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【オナニーマスター黒沢】誰だって嫌われるのはイヤでしょう?【ブロマガ読書感想文②】
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【オナニーマスター黒沢】誰だって嫌われるのはイヤでしょう?【ブロマガ読書感想文②】

2013-11-25 23:59
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前の記事:ar399067


※この記事には作品のネタバレになる内容も含まれるため注意願います。

精液の海に沈んでいった彼女。

こわかった。このあと黒沢くんがどこにでもいる普通の変態に戻れると思えなかった。
滝川さんが嘔吐したとき、彼女がかわいそうで黒沢くんが惨めに見えた。

滝川さんはとてもたくさん傷ついた。
彼女は言っていました。

「女の子にあんなことするなんて、絶対に許せない……」

滝川さんはその制裁を自らも受けることになり、深く傷ついたはずだ。
人に好意を寄せられるようなことはしても、
うらみを買うような真似は絶対にしない彼女が。

滝川さんを犯せと命令した北原さん。
彼女は修学旅行中、あまり好きではないピザ太に困っていた。
でも直接口には出せない。嫌いでもクラスメイトだから。
黒沢くんに関くんが自分のことを諦めるようにしてほしいとお願いした。
彼女は言った。

「誰だって嫌われるのはイヤでしょう?」

私がオナマスで一番ショックを受けた言葉がこれだ。
そうなのだ。この世の中に好んで嫌われようとする人間なんていない。

嫌われないようにするにはどうすればよいか?触れなければいい。
好きな人に嫌われると思うと世界が終わると聞かされるよりも胸が苦しくなる。
心の部屋のドアを閉ざして好きなあの子と出会わなければいい。

黒沢くんは滝沢さんのことが好きだった。
そして北原さんは長岡くんが好きだった。

彼らはもうあのころには絶対に戻れないと思った。
黒沢くんも時計の針は前にしか進まないといっていた。

しかし、あの絵が彼らを変え、変わろうとさせてくれる。
文化祭の3年3組の出し物、水彩画、テーマは「将来の夢」。

少女が見た夢「またみんなで」

人との接し方がわからなかった彼女は誰よりも人を愛する人気者になった。
しかしそんな彼女の笑顔を黒沢くんは奪った。
彼女はまた人と接することに怯えている。

それでも彼女は夢を描いた。
楽しかった修学旅行にまたみんなで行きたかった。
人に触れて笑顔になろうとしていた。

「……ごめんな……滝川……」

黒沢くんは後悔した。
彼女や自分が犯してきたみんなに悪いと思えた。

「本当にすみませんでした」

黒沢くんは謝った。
クラスのみんなの前で謝った。
彼が侵した罪は決して許されることではない。

でも彼は一度はつながれたはずのつながりをもう一度つかみたかった。
出会いをなかったことにしないために。
人に嫌われてもいっしょにまた笑顔になるために。
またクラスのみんなで修学旅行に行くために。

黒沢くんは色のついた透明人間になった。
クラスのみんなから無視されるも制裁を受けた。
彼は耐える。耐えて見せた。みんなに。あの北原さんにも。

かっこよかった。
クラスの担任の先生、野宮先生はいう。

「先生はおまえの勇気を買うぞ。おまえはみずから茨の道を選んだんだ。」

私は友達に嘘をついたことがある。
嘘をついて得た関係で笑顔にはなれなかった。
黒沢くんは茨の道を選んであの笑顔を取り戻そうとしたのだ。

野宮先生の言葉に、黒沢くん、君はいい先生に学んでいるんだよと伝えたかった。
そして君は自分が思っている以上に貴重な出会いをしてきたんだよと。

「黒沢殿ー!いっしょにストレッチしませんかー!」

めったに出会うことのできない、超がつくほどしつこいブロッコリー長岡くん。
彼は変わろうとしている黒沢くんに勇気を出して声をかけてくれた。

涙が出た。黒沢くんも泣きそうになっていた。
私はいままで貴重な出会いをなかったことにしてこなかっただろうか。
悪いことをしたけれど本当に反省し努力している人々を避けてこなかっただろうか。

「よろしくな」

黒沢くんは長岡くんと友達になりました。
変わろうとするおとこのこ黒沢は、
伝説の超しつこい人ブロリー長岡と強く握手をかわした。

かつての透明な自分から変わろうとし変わって更に変わろうとしている
極彩色となった少女、滝川さん。
恋愛小説に出てくるような憧れの相手に背中を押されて、
彼女も黒沢くんと仲直りをする。

