日本と韓国に存在する共通した病巣
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日本と韓国に存在する共通した病巣

2016-03-05 21:52
  • 23

さて、本日は日韓の価値観の問題では無く、イデオロギーの対立構造がもたらす弊害についてとなります。


日本と韓国には共通した問題点が存在し、それはいわゆる知識人やメディアなどで持論を展開するような人々が、イデオロギー対立による二極構造に執着し、この構造に基く敵味方二元論にありとあらゆる事柄を当てはめようとする事。


その結果、本来は価値観やあり方の違いから来る対立までも思想対立に当てはめ、「(思想上の)味方を批判するものは皆(思想上の)敵だ」としてしまっているがために、問題の解決へと向かうような議論が何も出来ず、無駄に状況を悪化させ続けている。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:韓国にある病巣


まずは最近見かけた非常に興味深い記事を


【コラム】北は進歩陣営にとって目の上のこぶ
朝鮮日報  2016/03/01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649_2.html

http://web.archive.org/web/20160302111626/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649.html
http://web.archive.org/web/20160302111633/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/01/2016030100649_2.html

(前略)
「植民地半封建社会論」や「植民地半資本主義論」は、韓国が日本と米国の植民地状態に置かれているため、正常な発展が歪曲(わいきょく)されるか阻害されているといった見方だ。この仮定によると、韓国は「米国の植民地」である一方、北朝鮮は韓国が模範としなければならない「民主基地」となってしまう。韓国の進歩運動の歴史で最も悲劇的な点は、こうした見方があまりにも長い間主流としての地位を占めてきたということだ。

大学在学中に4・19革命(1960年4月19日、不正選挙に反発した民衆デモにより、李承晩〈イ・スンマン〉大統領=当時=が下野した事件)と5・16(1961年5月16日に朴正熙〈パク・チョンヒ〉陸軍少将=当時=らによって行われたクーデター)を経験した故・申栄福氏は、自分の大学時代を「革命と反革命の時代」と要約した。政治的民主主義と経済発展が遠い未来のことのように思えたこの時代には、少なからず知識人が毛沢東主義や主体思想に感化された。しかし、過去の対立構図がいち早く変化し解体される間も、進歩陣営内部では反米・親北的な見方に対する根本的矯正が事実上行われなかった。韓国が民主政権の交代に成功し、所得2万ドル(現在のレートで約230万円)への成長を遂げる中、北朝鮮は3代世襲の封建王朝として転落。最大で数百万人が餓死の危機へと追いやられた。

 にもかかわらず、一部の知識人のフレームは1980年代か、あるいはそれ以前にとどまっている。社会構造の変化に誰よりも敏感で躍動的に対応しなければならない進歩陣営が、むしろ時代に鈍感で手ぬるい存在になってしまったのだ。今韓国の進歩陣営にとって北朝鮮は「福」ではなくむしろ「こぶ」に近い。そのこぶを切り捨てない限り、韓国における進歩は永遠に後退するか足踏みを続ける羽目になってしまう。北朝鮮の核開発やミサイル打ち上げといった話題は、韓国の進歩陣営がこぶ取りじいさんとなれるかどうかを見定める道具となるだろう。


この記事を読んで最初に感じた事は「ああ、やはり韓国でもこれは問題になっているのだな」という事と、「この問題を全国紙でまともに取り上げられる韓国はうらやましいな」でした。


韓国の場合、以前から書いているように現状既に右派と左派の思想対立という構造が存在せず、右派は国粋主義寄りの民族主義であり、左派は北朝鮮寄りの民族主義であり、双方は北朝鮮と韓国の建国の正当性を巡って争っているのが実情です。


現在韓国で行われている実質的な「親日狩り」にしても、その本質は国是として政府が作り出した抗日神話を親北派が逆手に取り、自分達の政敵を次々と「親日派の子孫」に仕立て上げる事で追い落とし、政治的に北朝鮮に有利な状況を作り出したいがための活動です。


そして記事にもあるように、既に経済的にも政治的にも結果論としてですが「どちらの政策が正解だったか」が判明し、北朝鮮は「あの有様」なわけですが、韓国内の左派という名の親北派の人々は過去のイデオロギー対立に固執して「北の正当性」ありきでしか思考ができなくなっています。


これは要するに、思想対立ありきで敵と味方が「固定化」されてしまっており、あらゆる事柄をこの二極構造に強引に当てはめてそこから先に一歩も進めなくなっているからです。
慰安婦問題なども本質部分はこれであり、今現在韓国で騒いでいるのは親北派とその影響を強く受けた世代が中心です。


