ジョイント・ステーションにて
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ジョイント・ステーションにて

2016-01-19 05:36
    船員A「地点1・3・8を越えました。FL操行を継続します。」

    船員A「ねえ、隊長。」

    船員B「なあに?」

    船員A「あの積荷どうするんですか?」

    船員B「仕方ないわよ。ゆっきが受けちゃったんだもん」

    船員A「うーん、でも・・・やな予感がするんですよねえ・・・」

    機械が眩い赤色のライトを点滅し、レーザー光を船内まで浴びせている。

    「危険物感知を行っています・・・。火気の起動は行わないでください・・・。」

    船員A「無人船って不気味だわ」

    「輸送許可の無い物資を検知しました。通信を空けてください。」

    船員B「こちら調査艦クルオス。積荷ナンバーE164を輸送中。至急通されたし。」

    「・・・了解。・・・通行を許可します。そのまま直進してください・・・。」

    船員A「まじっすか?」

    船員B「私たちの任務は結構重要なのよ。
       ・・・でもあまり考えないで大丈夫よ。リゥ。」

    リゥ「そだね・・・ありがとドナ先輩。」

    無機質な声を発した機械は船の後方へと過ぎ去っていく。
    輪のような形状のそれは特別な航路へ向かう船を逐一検査するものだ。

    リゥ「あのさ隊長。ユキが引き受けちゃった女王様って何年前から眠ってるんです?」

    ドナ「確か200年程前ね。彼女は船を乗り継いでずっと生き永らえてるわ。
       当時の技術を結集して特別な遺伝子を持って生み出された彼女は
       国の特例で私達の星を離れる船だけに乗せられている。
       予算の無駄だなんて言う人も一部いるんだけどね。
       私たちのような民間の船が受けていいものか少し疑問ではあるわね。」

    リゥ「ただの民間調査船ですからね。
       でもここから先はあまり手がついてない星ばかりだから、
       通れたのは棚ぼたですね?」

    ピピーピピーピピーピピー
    突如、船内警告が鳴り響いて安堵もつかの間に二人は振り向く。

    リゥ「なに!?」

    ユキ「大変です!非常事態です!」

    ドナ「いったいどうしたの?」

    ユキ「お姉ちゃんが目、覚ましたです!」

    ドナ・リゥ「うそっ!?」

    船の中腹に当たる、エントランスを兼ねた部屋で人が丁度一人納まるほどの筒がある。
    そこには現在の技術から考えるとかなり旧式の宇宙服を身に纏ったまま眠る人がいる。
    その目蓋はぴたりと閉じられていてとても動いたとは考えられない。

    ユキ「さっき目開けてたんですよ!ほんとですよ!

    ドナ「もー、わかったわかった。」

    ユキ「おねえちゃーん・・・。」

    二人が問答しているとカプセル状の筒はガシャリと音を立て、
    側面にあるライトが赤から緑へと変化してきつく閉じられたガラスを開いていった。
    ガラスを開くエネルギーによって筒から煙が放たれ、その傍にいたユキは弾き飛ばされドナにぶつかってしまう。
    急な出来事に二人はびっくりし、その様子を見たリゥも煙の量で何が起きたかわからなかった。

    ドナ「いたたた・・・。二人とも大丈夫?」

    リゥ「ああ、ていうか隊長が一番吹き飛んでたけど大丈夫か?
      あーこれはまずい・・・機械に故障は無いか?船に損傷は無いか?」

    ドナ「ええ。機材が原因じゃないわよ。カプセルが開いたのね。
      ユキは?気絶してるの?起きなさい、ユキ。」

    ユキはドナに衝突した衝撃で目を回していてしばらく起きそうになかった。
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