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人間経済科学と賢人たちの教え その2
2020-05-01 01:05産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/4月号連載記事■その2 人間の意志と心と経済・社会●「道徳感情論」と「国富論」 1776年に出版されたアダム・スミスの国富論は、実際に読んだ人は少なくても、その名前は世界中に知れ渡り、現代の経済学における「聖典」とも言える。ところが、この本が、1759年に発刊された「道徳感情論」で論じた内容のうち「人間の経済の営み」に関する部分に特化したいわゆる「別冊」として出版されたことは意外に知られていない。 そもそもスミスはグラスゴー大学(映画ハリー・ポッターの魔法学校のモデルともいわれる名門)の道徳哲学の教授であり、「人間」に関する考察がその専門であった。したがって彼が生きた時代には、「道徳感情論」の方がはるかに世に知られた書物であったのだ。 人間経済科学が「人間中心」の思考を行う理由も、このアダム・スミスの手法に
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