そんな日々に寂しさを感じるのか、それともどことなく焦りを感じるのかは人それぞれですが、間違いなくパチンコ・パチスロ業界は焦りを抱いています。
もちろん、規則改正までのXデーが迫っているからですね。
まだ確定的な情報ではないものの、1月末の持ち込みまでが有効と言われていて、そこに向けてスケジュールを大幅に短縮し、特殊モードや演出の削除などゲーム性が乏しくなることを差し引いてまで、なんとか完成にこぎつけようとしているメーカーが多いです。
Xデーが迫っていることもあって、保通協への申請抽選申し込みも通常の10倍と増えてきています。もう予約を取るだけでも、運が悪ければ何週間も待たされ、その間に規制が施行されてアウト! なんてことも考えられる状況です。
そのため、とりあえず早く仕上げなければいけないと、従来なら数ヶ月かけるデバッグ作業を1ヶ月程度に縮め、なんとか販売までこぎつけようと徹夜での作業に追われる会社も少なくないみたいですね。
つまりはそれほど規制の内容が厳しく、そんなスペックじゃ誰も打たないだろ! とツッコミたくなるような時代が来るってことです。1月申請までに間に合わないような台は、開発自体がストップしている、なんて状況も見られるくらいに。
しかし、今週次郎が言いたいのはそこではありませぬ。
台のクオリティ、ですな。
先ほども書きましたように、演出を削ってまで販売させようとすれば、それだけクオリティは落ちます。本来の3分の2……いや、ヘタすりゃ半分の演出しか出せない台なんてのは出てくることでしょう。
また、検定に落ちてしまうと再度予約からやり直しになり、そうなった時点でタイムオーバー……なんてのが、想定しうる最悪の事態。
ですから、ぱちんこならスペック・ゲージ・変動時間、スロットも同じようにスペック・純増・射幸性をギリギリまで抑えた台で、100%適合するという状況で試験を受けるのがもっとも無難。
ようするに、演出もスペックも中途半端な、「無味」な台が多く登場してくる可能性が高いって思うんですな。
今もまだ高い稼働を続ける「北斗無双」なんかは、一つ前の規制の谷間に登場し、同じように期限に迫られた結果、演出が削減されていたり、バグがあったりするのはなんとなく見てとれますよね。
変なところでロゴ役物が落ちたり、ST抜け時の赤保留が無視されたりなんてのも報告が上がっていました。
しかし、それを補って余りあるスペックと、他競合がいないことで、北斗無双の時代を創り上げたと言っていいのではないでしょうかね。演出に限って言えば、なぜ稼働しているのかわからない、と言う業界人はかなり多かったりします。
しかし逆に言えば、こういった規制のタイミングは、第2第3の北斗無双が出てくるタイミングということもあって、どのメーカーにもチャンスが残されているんですよね。
厳しいスケジュールの中、100%に近い形で新台をリリースするのはどのメーカーのどの台になるのか……見逃せない戦いが始まりそうです。
ちなみに直近で次郎が期待しているのは、西陣のモモキュンソードシリーズの最新作。
演出はほぼ前作をベースにしながら、ガンツを超えるほどの小当たりラッシュを搭載しているとのウワサ。
なるほど、演出は過去あるものを利用するっていう手もありますよね。こういった発想力も土壇場で求められるタイミングなのかもしれませんな。
というわけで今週はこの辺で。
それではまた来週お会いしましょう。