-
為替市場動向~ドル全面高~
2018-11-02 13:54
米国の中間選挙を控えた10月、2月に続き今年2回目の株式市場の大きな下げとなりました。直近では、下げも十分出尽くしたのか、月末要因での調整なのか、今週はリバウンド期待も出ていますが、11月6日の中間選挙を前に大きく動きにくい展開が続きそうです。 そんな中、今週は、本日行われている日銀金融政策決定会合、また11月2日金曜日に発表される10月分の米国の雇用統計が注目のイベントです。 日銀の決定会合は現状維持の予想が大半ですが、会合後の会見での昨今の市場についての総裁のコメントは関心がもたれるところです。 一方、米国雇用統計の10月分は、フロリダ州に上陸した大型ハリケーン(「マイケル」)の影響もあり、数値通りに雇用の実体を把握できるか疑問視する向きもあります。 リリースされた数字による相場への影響は限定的になるかもしれません。 市場予想は、失業率3.7%(前月横這い)、非農業部門 -
為替市場動向~半期末、テーマは再び政治に~
2018-07-04 11:15
エスカレートしていく米国発「貿易戦争」進行の中、6月FOMCでは予想通り利上げが決定されました。 その後、6月20日には、パウエルFRB議長は「FF金利(政策金利)の漸進的な引き上げ継続の論拠は強い」と発言。マーケットでは、2018年は合計4回(残り2回は9月と12月?)の利上げを織り込みつつあります。 米国2年債は、2.53%まで上昇。貿易戦争や移民問題などのリスク要因で利回りが低下(質への逃避)気味の10年債との利回りギャップは約0.338%にまで縮小。2007年以来の小さなスプレッド。気になる動きではあります。 米国トランプ大統領による貿易戦争を拡大は、止まるところを知らないように見えます。3月に始まった輸入関税引き上げ発表、6月初めにはEU,カナダにも。日本以外の多くの国は報復関税の導入を検討もしています。対中国への関税措置は、中国からの報復措置行使で、追加関税も検討さ -
為替市場動向~じわっとリスクオン?~
2018-04-20 11:58
いつの世もトラブルや問題がないのが珍しいと言えますが、ありすぎると慣れてしまうことも良くあります。 4月に入ってから、国内国外、いろいろと問題は伝えられるなかで注目された日米首脳会談。トランプ大統領から伝わった話、それに加えて米国の一部企業の好決算が伝えられたこともあり、リスクオフの動きで株高、やや円安・ドル安(円以外の通貨にドル安)に反応しました。恐怖指数とも言われるVIXも13%水準まで低下しています。 日米首脳会談一日目を終えてのトランプ大統領からの発言は、安倍首相と北朝鮮、貿易、軍事についての意見交換で進展が見られたこと、朝鮮半島における融和へ協議を歓迎で一致、また、とりわけ日本の悲観である北朝鮮拉致問題を米朝首脳会談で取り上げると約束したことで安倍首相訪米にお土産をくれたとも言えます。 さらに、トランプ大統領の希望で、二日目の朝は予定外のゴルフを一緒にプレイするという -
為替市場動向~米債利回りカーブのフラット化~
2017-11-16 19:21
日本株相場の乱高下の傍らで、為替相場は比較的限られた動きではありましたが、12月の米利上げ期待を先取りして9月から上昇してきたドル相場が先週央から反落。 特に、昨日14日は、中国景気鈍化の見方、米長短金利のフラット化(米国景気への先行きへのネガティブな見方)、またユーロ圏GDPの予想以上の数字を材料に、ユーロ主導でドル指数は10月中旬の水準まで反落しました。 米国の金利動向の中でも、今後近い将来の金融政策の行方を示す2年債と長いスパンで予想される景気やインフレ動向への期待が入る10年債の利回り格差は、2007年以来の低いスプレッド(直近0.67%)です。 2-10年債スプレッドは、ここ10年で最大2.80%(2010年3月)、その後は2%を挟んだ動きが続き、FRBの金融政策正常化が始まると、2年債が上昇に転じた一方で低インフレによる長期金利の限定的な上昇でフラット化が進んできま -
為替市場動向~米・利上げ、欧・緩和縮小?日は?~
2017-03-17 21:36
今週は、注目イベントが重なります。とりわけ、今日3・15は米国の金融政策、財政問題、欧州ではオランダの選挙に注目が集まっています。 米欧の結果が出る日本時間3月16日には、昼過ぎに日銀の金融政策決定会合の結果(注目度は低いながら)と総裁会見が予定されています。 さらに、週末3月17日ドイツでG20財務相、中央銀行総裁会議開催の予定です。 米国FOMC(連邦公開市場委員会)での政策金利の追加利上げは、既に織り込済みがコンセンサスになっています。 FRBの政策目標である雇用と物価の安定が許容水準まで改善してきたこと、他の経済指標も好調なものが多くなってきたこと、これに加えて、海外要因に大きなリスクが見られない今の時期に金融政策の正常化を決めてしまおうという姿勢もあると思われ、利上げ決定は決して不思議ではないでしょう。 注目されるのは、今後の金利をFRB理事たちがどう読んでいるか -
