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記事 25件
  • 飛躍の入口に立つ銘柄探し

    2021-06-30 22:18  

     日本の株式市場では3800余りの企業が上場し発行した株式が日々取引されていることは誰しもわかる現実である。それら銘柄の時価総額(発行済み株式数×株価)の合計は750兆円もの規模となりGDPを上回る水準となっている。 大から小まで、莫大な利益を上げている企業から赤字に甘んじている企業まで様々な銘柄が株式市場には上場して多かれ少なかれ皆さんの関心を集めている点も理解できるかと思う。 そうした株式市場ではいよいよ東証による市場改革が進められようとしている。簡単に言えば6月末のデータを基準にした線引きが行われようとしており、いよいよその基準日が目前に迫っている。 時価総額250億円以上で流通時価総額100億円以上がプライム市場、それに及ばない東証1部、東証2部、JASDAQスタンダード銘柄はスタンダード市場、更にはマザーズ銘柄やJASDAQグロース銘柄はグロース市場に移行することなるが、微妙な
  • 時価総額をめぐる戦い

    2021-03-03 01:22  

     上場企業は様々な経営課題と戦っている。 基本的な主たる戦いはどうやって業績を向上させるかだが、それは株主(オーナー経営の場合は自らの資産に反映される)に報いるためであり、これから投資してくれる投資家を導くためでもある。 業績は単に表に出る売上や利益といった数字だけでなく未来に向けた布石(=投資)も含んでいる。業績向上の結果として株価は変動を見せる。 ネガティブな評価がなされたり、ポジティブな評価がなされたりと四半期ごとの業績が株価変動の源泉となり株主にとっては悲喜こもごもの結果につながる。 株価が変動するということでその結果、時価総額も変動することになるのは自明のこと。 現在の日本最大の時価総額企業は26.4兆円の世界最大の自動車メーカー、トヨタ(7203)だが、日本最大の時価総額と言っても米国には更に上をいくEVメーカー、テスラが存在しトヨタのはるか上をいく時価総額(80兆円)となっ
  • これからのマーケット

    2021-02-22 23:57  

     オリ・パラ大会組織委員会の森喜朗会長が辞任しましたね。老害政治・行政から抜け出せない、まさに日本の典型的(組織硬直的)な問題が世界に晒されました。時代遅れで硬直的な政官の組織であると見られても止むを得ないのでしょう。 加えて、日中のTV(大半がバラエティー)では新型コロナと並行して、どのチャンネルを回してもこの話題ばかりでした。他にも重要なニュースが多々あるのに、TV局は視聴率第一で、公共の電波やジャーナリズムと言う認識が欠如しています。 自粛継続の中で様々な変化が見えています。 近所にある下町の小さなスナック系は1月8日の自粛要請早々に宣言期間中の休業に入りました。通常時に店を開けたとしても、均せば毎日平均6万円の売り上げに届かないから閉めてしまった方が実入りがいいと言っていました。地元の飲食店などは午後8時にはきっちりと閉めて自粛要請に従った営業をしています。 商店街のステーキ店で
  • 時価総額200兆円超え企業の未来

    2020-08-26 16:10  
     東証1部市場の時価総額がおよそ600兆円を上回った水準となり1989年末のバブル経済のピーク時並みの水準となる一方で米国では1社だけの時価総額が2兆ドル(210兆円)にまでなったことが話題を集めている。 世界中のビジネスマンが重宝しているPCソフトのWINDOWSに比べビジネスユースではマイナーな印象があったマッキントッシュというパソコンで一世を風靡したアップル社が世界最大の時価総額に躍り出たとされる話題の企業だ。 1990年代前半までは鳴かず飛ばずだったアップル社の株価はアイポッドに続く、スマートフォン(つまり携帯電話にパソコンやカメラの機能を盛り込んだ端末)の普及とともに急上昇。記憶が正しければ25年ほど余りの間に時価総額はおよそ100倍になったということになる。 つまり日本株がバブル崩壊後の失われた30年を過ごしているうちに米国の限られた企業(アップルやマイクロソフト、アマゾン、G
  • PER3倍銘柄が嫌われる理由

    2020-04-08 23:13  
     全体相場の調整局面の中で、個別銘柄も奈落の底に落ちている銘柄が続出。 かつての株式市場での常識が通用しない評価のされ方となってきた。 過去の経験が通用しない中で、PER3倍、PBR0.3倍、配当利回り6%といった驚きの評価に甘んじている銘柄が出てきた状況は私のアナリスト生活においても滅多にないことだ。 これは近未来における当該企業の業績不安が背景になっている可能性もあるが、そうは言ってもなかなか理屈が立たない。これを需給のなせる業と言うと簡単だが、それほど市場が停滞していることの証と言える。 例えば過去10年間黒字を維持し特別利益ではない本業による利益計上で当期利益を向上させている企業のPERが3倍だとしておく。それが更にPBR0.3倍という評価だとして、しかも配当利回りが前期実績ベースの配当金(配当性向は20%)で6.5%という配当利回りだとなれば、多くの個人投資家は投資したくなる筈だ
  • 日本の国富

