iPhone1台約28万円。
2022年9月に発表されたiPhone14シリーズの最上位機種の価格は、私がかつて証券会社で受け取った「初任給」をはるかに上回る価格です。下位の機種でも約14万円です。
億近読者の皆様こんにちは。
子を持つ親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。
今回は、iPhoneの価格から気付きを得た、「子供を燃え尽きさせない教育」について解説します。
話を戻します。
iPhoneは、登場してから15年が経ちますが、その間で新機種の価格は約3倍になったことになります。複利で年率8%ずつ上昇したことになります。
この価格上昇率は、アメリカの現在のインフレ率と同じです。
2022年7月のアメリカの消費者物価指数は、前年比プラス8%超になっています。8%は15年複利で約3倍になる数字です。
平均的な物の価格が、iPhone並みのペースで上がったら、ほとんどのアメリカ国民は「もうたまらん」ということになります。お金が足りないからお金を借りて、でも金利が高いから借金は返せないから「破産」。このような地獄が待ち受けているかもしれません。FRBが異例のペースで利上げをしているのは納得です。
でも、「待てよ」と立ち止まってください。
実は15年で物価3倍程度であれば、対応可能です。家計の防衛は可能だということです。
例えば、年収。
15年で3倍を超えていれば、iPhone以上に成長したことになるわけです。私がいた証券会社では、新入社員の時の年収と15年勤めたベテラン社員の年収には、3倍以上の差があります。4倍5倍になっている人もいます。
私の周りの金融業界の友人は、ほとんど「iPhoneを超え(15年で年収3倍超え)」は達成しています。
「年収が上がれば、物価が上がっても大丈夫じゃん」
ということです。
ただ、15年勤めたベテラン社員の年収が、さらにそこから15年後に3倍になるでしょうか。例えば年収1,000万円の40歳の社員は、55歳で年収3,000万円になっている必要があります。
上場企業であれば、本部長とか役員とかになっていれば、達成できるかもしれません。逆に、15年後も係長や課長のままだと厳しいでしょう。
ということは、iPhone超えができるのは、出世競争に勝ち残ったほんの一握りの人だけ、ということになります。
このような話を聞くと、40歳くらいの方は気分が悪いでしょう。
「ちくしょう。俺ははっきりいって役員は無理だ」と思っている人も多いと思います。私は、もし元々働いていた証券会社にいたとしても、出世できなかったとわかっています。
優良企業に勤めていれば、新人から40歳くらいにかけて年収3倍は目指せます。会社によっては5年で3倍ということもあります。
入社する前に、平均的な年収推移を調べておけば、これはクリアできそうです。万が一勤めた会社に夢も希望もなくなってしまったら、転職すれば良いです。
肝心なのは、40歳以降です。
そこから3倍が難しいです。コロコロ会社を変えているだけでは3倍は無理です。
ではどうすれば良いか。その答えは、
「自分のスキルを上げる」
となります。
年収350万円くらいの人が15年で3倍の年収1,050万円を目指し、さらにそこから15年で3倍である3,150万円を目指すのであればスキルアップは必須です。ここでいうスキルとは、資格や専門性だけでなく、人間関係構築力なども含めます。
例えば、学生時代にプログラミング力を身につけ、20代~30代はSEとして活躍。40歳くらいで課長や部長職でマネジメントを経験し、40歳後半では部署や事業部を跨いだ活躍をし、50台で役員に就任。という感じだと理想です。
このような組織での勝ち抜き競争に興味が持てない人は、自身でビジネスを興すことで、年収3倍計画を進めるのもありです。
子供たちには伝えなければいけません。
「社会に出てからも、ずっと勉強は続くよ」と。
難関校に合格して燃え尽き症候群になる子がいますが、それはこのような長期のライフプラン、キャリアプランを立てていないからです。マラソンでいうなら42.195キロもあるのに、監督が選手に「3キロ地点までトップでぶっちぎれ」という指導をしていたら、選手はそこで燃え尽きます。
人生は短距離走でも中距離走でもなく、長距離走です。子供が燃え尽きないような指導が、大人には求められます。
ところで、私が15年前に買った「オメガスピードマスター」の価格は、当時19万円でしたが、現在同機種が40万円くらいで売っています。
iPhoneと違って、何も技術革新されていないのに、価値が上がるものってあるんですね。希少性は大切です。
一応、資産の話もしておくと、15年で10倍になった株はたくさんあります。年収3倍の道を目指すのがしんどい人は、資産形成で億の近道を歩むというのもありです。
子供たちも、本気でライフプラン・キャリアプランを立てた方が良いです。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
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貴族が飢えてるから、養分な愚民が金融投資しろ。