トランプ大統領とマーケット
2017-02-13 23:26
昨日はトランプ大統領が、今後2~3週間以内に税および航空インフラ開発に関して目を見張るような発表を行うと発言した。この発言を受けて米10年債利回りが上昇してドルは上昇することとなった。 ここまでは悲観論によるショート勢、また日米首脳会談を前にして動けない投資家がそろり動いたのが今日のマーケットだったのではないだろうか。 ショートカバーでここまでが得たが、ここからさらに上値を試せるかどうかは、今晩の日米会談にかかっていると思う。 ドル円に関しては120円を超える楽観論はさすがに影を潜めたが、110~111円がサポートされ110~115のレンジであれば、株価に関してはそれほど大きな下落要因にはならないのではないだろうか。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が -
為替市場動向~米利上げは遠のきリスクオン相場?~
2015-10-08 13:14今年も10月に入り、四半期が残されるのみになりました。今年も、様々な事象に振り回された市場でしたが、継続的に最も注目されてきたのが米国の金利正常化でした。 金利正常化は、金融引き締めというよりも、将来の金融政策の幅を確保するためにも必要と考えられてきました。 9月の政策決定会合でも利上げ決定は見送られ、先週発表された米雇用統計の9月のみならず、前月までの数字の下方修正もあり、利上げの来年以降へのずれ込みを予想する向きを増やしました。 世界は全て解釈で動いていると言われますが、先週末発表されたた米国の雇用統計への反応はまさに諸刃の解釈による反応でした。 市場は、まず失望でリスクオフに解釈して始まり、次に金融相場が続くとの解釈でリスクオンの株高、債券安、ドル安&円安に動いて週を終わり、直後の反応を見て眠った人たちにとっては土曜日の朝起きて見たクロージング値には目を疑ったものと思います。 -
為替市場動向~ついに決めるか?米国のFOMC待ち~
2015-09-17 11:54米国の金融政策を決める米国連邦公開市場委員会FOMCの結果を待つマーケットは、方向感が見定めにくい動きが続いています。やや落ち着きを取り戻しているようにも見えるマーケットに、イエレン議長はどんな決定を伝えるのでしょうか。 人民元切り下げに始まった世界的な株式市場混乱を懸念した環境の中で、9月の利上げは見送られるとする見方が主流と伝えられていますが、一部の通信社に よる現地エコノミスト事前調査では、やや0.25%の利上げ見送りが半数以上いる一方で、利上げ決定予想者の数も40%強の数を示していて、見方は分かれ ているようです。さらに、少数派としては、0.125%利上げを予想する向きもいるようです。 決定が発表される日本時間18日午前3時が迫ってくる中で、昨日は米国の債券市場での動きが注目されました。 特に、金融政策の方向性が表れる2年債の売りが出て利回りは一時前日より0.1%高い0.8% -
為替市場動向~嵐の後、ドル高は続く?~
2015-07-24 00:56ギリシャの債務問題、中国の株下落が当面落ち着き、為替市場は、利上げが予想される唯一の国、米国と、一方で金融緩和の続行が予想される他の国々という対比によるドル高に戻りました。 6月末比での対米ドルでの主要通貨パフォーマンスは、4%以上下落した豪ドルを筆頭に、カナダドル(-3.6%)ノルウエイクローネ(-3.3%)と資源国通貨の下落が目立ちます。日本円は、主要通貨の中では下落幅が最小でした。 資源価格下落は、ドル高期待からなのか、資源価格が下落したことがドル高に繋がっているのか?相互作用とも思えますが、7月に55~60ドル水準で落ち着いていた原油価格が50ドル台に下落、1100ドル台で推移していた金価格も1100ドルを割ってきました。 米国の利上げ期待による下落だけでなく、世界全体の需給緩和、背景には景気減速も指摘されます。原油価格で言えば、今年3月につけた49ドル台の下値で踏みとどまれ -
為替市場動向~再びのドル高復活、黒田シーリングはタフ?~
2015-06-25 11:32今週、ギリシャ救済問題に明かりが見えたことで、リスク回避の動きが緩みました。 株式市場が大幅上昇の反応を見せ、日経平均は18年ぶりの高値まで急騰してきました。6月に入ってからの反落で、もうひと押しを待っていた投資家の方も 多かったのではないかと思います。このところ、やや下向き、または、こう着を予想する声が多くなっていたことも、ポジション的に大反発、急騰に繋がってい たのでしょう。常に何が起こってもいいように、兆しを見逃さず要準備ということでしょうか。 為替市場の反応は、ギリシャ問題による質への逃避が剥がれたことに加えて、少し後退していた米国のFRBの年内利上げ2回説も出て、米国金利の上昇によるドル高の動きが復活しました。 ドル円は、今月初に125円台をつけた後、日米の要人発言を「警告」として解釈したことから、122円台へ下落。その後は、122円~124円の取引レンジの範囲で動いていま
2 / 6