    2019-09-03 19:11  
     卵が先かニワトリが先かの不毛の議論は少子高齢化が続くと見られる日本国の経済にもどこか共通しているように感じられる。 つまり経済成長は人の数が増えないといけないのかどうかなのだ。 いつの間にか世界2位の経済大国日本は13億人とも言われる中国にその座を奪われ、今や中国が世界の覇権を狙う立場に立っている。 かつて伸び盛りだった日本が叩かれたように今や中国がその憂き目にあっている。 アメリカファーストの公約を掲げたトランプ大統領が自国の国益を優先させた政策を推進するものだから世界の経済は緊縮化しようとしている。米中関税合戦の行き着く先は世界恐慌なのか、いや良識的な線で落ち着くことになるのか興味深い。 世界3位の経済大国となった日本国の未来は少子高齢化の中で行き着く先を模索する中で、明るいのか暗いのか国民の誰しもが関心を持つところなのだろうが、できれば明るい未来の到来を筆者は期待している。そのため
  • 時価総額上位を見るか下位を見るか

    2019-06-26 22:03  
     最新号の会社四季報では日本の株式市場には3739社の企業が上場しているようですが、皆さんはその中からどんな銘柄を対象にして売買されていますか。 株式市場での企業の評価は株価という具体的な数値で様々になされていますが、そうした株価だけを多くの投資家の皆さんは考えて取り組まれているものと思います。 そうした株価と発行済み株式数の掛け算が時価総額。以下の数式ですぐに出て参ります。 発行済み株式数(除自己株)×株価=時価総額 市場全体の時価総額は現在、およそ600兆円ですが、このうち日本最大の時価総額となっている企業は皆さんよくご存知のトヨタ(7203)で約22兆円となっています。 トヨタのグループ企業にはデンソー(6902)や豊田自動織機(6201)、アイシン精機(7259)、豊田通商(8015)といった時価総額が1兆円を超える企業が数多くあり、それらを合わせたら日本の株式市場の5%はトヨタで
  • ミステリアスな株式相場の話

    2019-04-24 01:33  
     宇宙最大の神秘、ブラックホールが話題になっている。映像でその存在が見えるようになったからだ。ブラックホールの存在は宇宙を語る際に必ず出てくる話だが、余りに途方もない話なので、結論はその向こうには何があるのか?といったことで永遠の謎で片付けられてしまうが、かつてに比べればかなり身近な存在になったと言える。 一方、株式相場にも宇宙の神秘と同様にミステリアスな世界が存在する。 この話をすると私に対し様々な反論が寄せられるのかも知れませんが、まさにミステリーと言って良さそうないくつかの現象を披露しておきたい。1.日経平均は狂った指標 平均と言うと何やら昔、小学校で習った算数程度の知識で十分に理解できるそれこそ単純に(A+B+C+D)/4と言うような式で計算できるものなのだが、225の銘柄で構成されている日経平均という指数は今さら言うまでもないが、日本を代表する民間最大の経済新聞社である日本経済新
  • 新年度を迎える

    2018-04-03 01:29  

     間も無く4月。いよいよ春本番ですね。桜のピークは既に過ぎつつありますが。  読者の皆様も、これからより明るく、より暖かくなる時期を迎えて、夏までの最高のシーズンをどのように過ごすかを考えておられるかと思います。  過半の事業会社にとっては新年度に入るとともに、株主総会を迎える大事な時期でもあります。  投資家にとっても4月後半から始まる決算発表を元に前期決算を振り返り、また新年度に何が出てくるかを見守る、これまた1年で最も大事な季節となります。  全体的に言えることは、足元の外部環境や為替、資源価格の推移を踏まえれば識者の期待とは裏腹に、新年度予算は各社とも相当慎重な予想数値を出してくるのではないか、と言う辺りです。  それに加えて、幾らトランプ政権がそれほどの無茶は出来ないはずと考えても、相変わらずの無茶ぶりですし(苦笑)、且つこれだけ世界各地での紛争が増え、各国の政治が衝突してい
  • 時価総額700兆円

    2018-01-16 19:18  

     新年あけましておめでとうございます。  今年がより一層、皆様の良い年になりますよう祈念いたします。  つい先月のメルマガにて「東証一部時価総額が670兆円にもなったのだから注意しましょう」などと書いていたら・・・、何と!僅か半月ちょっとで時価総額が700兆円になりました。  新年初日の日経平均株価が741円(3.26%)も上昇して始まった国内株式市場。凄いです。  振り返れば、2011年末のTOPIX終値が728.61ですから、この6年間で約2.55倍に値上がりしたことになります。  2000年代の利付国債10年物利回りは2002年と2010年に一時1%を下回った以降、2011年の年末に1%を切り0.980%となってから2017年末の0.045%を比較すれば約1/20になったということです。  これが何を意味するかと言えば、それまでの1%程度の利回りではデフレ環境が改善しなかった。2