本日は大学院生の後藤さんにお越し頂いて、最近の若者の皆さんの就職活動の状況や、後藤さんご自身の考えなどを聞いて参りたいと思います。

大熊:後藤さんよろしくお願いします。

後藤:お願いします。

後藤:まず就職活動につきまして打ち明けますと、このスタイルは好きではないです。なぜかと言いますと、あまりにも決まりきったことをやらなきゃいけなかったり、会社は個性を知りたいのに就職活動はリクルートスーツでなくてはいけないことなど、違和感を感じることが多々あるためです。

大熊:それに対して後藤さんとしては、そのような企業以外を目指すのか、企業のあり方を変えていきたいのか、どうなんでしょうか?

後藤:皆さんが就職活動をしている中で、いきなり学生一人が企業のあり方を変える運動を起こそうとしても難しいと思うので、何かしらの企業に入ることは重要なのかなと思います。

大熊:そうですね。私自身も議員になる前に8回転職をしておりまして、いろんなタイプの組織で働いたことがあるんですけれども、日本の会社の場合は本当に“同質性”を求めることを痛感しました。転職をして入ってくると途中の入社なので同質性が無いんですね。これは日本の会社や組織・団体では、大体“異質・異端なもの”となって非常にやりにくいし、一言で言うと「ハッピーじゃないよなぁ」と思うところはありましたね。ざっくり言ってしまうと、“日本の低いパフォーマンスのもと”なのではないかと思います。
例えばある大きな銀行で“グローバル採用”というものをやったのですが、私が一時やっていた投資の会社でインターンをしていた後藤さんのような大学生(金融関係の会社に就職希望)が、その採用で合格をして、現在も働いているんですよ。しかしなんとそのグローバル採用、合格者は全員“日本”の四大の大学生なんですよ。“グローバル”というならインド人も居ればアメリカ人もい居るってイメージじゃないですか。合格者に、同じ教育を受けた日本人しか居ないのなら、どこが“グローバル採用”なんだとは思いましたね。
このように、特に金融系の企業なんかは“同質性”を求めるところがあるのかもしれないですね。極端に現地採用しても外国の子会社に外国人が居るというだけで、日本の経営の中枢はグローバルになっていないと思います。
“同質性”の転換をするということは簡単ではないと思います。一番手早く効果があるのは、古い伝統的な会社に変わって新しい会社が色々な分野でのマーケットシェアを増やして採用も増やしていくことですね。要するに既存の会社を変えるより新しい会社が伸びる方が早いのだと思います。しかし新しい会社ってあまり学生には人気が無いんじゃないですか?就職人気ランキングは伝統的で名前のある会社が多い。

後藤:やっぱりお金の問題って大きいと思うんです。例えばベンチャー企業を自分で始めるのは能力的な問題もありリスクも大きいと思うんですよ。ベンチャー企業は潰れる可能性も高い。日本の場合だと一回潰れてしまえば次を見づらいし、食っていけなければ元も子もないと思うんですよね。だからとりあえずお金がもらえるだろう大きい商社や銀行を受けるって人が多いんじゃないですかね。

 大熊:そうですね。だから人材(学生さん)の方も企業側の方もいわゆる保守化といいますか、変わらないような変えないような力が働いていて何も動いていないというところを私はかなり懸念しています。

後藤:頭の良い人だったら考えられることで、いろいろな状況考えると、それこそ商社などに行ったりすると思うんです。そちらの方が生活できなくなるということがなくなるという。チャレンジ精神のある人は自分で起業したり、それで成功したりする人もいると思うのですが、「適当に頭のいい学生」というのは良い所にとりあえず就職すれば良いんじゃないという感覚にマインドが働き易いのかと。

