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「筋トレは基盤が9割」の続きです!(#1)

 

このシリーズでは、近年の研究で言われる「筋トレのBig Rocks=大きな岩」って考え方をもとに、「筋力を爆上げするために最も大事な要素」をピックアップし、重要なものから順番に解説しております。

 

で、前回は、筋トレにおいて最も重要な「努力」について触れましたんで、今回は2番目に大事な「負荷・ボリューム・頻度・種目選択」の問題を掘り下げていきましょうー。

 

 

 

筋肉を“デカく”したい人と、“強く”なりたい人の決定的な違い

さて、筋トレに関する質問でよく聞かれるもののひとつといえば、「もっとセット数を増やしたほうがいいのかな?」「週4回じゃ少ない?」といった問題であります。これは筋トレを真面目にやってる人ほどぶつかりやすい悩みで、努力家ほど「量を増やすことこそ正義!」みたいな罠にハマりやすいんですよね。

 

確かに、この考え方は筋肉量アップについては間違いないんだけど、こと筋力アップって意味では別の話。結論を言っておくと、

 

  • 筋肥大には「量(ボリューム)」が大事である

  • ただし、筋力(1RM)を伸ばしたいなら、量よりも“負荷の質”が決め手である

 

みたいな感じになるわけです。筋肉量を増やしたいならボリュームを増やすのは最善なのは間違いなく、有名なメタ分析(R)でも、週20セット前後が効率的とする報告をしてますからね。なかなか大変なラインですけども、筋肉を増やしたい人はここまでやっておくと良いでしょう。

 

ところが、筋力アップだけを狙うときは、実は5セット程度でも十分というデータ(R)が出てまして、これが面白いところですね。つまり筋力アップに関しては、セットを増やせばいいってもんじゃないわけです。

 

その理由はシンプルで、筋肥大ってのは“量的な刺激”によって筋繊維を太らせる作業なんですよ。その一方で、筋力アップは“神経的な適応”のほうが大事でして、要するに「いかに効率よく筋肉を動員し、力を出せるか?」というスキルを鍛えるトレーニングに近い面があるんですね。だから、量を積み上げるよりも「高負荷を正確に扱う練習」のほうが重要になったりするんですね。

 

フロリダ・アトランティック大学の有名な筋トレ学者であるマイケル・ズルドス博士いわく、

 

1RM(1回で上げられる最大の重量)を伸ばしたいなら、90%以上の重量でのトレーニングを定期的に入れろ。

 

とのこと。これは単なる精神論ではなく、脳と神経の仕組みの話でして、重い負荷を扱うことで「1回の運動で使える筋肉の量」や「神経の反応」が改善され、結果として筋肉が「全力を出す方法」を学んでいくってことですな。