高校二年生の夏のお話
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高校二年生の夏のお話

2015-01-20 04:01


    200X年のお盆の話。


    私の実家は兵庫の田舎でとても過疎化が進んだ山深い土地にある。

    当時高校二年生だった私は日課の犬の散歩をしていたのだが、
    ふと、いつもの散歩コースから外れて山の中へと入ってみようと考えた。

    それは小さな石材店の横から入る山道なのだが、
    私はその道のことを幼少期のころからある程度は把握していた。

    とある方の待山で、田舎の事、風習というか山道の脇には幾つかのお墓が置かれている。

    山道に入って20分くらいして、
    私は杉林の隙間からお墓参りをしている家族連れを見かけた。

    大人二人に、子供が一人。

    時期が時期だけに、こんな山の中にまでご苦労様じゃな~と思いつつ、
    なんか微笑ましくなって、その家族連れに声をかけてみようと彼らの方に向かった。

    しかし、杉林を抜けるある瞬間、私はその家族連れの姿を見失ってしまった。

    あれっおかしいな?とは思ったので件のお墓の前まで行ってみると、
    墓には立ち消えの線香と真新しい花が飾られている。

    私はさらに奥の方のお墓に向かったのかなあと思い、
    せっかくここまで来たのだから、ともう少し奥に入ってみることにした。

    しばらく一本道を道なりに行き、少し開けた場所で廃屋を見つけた。

    そこから先の山道は人の手が入っておらず、
    続いてこそいたが倒木に邪魔され、あの家族連れが通ったとも思えない。

    私はおかしなものがあるものだとは思ったが、
    そのままそこにいても仕方ないので今来た道を引き返すとこにした。

    うちの帰って山の中であったことを家族に話すと、

    「ん?あそこ…30年くらい前まで火葬場に使われていたんやで」と教えられ、
    ついで、あの山道の先が隣町まで続いていることを教えてもらった。

    あの家族連れがなんだったのかは今でも分からない。

    もしかしたら草ぼうぼうで倒木だらけのあの道を、
    二時間くらいかけて隣町まで下りていったのかも知れない。


    ーーー私としては、そっちの方がある意味怖い。



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