小説版のオナマスを先に最後まで読んだ私ですが、
漫画版にのみ表現されている滝川マギステルの視点が最高に好きになった。



オナニーマスター黒沢 第27発 Another side

「実を言うとね、私、黒沢くんがみんなの前で自分がしたことを告白したとき、
ショックを受けるよりも先に、すごいな、って思ったんだ」

変わろうとしている彼をみて滝川さんはすごいといった。

彼女も苦しんでいた。
黒沢くんを許してあげたいのにもう一人の嫌な自分のせいで
彼に声をかけられずにいた。

「変われてない…私やっぱり…!
うじうじして暗かったあの頃から…!
全然…変われてない…!」

「そんなことないよ、大丈夫、きみはちゃんと変われてるよ」

彼女は黒沢くんが変わろうとしていることに気付いたとき、
目からウロコの涙を流した。

「だって分かるから…!変わろうと思う気持ちが…分かるから…!」

黒沢くんはあの思い出の図書室のあの席で滝川さんに謝ることができた。
滝川さんは黒沢くんを許してあげられた。

何十冊何百冊本を読んでも、
自分が本当に大切な人に伝える適切な言葉なんてどこにも見当たらない。
自分の中の一番大きな感情を伝えてくれる言葉。

「ごめんなさい」

「いいよ」

そして黒沢くんは人生最大のあたたかな契約書に滝川さんとの取引で判を押す。

「いつか黒沢くんが、世界一甘いベッタベタな恋愛小説を書いて私に読ませてよ。
楽しみにしてる。」

こんな重大でたいへんな取引にこんなにも心があたたかくなるものだろうか。

「みんなに好かれる人気者も、
みんなに好かれようと努力する人気者も、
どっちも同じ人気者だ。」

オナマスの感想の途中であれだけれど、
私は「メダロット」というアニメ作品のある言葉もよく思い出す。

「この世の中には2種類の大人がいる。
きっちり責任を果たす大人と、果たそうと努力している大人だ。」

「お言葉ですが、責任を果たさない大人だって
世の中にはたくさんいるんじゃないでしょうかねえ。」

「それは大人じゃねえ。無駄に年齢重ねただけのクソガキさ。」

どこかのヒヨコ売りが言った言葉だ。
黒沢くんは責任を果たそうと努力している。
黒沢くんはきっと人気者になれる。

さて、この物語で決して忘れられないのが彼女だ。
仔リスのような女の子、北原綾。
物語は彼女からはじまったのだから。

北原さんは変わろうとする黒沢くんをみていた。
そして悔しかった。そうなれない自分に。

北原さんはあの事件で中学3年生の最後の最後に不登校になった。
彼女の人生はこれからもずっと女子トイレの中なのだろうか。

黒沢くんは高校生になった年、
学校にも外にも出られず引きこもっていた北原さんの元を訪ねる。
なんどもなんども北原さんの閉じこもったトイレのドアをノックする。

最終発「きみといっしょに」
黒沢くんは自分が変わろうとできたきっかけのあの絵のことを話す。
なろうとする夢という道しるべを彼女に提示する。

北原さんは弱い女の子かもしれない。
つよい意志をもっていると黒沢くんはあのとき思ったが
そうでもなかったかもしれない。

でも彼女にもできることがあった。
彼女も女子トイレのあの一室のドアを開けました。

北原さんは黒沢くんと同類でした。
変われる人も、変わろうと努力する人も、どろらも変われる。


私も中学生の最終学年、3年3組だった。
わたしもあの教室にいた。

同窓会は何年かに一度地元で行われている。
でもそのとき声をかけていない友達だった人がいる。好きだった人もいる。
もう彼らとあのころのように教室で会えないのか。

いや会える。再会できる。黒沢くんと北原さんはできたのだ。
もう遅かったなんてことはない。まだ間に合う。会いに行こう。修学旅行に行こう。

この作品を読んで、私は変わろうとできるようになった。
なりたかった自分じゃない自分に会った時、そうじゃないと思えるようになった。

今、そういう場面になったとき、
あの滝川さんの夢の絵「またみんなで」を思い出している。
その夢を絶対に叶えたい。

滝川さんはあるとき言いました。

「だけどまだ、こう……心にガツン!と来るような
小説には出会えてないんだよね。
一生本棚に残しておきたくなるような、
読んだその日から人生ががらりと変わっちゃうような、
心底出会えてよかったと思える小説とはね。」



「オナニーマスター黒沢」私はこの物語を一生本棚に残したいと思う。

さて、本日更新され、最終発を迎えたオナマスですが、
どうやらこの物語には番外編、番外発があるようです。

イチモツの鼓動は愛

黒沢くんが滝川さんにあのとき寄せた思い。それとよく似た、いや同じ、
あの切なくもあたたかい感情の行方がちょっとだけ見られるようです。

この1週間、楽しみに待っています。


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黒沢の、弱さと向き合う強さを、
北原の、一歩を踏み出す勇気を、
滝川の、過ちを許せる優しさを、
長岡の、まっすぐ人を愛せる無垢さを、
すごいな、って思った。

自分はそのどれも持ち合わせていないから。

ついでに、
この作品に触れて変わる事を決意した、このブロマガの作者も、
すごいな、って思った。



ドアの向こうのそいつら5人に、
いつか追いつけたらいいな。
93ヶ月前
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