2:日本にある病巣


日本の場合はどうでしょうか、勿論日本にも「隠れ親北派」は存在していますし、政治家や知識人、日本のメディア、特にテレビ局はその多くが朝鮮総連を通じて北朝鮮との間接的なつながりを維持していますから、日本でも一見すると北朝鮮の問題が中心に見えます。


勿論こうした隠れ親北派もそれはそれで問題なのですが、今回の問題の本質はそこではなく、もっと本質的な部分で「イデオロギー対立に固執し続けていること」です。
それが日本社会にどのような弊害をもたらしているか、具体例を挙げていきましょう。


例えば最近、韓国で「高麗時代の石塔が日本から返還された」とのニュースが報じられたのですが、そのニュースでは「日本が植民地時代に無断で持ち去った」とされています。


無断で日本に持ち出された高麗初期の石塔、80年ぶりに韓国へ 朝鮮日報 2016/03/01
高麗時代と推定される三重石塔 日本から韓国に戻る 聯合ニュース 2016/03/01


しかし記事を読むとおかしな事に気付きます。
そもそもこの石塔、元々朝鮮のどこにあったのか、いつ頃日本に渡ったのか、その辺りの事情が韓国側で何もわかっていないのです。


日本人の一般的な価値観からすると、「これでなぜ日本が無断で持ち去った事」になるのか全くの意味不明であり、「日本が奪った」とする韓国側の言分に反論をしたくもなります。
仮定の話は仮定の話でしかないのですから、それを事実認定されたら普通はそうなります。


しかし韓国社会における一般的な価値観では、以前も書きましたが自らの正当性は他者の劣等性で証明されるという独特の価値観や、「(自分達が理想とする)かくあるべき論」が何よりも優先される傾向があるため、客観性や根拠が重要視されず仮定の話が一足飛びに事実認定される事があり、日本人の常識からすると奇妙極まりないですがこれが彼らの社会の常識です。


参照
韓国では「仮定の話」が「事実」として成り立つ
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar967911
韓国人が日本人から嫌われる根本的原因
http://ch.nicovideo.jp/ooguchib/blomaga/ar547023


2016年3月5日22時19分追記
初見の方に説明不足で不親切でしたので、参照記事を追記しました。


ここからが本題です。
では、この件で韓国の主張を批判したり問題視したりしたら、それは右派やネトウヨや差別主義者になるのでしょうか?
またこの韓国の行いを肯定したり「見なかった事」にすれば左派やリベラルになるのでしょうか?


或いは、右派やそれに類する思想から来る差別意識がなければ、この問題で韓国に否定的な意見を持つ事は無いのでしょうか?


当たり前の事ですが本来ならばなるわけがありません。
これは要するに日韓の価値観や常識の違いから来る対立の問題であり、常識的に考えれば思想の左右の問題やそこに連なる差別問題などが入り込む余地などありません。


しかし現実には、現在の日本においてこうした問題で韓国を批判したり抗議をしたりすると、ネトウヨや差別主義者扱いされるという事例が多数あります。
「そういう空気」があるのです。


この問題は、同じく本来ならばイデオロギーなど何の関係もない「韓国起源説」の問題でもよく見られるパターンです。


これも要するに、「過去に存在した」イデオロギー対立で構築された二極構造「ありき」で敵味方を作り出していることの弊害です。
例えば左派(革新でもリベラルでも中道でもなんでもいいです)は進歩的で外国人を受け入れ、右派は閉鎖的で外国人を拒絶する等のステレオタイプがその根底です。


結果的に条件反射でこの構図にあらゆる問題を当てはめてしまうので、「日本人の常識から見たらおかしい」という「解りやすいはず」の問題が差別問題に摩り替わります。


一歩引いて考えればまるで違う事が解りそうなものまで思想対立に見えてしまっているのです。


この病巣のために、日本のおける日韓問題の主流が歪みに歪み、実体として存在するはずの「価値観の対立」がまるで見えなくなり、複雑化しようのない問題がどんどん複雑化していっています。


3:「病巣」から抜け出さなければ問題は増え続ける


今回は「解りやすさ」を重視していわゆる便宜上の「左派」を例に出しましたが、実際には右派とか保守と呼ばれる人々の間でもこの風潮は存在しています。


右派系とか保守系とか呼ばれている知識人やメディアなどの主張を見ていても、特に日韓問題では「それはほんとにイデオロギーで考えないといけない事なのか?」という内容が日韓双方で見られます。
当然ですがネット上の書き込み等でも同じ事が言えます。


