偶然再会した女性でしたが、相手が凄い美人になっており、それをきっかけに、今度は都会の彼女のマンションに招かれたものの、彼女のバリキャリっぷりを目の当たりにして、高校時代は一緒だと思っていたこととのギャップが大きすぎて凹んでしまいますが…。
う~ん、さすが鹿嵐先生の社会人百合は、ちょっぴりビターでひねりが絶妙過ぎますね!!!

瀬田せた先生の「メーターストップ」は、徹夜続きの身で重要なプレゼンの場に駆けつけようと乗り込んだタクシーの運転手(!)が、実はかつて職場のエースとして活躍し、勝手にライバル視していたが突然退職してしまった元同期だったというOLさんのお話。
しかも、タクシーに乗っている最中に、プレゼン資料に致命的なミスを見つけてしまいますが…。
まあ、今日び、タクシーは元より、トラックやダンプ、ガテン系でも女性が珍しくなくなってきましたし、せた先生らしいコミカルさもしっかり組み込まれていて、異色な、でもオチはハートフルな社会人百合になっていたのはよかったと思います。

くわばら たもつ先生の「ブルーベルズで待ってる。」は、バイトで似顔絵などを描いて売る生活を続ける女性と、彼女の唯一の心の支えともいうべきオシャレなカフェを切り盛りする女性とのお話で、カフェの女性をしつこくナンパしようしたヤローを絵描きの女性が思い余って追っ払った(拍手)のをきっかけに、二人の距離と想いが重なっていくのを丁寧に描いていて素敵でした。

冬芽沙也先生の「よくできました。」は、職場での飲み会で同郷なのをきっかけに、親しくなり、二人だけで飲みながら仕事のことを励まし合う、ということが恒例となったOLさんたちでしたが、一方が男の同僚に告白されたのを知らされて…。
という、大人の女性同士のメンド臭くてカワイイところが最高でしたよ~。

えすえす先生の「ガチンコ同窓会!オノロケバトル」は、女子高時代の同窓生4人の飲み会で、女子高の時も喧嘩ばかりしていた二人が、またつまらないことで喧嘩し始めようとしたのを、他の二人がなだめたものの、実は…。
という、オチも決まっていて、面白かったです(で、他の二人も気が合いそうなんですよね)

奥たまむし先生の「雨の日、まぼろし」は、たった2ページながら、パートの人妻とOLの切ない思い出がしっかり描かれていて、絶品キュートでした(不倫という後ろ暗さを感じさせないのもグッドです)

みずあそう先生の「無自覚の君」は、かつて惹かれた教え子が、新任教師として赴任してきてしまった女性教師のお話。
教師での先輩後輩という立場や元教師と教え子の年の差などを考え、かつての想いを再び押し込めようと葛藤する様は、やっぱり百合の重要な要素であることを再確認できた、素敵な作品だと思いました。

さつま揚げ先生の「1Kのお城で」は、かつてルームシェアしていた二人の女性を巡るスレ違いと修復を、あえて淡々と描き出していることが、胸に迫りましたね…。

鈴木先輩先生の「いとおかし」は、タイトル通り(?)、お菓子工場で働く先輩後輩の関係を、不器用な先輩と真っ直ぐな後輩の対比のうちにストレートに描いていて好感が持てましたし、ラフな感じの絵柄もすごく合っていましたね。

くるくる姫先生の「先輩社員をヒーヒー言わせたいっ!」は、業務成績が上のほうが攻め(!)という決まりで付き合っているOLの先輩後輩のお話で、いつも先輩に攻められ続けで(つまり業務成績でも負け続け)、何としても先輩を攻めてみたい(!)と奮闘する後輩視点で話は進むものの、最後はご馳走さまでした、となるのがよかったですよぉぉぉ。

由姫ゆきこ先生の「直送ラブレター」は、郵便局員の女性と、いつも大量の郵便物を頼みにくる女性、というわずかな接点しかない二人が(お互いの名前を名札で知ったというところも考えてありますね)、徐々に距離を縮めていく様が甘酸っぱく描かれていて素晴らしかったですし、由姫先生のシャープな絵柄もドンピシャ(苦笑)でした!!!

というわけで、様々な職業によるカップリングに、社会人ならではのメンド臭さとか葛藤、さらにはH(!)も盛り込みながら、大半がハッピー百合エンドという安心して読めるアンソロジーになっていて、期待通りでしたよ~。

これは是非、続きを出してほしいですし、社会人以外の百合アンソロも大歓迎なので、よろしくお願いしたいと思います。

あと、カバーにアンケート先が書かれていますが、アンケートに応えると、はるかわ陽先生のカバーの続きのコミックも読めますので、是非!!!


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おーらんどー様、守る気もないなら協定とか言ってるんじゃねーよ!と脳内爆発三連、こんにちは。同人では社会人百合のアンソロは結構豪華な執筆陣で出ていましたが、ついにメジャーでもこのムーヴメントがやってきたようですね。とにかく、描いている先生方が皆さん、巧みで一篇も外れがない所が素晴らしい。まさにお買い得な一冊ですね。特に鹿嵐先生、同人作品でもビターな作風の時はゾクゾクさせられますが、今回も素晴らしい。もっと、沢山、作品を読みたい作家さんです。あと、奥たまむし先生は、もう言う事無しですね。これ、レギュラーで出してほしいアンソロです。
27ヶ月前
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>>1
こういうアンソロジーが「百合」をしっかり謳いながら、何気なく出されることが、現在の「百合」の充実っぷりを示しているように思いますね。

鹿嵐先生、やはり上手いですし、ビターさを抑えた今回も素晴らしかったですね。

他の作家さんも、社会人ならではのメンド臭さとか、諦めとかも描きながら、ほとんどをハッピーエンドで締めてくれたのも分かっている感じがあって、次はより中堅作家さんなども交えて続けてもらいたい出来でしたね。
27ヶ月前
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