資料のファイルは下記
資料 レファレンス平成25年1月号 敗戦直後の戦争調査会について

今日は面白い資料が見つかったのでお伝えしようと思います。国会図書館の調査局の方で作った大変面白いレポートです。これは外交防衛課の富田さんという方が書いたもので
「敗戦直後の戦争調査会について」
ー政策を検証する試みとその挫折ー 
というものです。日本が太平洋戦争で負けたことの総括をしようという内閣の正式な今で言うと審議会のようなものでしょうか。1946年に行なわれたものの調査レポートです。
メンバーなど紹介してみようと思います。
主な点は
総裁は幣原喜重郎さんという、幣原外交という戦前に外務大臣を経験された方です。1946年2月26日に戦争調査会の総裁に任命されておりまして
【第一部会 政治外交】【第二部会 軍事】【第三部会 財政経済】【第四部会 思想文化】【第五部会 科学技術】というかなり多岐にわたってしかもメンバーも蒼々たるメンバーです。たとえば軍事のところでいうと元憲兵司令官の飯村さんとか、海軍中将の戸塚さんとか入っています。
日本がどういったことでこの戦争に入って行ったのか、何故負けてしまったのか?大きく言うと大きく言うとこの二つの観点で議論をする、正式な日本国の内閣としての戦争の総括をやる正式な機関として出来ていたわけです。なんとこれがその後、GHQの解散命令を受けて解散しているんです。そういうことがこの報告書に書いてあります。解散の直前の46年8月、調査をする項目として1番目から68番目までそうとう詳細な形で第一から第五部会で調査をする計画で次年度、47年、昭和22年度予算を大蔵省に申請したもののGHQに解散させられ予算はとれずに解散消滅しているということです。
もし今後憲法問題を考える場合憲法自体がGHQに押し付けられた前提にたてばこういった調査会も強制的に解散させられていて日本国政府が極東軍事裁判とは別に自ら戦争の総括を奪われているということなんで憲法の問題を考えるのであるならばその前にこういった日本国政府として戦争の総括を正式な内閣の一環としてやるべきではないかと考えております。この調査会の事務方はその後内閣官房に吸収される形で現在に至っています。もちろんその当時の方は退職されているでしょうがこういった機関をつくるとすれば政府の中であれば内閣内閣官房か内閣府、あるいは国会の委員会のような形でつくるかということだと思います。直近で原発事故調査委員会との比較も書いてあり非情に興味深いものになっています。今後も追っかけてゆきたいと思います。