【ポケモン小説】part9:友との再会
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【ポケモン小説】part9:友との再会

2013-12-16 23:50


    「フジくん、待っていたよ。」

    「遅くなってしまい申し訳ない。」

    ニシノモリ教授に誘われて、
    彼のビンヌポケモン研究所で開かれているパーティにやってきた。

    ビンヌの海がとてもなつかしくなってあたりを歩き回っているうちに
    約束の時間を過ぎてしまっていた。

    「今日は招待ありがとうございます。」

    「遠い所からよくきたね、ちょっと痩せたかい?」

    「そうかもしれませんね。」

    ここのところまともな食事もとっていないし、
    他人から見れば私はやつれてみえるのかもしれない。
    ニシノモリ教授は昔とどこもかわっていなかった。

    「奥さんは残念だったなぁ。夫婦で参加すれば楽しかっただろうに。」

    「・・・そうですね。」

    妻が家を出て行ってしまったことはまだ誰にも話していなかった。
    妻と出会ったビンヌの海岸に来ればもしかしたらまた会えるのではないか、
    そんな淡い期待も抱いたが彼女の姿はどこにもなかった。

    「まぁでも、今日はなつかしい研究室のメンバーがたくさん集まっているよ。
    君も楽しんでいってくれたまえ。」

    会場の中を見渡すと、確かになつかしい顔でいっぱいだった。
    ポケモン学会で顔をあわせているのも多かったが、なぜだかなつかしく思えた。

    「タマタマ会ったら、なつかしいポケモンなーんだ?」

    うしろからこれは本当になつかしい声が聞こえてきた。

    「カツラ!」

    「ブッブー!タマタマあったらナツカシー。
    タマタマ進化したらナッカシー。ナッシー!久しいなフジ。」

    ご自慢のポケモンなぞなぞも健在の学友カツラがそこにいた。
    うしろから来たところをみるとカツラも遅れてきたようだ。

    「数年ぶりじゃないか。グレンからここまで来たのか?」

    「本当は来る予定じゃなかったんだがな。しいていえばお前に会いに来た。」

    「私に?」

    「あんなことがあったからな。
    私はあえてお前に声をかけないようにしてきたんだが、頑張っているじゃないか。
    メタモンの論文よんだよ。あいかわらず美しい研究をする。」

    嬉しかった。
    アイが事故でいってしまったころからたくさんの知人に声をかけられたが、
    カツラのような友はいなかった。自然と涙が流れた。

    「おいおい、泣くほど嬉しかったのか?よしクイズだ。
    時には引いて、時には満ち足りる、行ったり来たりのしょっぱい水なーんだ?」

    「ははっ。波だ(涙)。」

    「ピンポーン!」

    研究者の集まりのパーティだったが、その後はずっとカツラとばかり話をした。
    お互いの研究、生活、ポケモン。そして今なにをやっているのか。
    誰にも言えずにいた妻の家出の話もできた。

    「そうか、彼女出て行ってしまったのか。でもフジ。
    お前もわかっているのだろう?お前のいましている研究はやってはいけないことだ。」

    「そうだな。アイのためとはいえポケモンを犠牲にしているんだ。」

    「そうじゃないぞ。フジ。娘を取り戻そうとしていることがそもそも間違っている。
    厳しくいうがお前の娘は死んだのだよ。帰ってくることはない。」

    「・・・。」

    わたしはカツラになにもいうことができなかった。
    カツラは真っ直ぐで熱い男のままだった。

    知らないふりをしてきたが、アイは確かにあの日死んだ。
    アイツーはアイのようでアイではない。なにもかも偽物だった。

    「すまん。」

    「その言葉は家族とポケモンたちにいえ。わたしはどうこういうつもりはない。」

    「・・・すまん。」

    カツラは私の話をしっかりと聴き、それを理解し間違いを指摘してくれた。
    カツラはアイのためにするべきことはポケモン達のための研究だといった。
    それがアイのためにもなり、アイも必ず喜ぶといった。

    「最初は驚いてしまったが、もう大丈夫そうだな。」

    「ああ。妻にも謝りにいくよ。どこにいるか見当もつかないがね。」

    「そうだフジ。グレンポケモン研究所に来る気はないか?
    一人でする研究もいいが、
    お前はどちらかというと昔から共同で行う研究が得意だったじゃないか。
    嫁さんはボイジャーだったんだろ?グレンでばったり会うかもしれない。」

    「グレンか・・・。」

    わたしはアイと妻とでいったあの船旅のことを思い出していた。

    「・・・カツラ。
    おまえ昔、でんせつのポケモンに会ったことがあるって話していたよな。」

    「ああ、美しい火の鳥ポケモンだった。
    私はあのポケモンに命を救われた。
    炎ポケモンのジムリーダーになったのもそれが理由だったりするよ。」

    「わたしも会ったよ。でんせつのポケモンに。輝く氷の鳥ポケモンだった。
    わたしにもなにかできることがあると思うか?」

    「フジ。いくらだってあるぞ。」

    グレンポケモン研究所にいくことをカツラと約束した。

    ここまでやってきてアイがかわいそうだったが、
    アイツーの研究を打ち切る決心をした。
    これからはアイのためにポケモンの研究をしていこう。

    そうそう。カツラがいっていたのだが、
    グレンポケモン研究所にわたしと共同で研究をしたいという若者がいるらしい。

    その若者と、私は一度だけ会ったことがある。

    彼は、サカキと名乗っていた。


    part1 : ar181399
    part8 : ar342968
    part10 : ar438881


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