大熊:働き易いですよね。本当にその気持ちも解るし、投資の言葉でいうと「ダウン サイド リスク」と言いますが、「ダウン サイド リスク」に位置する「守り」のやり方ですよね。そこそこ有能な人は下の方(ダウン サイド)に行くことはないということで、一言でいうと、つまらない道を選ぶ人が多いのかもしれないですね。それはどうしてかと考えてみると、結局日本の企業・あるいは社会構造が、あまり成長しなくても退場させられないのですよね。要するに成長率が「ゼロ」でも資金繰りが続けば会社は存続できるように退出の圧力が働かないのだと思うのです。簡単にいうと「茹で蛙」の状態で、ぬるま湯にずっと浸かって伸びなくても良いうことが容認されている社会だからなのだと。伸びない会社はそのままで良いよ、と。あるいは、少しづつ衰退していくけれども潰れることはないし、50年は大丈夫だろうという状態でも退出させられることがないということに問題があるのではと、ふと感じます。
まあ、アメリカが決して良いということではないのですが、資本主義の良い所は「資本」て結講厳しいのですよね。厳しいっていうのは、会社が成長しないと、つまり株価が上がっていかないと退出させられるという本来そういう仕組みなはずなんですが、日本の場合は上場している会社で日経平均て、225社採用されていて10年前、20年前、30年前からほとんど変わっていないですからね。上場会社、全部で4千社くらいあるのですが多少入れ替わりはありますが、退出させられることはほとんどないです。あの、「東京出電力」だってまだ退出してないじゃないですか。

後藤:笑

代議士:上場しているのですよ。オリンパスだって上場しているのですけど。これを突き詰めて考えると、元になっていて、あなた方の就職のいろいろな良くないことろの根っこが経営の問題なんじゃないかと辿りつく気がします。

後藤:とても失礼な話になるのですが、若い人たちの為に政治を通してどういったことをしてくれるのでしょうかと、お聞きしたいのですが。

代議士:鋭い諮問ですね。急にお腹痛くなってきて、ここから出て行きたくなるような、難しい且つ、鋭い質問なんですが、大きな方向として2つあるのですが、1つは若い世代に働く前から過重な負担が存在しているというのをなんとか軽くする方策がないだろうかと、これは大きな政治の力を使わないと出来ない話なんです。年金とか医療の話が1つ。もう1つは若者の皆さんがこういう風にキャリアアップしていきたいというチャンスがどんどん増えていくような社会構造にするという、これも政治の力を使わないと出来ない部分があると思って、やって行きたいと。じゃあ、どうやってやっていくかっていうと次の段階に行くと難しいのですが、1つ1つ取り組んでいきたいと思います。2番目の、若者の皆さんにいろんな機会をっていうのは一言でいうと新陳代謝の起こる社会構造ではないかと思います。会社や、そのなかで働いている特に従業員、サラリーマンもありますが、日本の場合はプロフェッショナルな経営者がほとんどいなくて、まずはサラリーマン上がりの役員、まずはここから、正社員の問題もありますし、会社自体も新陳代謝がないというこのへんの所に、突っ込んでいけたらと思っています。

後藤:そこのところは若者は、数が多くならなければ難しいという気がして、でも以外と就職活動にぶつかった若者は時間もなかったりとか、大人が気づいてくれるという点は、わたくし個人としてはありがたいと思うので、ぜひ、やっていただきたいという感じです。

大熊:その為にも、20代の皆さんは絶対選挙に行くっていうのが必須条件です。

後藤:最近私も妹をひっぱたいて選挙に連れて行ってます。

大熊:どうしても、選挙になりますと、老人の投票率がものすごく高いですから、人数も多いのでこちら中心の軸足になるので、若者もみんな選挙に行くということがまず、社会転換の第一歩ではないかと思います。

後藤:はい。

大熊:宜しくお願いいたします。

後藤:これも聞きにくいのですが、また、いろいろな政治家の方にお話聞けるのでしょうか?

大熊:今日のように、私のような1年生議院ではなく、どんどん偉い有名な先生方に突撃して鋭い質問をぶつけていっていただければ日本も良くなるのではと思います。頑張って下さい。

後藤:はい。若者の一人として頑張ります!