調布市国領で聞いた話
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調布市国領で聞いた話

2015-01-21 11:57


    2008年、東京都調布市国領の飲み会で聞いた話。


    その時、私は国領である飲み会に参加する機会があった。
    一次会が終わり二次会に参加した際に、少し不思議な話を聞いたことを留めて書く。

    その人物はAというのだが、
    彼は仕事で遅くなり、京王線の終電ギリギリで帰ってきたのだという。

    その日は夕方から雨で、宵の口からさらに雨脚が強くなり、
    深夜にはちょっとした強い雨になっていたらしい。

    Aは折り畳み傘を取り出そうとしたが、その日に限って自室に忘れてきたのを思い出した。

    やれやれと思いながら改札を抜け、階段を降りる。
    彼はそこで一本の放棄されたビニール傘を見つけた。

    透明であるはずのビニールは色がくすみ、
    傍目にもわりと年季が入っていることが伺えた。

    元の持ち主は、古くなったのが原因で捨てたのだろう。

    渡りに船とばかり、ありがたくその傘を使わせてもらおうとした。
    ビニール傘を手にしようと思った瞬間、


    ―――バッ、と傘が開いた。

    誰が手にしたわけでもない。

    唖然とするAを前に、ビニール傘はクルクルと二、三度回った後、
    フラフラ深夜の街に消えていった。


    東京のような画一化された都市部でも、まだ妖怪は生きている。

    この話を聞いて、なんか嬉しくなった。




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