ここのところ、業界をちょっと騒がせているお話があります。
 それは、いくつかの開発協力会社が倒産したり、大幅にリストラが行われたりという、はっきり言って業界的にはよろしくないお話です。

 皆さんも気付いているとは思いますが、中小ホールが危機的状況にあるのは今に始まったことではなく、マルハンなどの大手も厳しい状況下にあります。
 大宮のマルハンが撤退を発表したことは衝撃的でしたね。

 これは余談になりますが、埼玉県大宮では楽園グループがマルハンを囲うように大型店舗を展開し、地域2000台クラスという規模で、力押しで客を集めました。
 結果、もともと1000台クラスの超大型店舗だったマルハンは楽園に客を奪われ、撤退するという形になってしまったみたいです。

 このようなやり方って、もともとはマルハンが得意とする営業方法だったんですが、お株を奪われたと言いますか、対抗できる力がマルハンに残ってなかったのかはわかりませんが、時代が変わってきていることを感じさせられますよね。


 ともかく、中小ホールはそれ以上に危機的状況にあり、新台の購入を渋らざるを得ないわけです。
 そうなってくると、当然痛手となるのがメーカーです。殿様営業というイメージが強かったメーカー側ですが、今ではそんなこともなく、営業に大苦戦しているのが見てとれますよね。

 そこで冒頭のお話に繋がってくるわけです。
 メーカーの売り上げが厳しいとなると、それよりも厳しいのはその下請け会社。パチンコ・パチスロの台を作っているのは10割がメーカーというわけではありません。メーカーはあくまで発注する立場。8割以上は下請け会社が作っていると言えるでしょう。

 企画や映像、部品、サウンド……などなど、台を作る上で欠かせない部分を担う協力会社が危機に立たされているのには、ひとつ大きな理由があります。

 とある大手メーカーが協力会社を使わずに、自社での開発を行う宣言をした影響です。

 ここ最近の新台を見ていて、ある種“手抜き感”を感じるメーカーがひとつないでしょうか。
 変わり映えのしない演出、役モノ、そして使いまわしの映像だったり、シリーズ物はちょこっと中身を変えただけで新台として出したり。
 当然、お客さんも離れ始めてしまっているメーカーが……

 と、まあここではそんなヒントだけにしておきましょうか。わかる人にはきっとわかるはずですし、これから出てくるそのメーカーの台も、協力会社なしになるので、クオリティが落ちて当然かと。

 厳しいと感じているのは我々打ち手だけでなく、ホールやメーカー、そしてその下の協力会社まで、すべてなんですよね。
 逆に、この状況下だからこそ、逆転の手を打ってくるメーカー……いや、その下の協力会社が出てくる可能性もあります。
 周囲が暗く厳しい状況下でこそ、一筋の光というものは大きく輝くものですからね。

 きっと来年には、ホールもメーカーも、明暗がくっきりと分かれていることでしょう。まさに生き残りを賭けたサバイバルですな!


 というわけで今週はこの辺で。
 それではまた来週お会いしましょう。