今回最初に紹介した朝鮮日報の記事のように、いわゆる便宜上の「右派あるいは左派」のなかには、薄々この問題に気付き始めた人も出てきてはいますが主流にはなりえていません、特に日本の場合は、この問題を口に出しただけでどんなレッテル貼りをされるか解ったものではないからです。


結局のところ、今回書いた事は「時代が変わったのだから考え方も時代に適応させましょう」というだけの事なのですが、現実にはそれができておらず安易に思想対立の構図に持ちこもうとする人が大勢いるのです。


そんな事をしているから、いつまで経っても「価値観の対立」という現実の構図に気付く事ができず、見当違いの議論の末に矛盾が生じ、その矛盾を成り立たせるために更なる矛盾を作り出し、無意味で不毛な論争を続けている、私には現状がそのようにしか見えません。


日本人と韓国人は価値観の根底部分がまるで違います、それはイデオロギーの対立という構図を頭から外し、そのうえで韓国を一歩引いて観察してみれば本来は誰にでも解る事です。
これは難しい事でもなんでもありませんし、そのように見れば「右派左派」「差別問題」「反日」などは、問題の本質に何の関係もない、ただの枝葉である事が簡単に解ります。


これをしない限り、日韓の間にある問題は今後も深刻さを増していくことになります、そして価値観の違いですので完全な解決は不可能ですが、少なくとも違いが存在している事を正確に知る事ができれば、双方が適切な距離を取る事で問題を予防したり、新たな問題を作り出すことを抑制する事も可能なのです。



お知らせ。
以前「笑韓ネタを2つやる」と告知していたのですが、もう一つのほうは一発ネタ過ぎて記事にすることが難しかったのでボツにしました。
この先、もしかしたら他のいくつかのネタと併せて記事にする可能性もなくなはいのですが、今のところ予定は未定です。



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他13件のコメントを表示
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>>11
>保守層の問題はよくわからないけれど

代表的な事例では、たしか去年だったか一昨年だったかに、保守系団体が外国人記者クラブで慰安婦問題関連の記者会見を行った際、いきなり記者に喧嘩を売り出した事例が典型例でしょう。

本来はどんなに挑発されたとしても、相手に「説明」をしなければいけない立場にありながら、慰安婦問題と思想の左右は本来関係無いにも関わらず、相手を「左翼」と設定し思想の左右の二極構造における敵認定してしまって攻撃を仕掛けるという事態になりました。

まさに思想の左右ありきが引き起こした迷惑極まりない醜態です。
43ヶ月前
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日本の左翼と韓国に共通しているのは「戦前の日本を全否定したい」ということですね。「強制連行は本当にあったのか」というのは、事実かどうかの問題であって、本来は政治的に右とか左とかとは関係ないはずです。
それなのに、いわゆる「左派」「リベラル」の人たちは、韓国批判を「ヘイトスピーチ」として禁止しようとしているわけです。これまで「言論の自由」を主張してきた人たちが言論統制を主張しているのですから大きな矛盾です。

>>12
「大アジア主義」は戦前からありましたが、これを「侵略のためのイデオロギー」としてしまうと、左派やリベラル派が唱える「東アジア共同体」も侵略なのでは?となってしまうんですよね。

結局、前提が間違っているから、そこから生まれる議論は全ておかしなことになってしまうのだと思います。朝鮮日報のコラムが述べていることって「日本統治時代を全否定すると、親日派と日帝残滓を全て排除した北朝鮮こそがあるべき姿だとなってしまう」ということですよね?
43ヶ月前
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ぶっちゃけ事実に右翼も左翼もなく、右翼に都合の悪いことも左翼に都合の悪いことも起こるのが現実だし、常に中道に都合のいい事ばかり起こるわけでもない。

事実をイデオロギーに沿って曲解するから偏向報道になってるわけですし、イデオロギーさえ良ければそれでうまくいくのなら生類憐みの令だって善政にならなきゃおかしいわけです。

