映画「デビルマン」の感想
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映画「デビルマン」の感想

2020-09-22 23:26


     原作漫画が好きな人には申し訳ないのですが、特に退屈はせずに最後まで見られました。序盤はパーソナル程度の問題であったのが、時間と比例的に大きくなっていき、最後は世界滅亡という流れは、大枠で言えば悪くなかったです。鑑賞後に調べてみると、どうも原作漫画全巻を無理矢理1つの映画に収めた作品らしく、そのあたりは原作に助けられた気がします。まあ、駆け足になるのは、映画公開前から話題作だった(らしい)ハリポタの映画ですら結構な駆け足だったりしますんで、特に違和感はなかったです。

     また、この映画の公開時には考えつかなかったことですが、新型感染症の流行によるパニックを経験する2020年の人間視点では、世界に比べて対応が遅れる日本政府やら、悪魔になった子の家が悪質な嫌がらせに遭ったりだとか、なかなかのリアル描写が存在していることに驚かされます。自警団気取りの一般人達が悪魔狩りで、悪魔でもない人までをも手にかけていくのは、関東大震災朝鮮人虐殺事件を想起させて恐怖を感じさせます。

     序盤は公権力がそれなりに丁寧に対処していたのに、どんどん民衆の暴徒化が止まらなくなり、終盤には放置された人の亡骸がゴロゴロと転がっているのは、確かにパニックホラーという見方もできなくはありませんでした。

     …と、まずは持ち上げてみましたが、ほぼ全編にわたって「は?」「は?」「は?」がエンドレスに続くので、やはりこの映画はダメだったとしか言いようがありません。あくまで大枠としては良かっただけで、ひとつひとつの描写が論理力皆無の脚本と、主要出演陣のどうしようもない演技で、「一体どうしてこんなものを…」となるのは必至です。

     確かにCGは良かったです。アニメーションと合わせた演出は目を見張りました。でも、活かせてないんですよねえ…。しかも短いし。

     ぶっちゃけ日本の映画なんて、この映画よりは少しマシな程度のものが非常にゴロゴロしてたりしますが、その平均と比べて更に1段落ちる程度の脚本です。(それでもまだ「1段」というのが悲しい。)「え?それでいいの?」が連発します。とりあえず、バイク運転初心者がいきなり2人乗りするのは誰か止めなかったんでしょうか。

     主要出演陣も、聞きしに勝るひどさというか、まず発声が弱いです。これじゃあ日本語わからない外国人が聞いてもアカンとわかってしまいます。

     「まあ低予算だったんでしょ」と同情する納得の仕方もあったりしますが、この映画に関してはムダな有名人起用の異様な多さが気になります。どうでもいい通行人役に小林幸子を使うぐらいなら、その分のお金で主要出演陣を合宿に連れて行って演技指導でもしてたほうがマシじゃありませんか。私はよく知らないんですけど、何故か英語で日本向けに話しているっぽいニュースキャスターがボブ・サップという当時有名だった格闘家らしくて、「え?この世界では、日本はGHQに日本語廃止にされて、でもほとんどの人は公用語の英語おぼえられなくて日本語使いつづけてる設定なの?」などと超解釈をしていました。後で調べたら、このボブ・サップは世界向けのニュース番組のキャスターで、世界の動向を説明する役割だったらしいです。全然わからなかった…。

     そういったわけで、この映画には全編にわたってレベルの低さに唖然とするばかりでした。まあ時間に比例的な変化が起き続けていたので退屈こそしませんでしたが、そのひとつひとつの描写の不可思議さに気を取られて、まともに楽しむのはほぼ不可能でしょう。
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