水あさと「屋上に咲く花」
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水あさと「屋上に咲く花」

2014-10-28 19:56

    水あさと先生による良質百合2編を含む短編集、「屋上に咲く花」が発売ですよ~。

    上記のように、全部で6編の短編が収録されていますが、そのうち、タイトル作は百合姫の巻頭を飾った作品なので、読んだ百合ファンも多いと思います。
    あとがきによると、学校の屋上で泣きながらメロンパンを頬張る少女と、それを覗き見る少女という予告カットが載った時点でも、全くストーリーが決まっていなかったそうですが(笑)、女の子に失恋した女の子がメロンパンをやけ喰いしているのを偶然見てしまった女の子が…、といったありきたりな(?)展開ではなく、クラスでいじめにあって、屋上ぐらいしか居場所がなかった少女が、クールな生徒会長が実は大食い女子で、放課後に食べ足りなかった分を屋上で秘かに補充(?)していることを知ってしまってというお話になっていて、予告カットで泣いていたのは、泣くほどメロンパンが美味しかったからという、予想の斜め上をいく展開が却って新鮮でしたね。
    特に、最初はおにぎり、パン、カップメンという定番だったのが、次々とエスカレートしていく会長の食への拘り(?)がテンポ良く笑わせてくれましたし、そこから一転して、屋上に閉じ込められて大ピンチになった二人が強い絆を見せてくれるクライマックス、さらにトホホなオチ、という急転直下なエンターテイメント性はさすがという感じでしたね。

    そして、もう1編の百合、「ウニメイトの王子様」は、あさと先生の連載作「デンキ街の本屋さん」の百合SSともいうべき作品となっていて、地方に住んでいるチョイオタ少女のひめが、高3の夏休みに予備校の夏期講習を受けに上京したのを機会に、憧れの同人ショップに行ったところをヤローにナンパされかけ(怒)、そこを王子と呼ばれるイケメン店員さんに助けられ、ハンカチまでもらったことをきっかけに、その同人ショップでバイトすることになるお話でした。
    で、王子は実は「きみこ」さんという女性(!)だったのですが、ひめは本屋の仕事のキツさにめげそうになりながら、「きみこ」さんの気遣いにより、たった半日でしたがコミカ(?!)初体験も出来、ますます「きみこ」さんへの好意を募らせていきます。
    しかし、夏休みの終わりという別れは否応なく二人に訪れて、思い出のハンカチだけを残して、淡い恋は終わりを告げてしまうという、「屋上」とは全く違う趣を湛えた百合となっていて、また素敵でしたね。

    百合ファン的にも、まず百合姫での単行本化は無理だと思われていた「屋上」が、こういう形で単行本になったことだけでも買いだと思います。

    という訳で、あさと先生には、これに懲りずに(?)、またどこかで百合をお願いしたいと思います。


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