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2025年9月の記事 15件

レスベラトロール再検証:若返りサプリの真実と賢い選び方

    ということで、久々にレスベラトロールのお話です。   レスベラトロールと言えば、2000年代には“サーチュイン遺伝子”だの“長寿の分子スイッチ”だのと持ち上げられ、まるで「飲むだけで若返る魔法のサプリ」かのように扱われた成分。赤ワインに含まれる成分なので、「赤ワインを飲めば長生きできる!」みたいな見出しで一世を風靡したもんです。   その後、「パレオな男」ではあんま扱ってこなかったんですが、近年もまだ検証は進んでますんで最新の知見をチェックしておきましょう。       レスベラトロール、そもそも何者?効果はどれぐらいあるの? まずはおさらいから。レスベラトロールは植物が作るポリフェノールの一種で、赤ブドウの皮や種、ピーナッツ、日本のイタドリなどに含まれております。いくつかの研究で、「細胞の修復や代謝に関わる“長寿遺伝子”をオンにする」と報告されたことで、 「寿命が延びるかも!」という大きな期待につながったんですな。   と同時に、レスベラトロールには、活性酸素を減らしたり、炎症を抑えたりする可能性も指摘されてまして、これが心血管・糖尿病・認知症予防に応用できると考えられております。   ただし、こいつを食事から摂取するのは難しくて、たとえば赤ワイン1本に含まれるのは たった1〜2mg程度。なので、健康効果を狙うならサプリで摂らないと現実的には足りない感じっすね。   では、ここ最近の研究で、レスベラトロールの立ち位置がどんな感じだったかを、分野別にチェックしてみましょうー。    

たった45分で「親友っぽく」なれる心理学の裏ワザ:Fast Friendsパラダイム入門

    「パレオな男」をお読みの方なら、「誰とでも最速で親密な関係になれる36の質問」をご存じでしょう。ニューヨーク州立大のアーサー・アーロン博士が開発した質問集で、こいつを使った実験では、初めて知り合った男女が、たった45分で“親友っぽく”なれたというから驚きであります。人間関係を深めるのには時間がかかりまして、会社の同僚とようやく打ち解けるのに半年……なんてことも珍しくないですからね。   ということで、個人的にも推奨している手法なんですが、ここでよくいただくのが「質問の使い方がよくわからん!」ってお悩みです。ただ「36の質問を使え!」とだけ言われても、どのタイミングでどの質問を使えばいいの?ってのがよくわからず、そのせいで逆に会話がグダグダになっちゃって、自己開示(自分のことを話すこと)と関係構築(お互いの信頼を築くこと)がうまく進まなくなるようなケースは意外と多いんですよ。そのせいで、36の質問を使いあぐねている人も多いでしょう。   では、どうすれば良いのかってことですが、実は後世の研究チームが「Fast Friendsパラダイム」って手法を開発してくれております。これは、「36の質問」を日常でうまく使うために構造化したもので、「はじめまして」の2人でも、段階的な質問を通じて親密さを爆速で高めるために設計しなおしたものです。   もともとは研究室での実験用に設計された手法なんだけど、その後の検証でいろんな場面で使えることが分かってきまして。   9~13歳児を対象に、オンラインでFast Friends手法を使ったところ親密感が増した(R) 質問を交互に答える形式でFast Friendsを使ったところ、自己開示が進みまくって親密性が向上した(R) アルゼンチンの企業(Matriarca)の職員たちとオンラインでFast Friends演習を行ったところ、信頼・連帯感が改善した(R) Fast Friendsを使うと、初対面の人同士の親密さや“好意感”などが増すことが示された(R)   みたいな事例がいろいろと報告されております。36の質問というと「恋愛」の場面で話が出てくることが多いんだけど、ビジネスや友人作りにもめっちゃ効果があるってことですな。これは日常のコミュニケーション改善用に、ぜひ使うべきでありましょう。      