夢想家ではなくリアリストを目指しませう。
43ヶ月前
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 民主政権の失態が大きく下野した今も本質を外れた質疑を繰り返す民主党ですが、「反民主だから」必ず正しいという訳でも無いんですよね。客観的問題を指摘しただけで激昂する所謂安倍信者と呼ばれる人もイデオロギーが先に立ってしまった人達ではないかと思いました。
 そもそも日本の(文化的傾向だと思っていますが)同調圧力の強い所などは尚更そういう考え方を助長するのかもしれませんね。
43ヶ月前
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>>17
そのあたりもイデオロギーというより党派性ではないでしょうか?
一つ例示すると、実は民主党政権時代の防衛政策は自民党のそれと何ら変わなかったんですが、狂信的な反自民も狂信的な反民主もどちらもそれを無かった事にしているんですよね。
43ヶ月前
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マスコミの事を”マスゴミ”と書かないのは何か意図があるのですか?
単に揚げ足をとられない為?
43ヶ月前
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>>19
それをやってしまうとレッテル貼りの応酬になってしまう可能性がある事と、事前知識の無い第三者から見た場合、最初から「色眼鏡」で見られてしまう可能性もあるので、その手の単語は意識して使わないようにしています。
43ヶ月前
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韓国の病巣と日本の病巣は「病」こそ共通してるかもしれませんが隠れて見えない根っこの部分は違うものがありそうです。

個人的には韓国の場合は「かくあるべき論」? ですが、日本の場合は「事なかれ主義(優しい虐待)」「感情的な善意(思考停止の善意)」などなど、いろいろなものが入り混じっていそうです。
ただ、こういうことを話すと初心者向けではなくってしまうかもしれませんね・・・・^^;

あと、韓国との価値観の違いをストレートに説明すると<悪口>を言ってるようにしか聞こえず、「100%未満の人達の事」にしか聞こえないのもあるかもしれません、前からの事ですが・・・・・・・・
43ヶ月前
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>「それはほんとにイデオロギーで考えないといけない事なのか?」

エウレカ!ぽくってカッコいいですね。
43ヶ月前
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コラム拝読させていただきました。以下に感想と私見を。
本コラムを私流に要約すると
1.「韓国において、日本で騒いでいる「サヨク」への非難、「ネトウヨ」への非難の構図のような、「親北」と「反北」の対立構図」が顕在化している。
2.1.の対立構図は「単純化された二極対立」のように、「単純化」されていて、複層的側面を欠いているように見える。
3.「実像の韓国」を語るうえで、そうした「左右の二極対立」的視点を搦めて「非難の応酬」や、レッテルを張る行為はかえって「実像」を素直にみる視点を失わせる。こうした「バイアス」は、「表現者」各人が「自制」して、「バイアス」を取り払わないと「実像」を見誤ってしまう。

とまぁ、こんな感じかと思います。
確かに正しいのですが、わたしから見えた別の目線で言えば、

【コラム】北は進歩陣営にとって目の上のこぶ

は、裏に「米国」の影響を強く感じます。最近の韓国は、「親北派のおかしな点」を叩いて「国民を自分の側に着けよう」とする、日本との共通点を述べれば、「民主・共産などのサヨク」を叩いて「自民党支持が増えざるを得ない」状況を作っている「論法」をそっくりまねているように見えるのです。
朴槿恵が安倍さんから直接「秘訣」を聞いたのかもしれませんし、アメリカが真似をしろと働きかけているのかもしれない、と、特段根拠もなく勝手に私は考えているのですが、いずれの正誤もさておき、変化は少なくとも「日韓首脳会談」以降に顕著になっていることだけは事実と思います。

大口さんの「日本における病巣」を、仮に西部邁先生風に言えば、
「単純化したモデル(model)」に依拠する「モダニズム(modernism)」による現象・弊害
とでもいうのでしょうか? しかしこの「パターン化」による二項対立の状況は、「ウヨ・サヨ」や、「親北・反北」だけでなく世界中にあふれています。「アサド・反アサド」「グローバリズム・反グローバリズム」「移民・反移民」「トランプ・反トランプ」等々、もともと単なるアンチテーゼで、哲学でもその結果として「止揚した結論」がその結論の上位に立つはずなのに、それのないまま広がっています。「単純」で、かつ「わかりやすい」ので広まっている「呪文」に過ぎないのです。
言い換えれば、「モダンな人」は「複雑・多様性」に耐えられないのです。ストレスがたまりますから。

ですから、われわれはある面で「モダン」に頼ることを捨てねばならないのでしょう。すべてとは言いません。その思想によって得た恩恵は多数あるのです。わたしだって、「ユング・フロイディアン」等の類型のおかげでいろいろわかることができるのですから。とはいえ、少なくとも現状分析に際してぐらいは、「単純化した思想」がノイズで入ることは、なるべく避けていきたいし、避けてほしいものです。

以上、長文失礼いたしました。
43ヶ月前
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