「不快の科学」現代を生き抜く最強スキル“不快力”を鍛えよう#3「カロリーディプリベーションが脳を進化させる」

    「不快の科学」シリーズの続きでーす!(#1,#2)   このシリーズでは、マイケル・イースター先生の『The Comfort Crisis』をベースに、「快適すぎる現代人が忘れてしまった“不快の価値”」を掘り下げております。   現代の生活は、冷暖房完備・スマホで暇なし──って感じで、とにかく“快適づくし”。一見すると理想的な環境のようですが、実はこれが心と体の不調の温床になっているってのが、大きなポイントっすね。   そのためには、あえて日常に“不快さ”を取り込む必要があるんですけど、我々が失った“不快”の種類は多岐にわたるため、細かい要素へ個別に対応していく必要があったりします。ということで今回は、私たちが失った“不快”の中から、「退屈」に続いて影響が大きいと思われる「空腹」のメリットに焦点を当ててみましょう。       空腹は最高のソースである──定期的な飢餓がもたらす健康効果 「お腹が空いて集中できない!」「ちょっとでも小腹がすいたら、すぐ何かつまんじゃう……」みたいな状況には、誰もが思い当たる節があるんじゃないでしょうか?   現代の生活は、とにかく「空腹」を回避するように設計されております。コンビニは24時間営業だし、Uber Eatsは15分でやってくるし、冷蔵庫にはスナック菓子と炭酸水が常備されてたりして、その気になれば、私たちは死ぬまで「空腹」を感じずに済むレベルなんですよね。   しかし、考えてみると、人類はその進化の99.9%以上の期間を「空腹」とともに生きてきたはず。毎日「今日は何か食べられるだろうか?」って不安と向き合いながら、獲物を追い、木の実を探し、飢餓と隣り合わせの生活をしていたわけです。   この「飢餓との共生」が、人類の心身を進化させた最大の環境要因のひとつである、というのが最近の進化医学や神経科学のトレンドのひとつ。そしてこの知見をベースに、イースター先生は「現代人こそ意図的に“空腹”を生活に取り戻すべきだ」という提案をしているわけですね。   ということで、今回は「飢餓がもたらすメリット」を深掘りしてみましょうー。   まず紹介したいのが、アフリカ・タンザニアの奥地で暮らす狩猟採集民「ハッザ族」の話です。彼らは「パレオな男」にたびたび登場する部族で、いわゆる「現代文明」から隔絶された生活を送っており、いまだに食べ物を狩りや採集で得るライフスタイルを続けております。   当然、ハッザ族に「満腹」になるような機会はほとんどなし。日が昇ると、男性たちは弓矢を手に森へ入り、女性たちは地面を掘ってイモや根を探す(女性が狩りに出るケースも意外とありますが)。獲物が見つからない日もあるし、食料のクオリティは日によってまちまち。ようやく見つけた蜂の巣に突撃して、全身を刺されながらハチミツを採る、なんて光景も日常だったりします。大変ですねぇ。   そして何より驚くのが、彼らの健康状態が抜群に良いってところです。高血圧、肥満、2型糖尿病、アルツハイマー、心臓病、これら現代人を悩ませる「生活習慣病」の多くは、ハッザ族にはほぼ確認されなかったというんですね。   研究者のあいだでは、これを「環境不一致仮説」と呼んでおります。つまり、私たちの体は「ハッザ的な環境」で進化したのに、現代はそれとは真逆の「過剰な快適さ」に溢れている。それゆえに、体が不調になるのは当然、という話です。でもって、この「快適すぎる環境」の象徴こそが、「空腹の消失」であります。パレオダイエットではおなじみの観点ですね。  

【2025年版】症状別:最強のプロバイオティクス製品を決めよう選手権(後編)

  というわけで、前回の続きです。前回はプロバイオティクスの効能の最新版をチェックしましたんで、今回はいよいよ実際に使っておきたいプロバイオティクスを紹介しつつ、使用上の注意なども見ておきましょうー。       市販プロバイオティクスの問題点はどれだ? さて、お勧めのプロバイオティクスをピックアップする前に、多くのプロバイオティクス製品が抱える問題点をチェックしときましょう。いまのプロバイオティクス・サプリメントには、以下のような品質問題が考えられております。   製品に含まれる生物の生存能力: どれだけの菌が生きているか(活性培養の場合)、あるいは凍結乾燥された状態からどれだけ「生き返る」ことができるかはめっちゃ大事。製品によっては、このあたりが適当だったりしますんで。   汚染微生物の欠如: ラベルに記載されている菌が、適切な量だけちゃんと含まれているか。また、なかにはヤバい微生物や汚染物質が含まれていることもあるので、こちらも注意したいところ(この問題は、腸溶性コーティングを施した製品に起きやすい。コーティングにより、汚染病原体が胃の中で自然に破壊されるのを防いじゃう可能性があるんで)。   錠剤が適切に砕けること:錠剤タイプのプロバイオティクスは、適切に砕けて成分を放出できるかが大事。   胃から菌を守る: せっかくの菌が胃酸でやられちゃうのはもったいないので、胃を通過しても生き延びられるという研究データがある菌を含む製品を選ぶのが理想。あるいは、菌が胃酸に耐えられない場合は、腸溶性コーティングが施されているか、その他の保護処方(マイクロカプセル化など)が用いられている製品を選ぶと良いでしょう。   ということで、ここらへんの問題をクリアした商品には、どのようなものがあるのか? いつもどおり、モンタナ州立大学のマーク・アンダーソン先生の個人的な調査をもとに、上記の点を満たす製品を選んでみましょう。      

【2025年版】症状別:最強のプロバイオティクス製品を決めよう選手権(前編)

    ということで、今回は久々に「プロバイオティクス(腸内細菌サプリ)」のベストを見ていきます。が、その前に、近年もまたプロバイオティクスの効果に関する知見もたまってきましんで、まずはそのあたりを押さえつつ、各症状の改善に役立つプロバイオティクス製品を具体的に見ていくことにします。では始めましょうー。       おさらい「そもそもプロバイオティクスとは何か?」 簡単におさらいしときましょう。プロバイオティクスとは、健康のメリットがある生菌や酵母のことです。ご存じのとおり、正常なヒトの腸内には、腸内フローラと呼ばれる数百種類の細菌が存在してまして、これらの細菌の正常なバランスが乱れると、いろんな問題が起きるんですよね(最も一般的なのは下痢)。   その点で、プロバイオティクスってのは、病気の原因となる細菌を追い出すことで、腸内フローラのバランスを回復させてくれると考えられたんですが、近年はこの考え方は下火になってたりします。最近の研究だと、プロバイオティクスは、病気の原因となる細菌を抑制する物質を作ったり、細菌と栄養素を奪い合ったり、体内の免疫系を刺激したり、腸内に存在する神経系と相互作用したりと、めっちゃいろんな方法で私たちの体に作用する可能性が高いことが明らかになりつつあるんですよ。   では、果たしてその効果がどうなのかと言いますと、現時点では以下のようなことが言えるでしょう。   健康な人であれば、通常はプロバイオティクスを摂取する必要はないと思われる(R)。 ただし、抗生物質による下痢、風邪の症状、虫歯などの予防に役立つ可能性はある。 また、ある種の菌は、便秘、鼓腸、過敏性腸症候群などの症状による下痢を軽減する可能性もある。 その他、まだ証拠は少ないものの、血圧をわずかに下げる、コレステロール(LDLとアポB)値を下げる、血糖値のコントロールを改善する、アトピー性皮膚炎(湿疹)の症状を軽減する、歯周病を軽減する………みたいな効果もあるかもしれない(ここらへんはまだ謎が多いですが)。   いろいろと可能性はあるんだけど、とりあえず健康体の人が飲む意義はあんまないかもよーって感じですね(私は飲んでますが)。まあこのあたりはまだよくわかってなくて、乳酸菌GGを使った研究(R)では、高齢の健康な人に1日2回、100億個のカプセルを28日間投与したところ、   腸内フローラの組成に大きな変化は見られなかった。 ただし、腸内膜との相互作用や抗炎症経路を促進するような方法で細菌が活性化する現象が見られた。   みたいに報告されてたりします。なので、健康体の人でも、プロバイオティクスを飲み続けているあいだは、なんらかのメリットを得られるのかもなーって気もするわけです。ここらへんについては、遺伝子や免疫系の違いなどによって効果が変わる可能性もありますんで、本当に判断が難しいんですけどね。まあ目立った副作用があるわけでも無いので、健康体の人でも試してみる価値はあるかもしれません。    

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鈴木祐

1976年生まれ。新宿区在住のライター/編集者。パレオダイエットにくわしい人。普段はチャイナ服ではありません。ライター歴は18年ぐらい。科学の知見を自分のカラダで試していくのが趣味で仕事。

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