筋トレに関して最もよく言われるお悩みと言えば、
「最近、仕事が立て込んでて全然ジムに行けてないんですよ……」
「忙しいと、やっても意味なさそうだし……」
みたいなやつです。「時間がないから筋トレできない!」と落ち込んでいる人は、世の中にめちゃくちゃ多いみたいなんですな。確かに、忙しい日々の中で1時間も2時間もジムにこもるなんてのは普通に無理ゲーでありましょう。
が、ここでちょっと問い直してみたいのが、「そもそも筋トレにまとまった時間って必要なのか?」って問題であります。
というのも、ここまで行われたトレーニング研究を見てみると、「筋トレは短時間でも効果があるの?」って疑問については実はすでに結論が出てまして、最近の研究レビュー(R,R)を見てみると、
- 筋肥大の決定因子は「週あたりの総セット数」である!
って事実が何度も確認されてるんですよ。つまり、本当に重要なのは「1回のトレーニング時間」ではなく、「1週間のあいだにどれだけ筋肉を刺激を入れることができたか」なんだってことですね。
が、『週あたりの総セット数が最も大事だ!』と言われても、すぐに納得できない人も多いかもしれません。筋トレの世界には、昔から根強く残っている“精神論”がありまして、
「とにかく追い込めば筋肉はつく」
「パンプしてればOK」
「限界超えないと意味がない」
みたいな考え方をするトレーナーさんも、今も一部にはいたりしますからね。ただし、これはだいぶ怪しい考え方でして、上記の研究を見てわかるのは、
- 極端な話「1回15分だけの筋トレ」だろうが、週3回に分けて合計30セットやれば、十分な筋肥大効果を得られる。
- トレーニングボリュームが従来の1/3になっても筋肉は維持できる。
みたいな話でして、運動の時間が取れない人には、なんともうれしい結果になってるんじゃないでしょうか。もちろん、これは「サボってもOK」という話ではなくて、「短時間でも筋トレの設計次第でなんの問題もなくなるよ!」ってことですね。
つまり、簡単に言えば、「時間がないから筋トレできない」って人は、単に「時間がない時のやり方を知らない」だけなのだと申せましょう。ここを勘違いして、「どうせ中途半端になるから今日はトレーニングを止めておこう」とか「まとまった時間じゃないと意味ないし」みたいに思い込んじゃうのは、めっちゃもったいないわけですな。
にも関わらず、多くの人は「今日は30分しか時間がないし、ちゃんとできないからやめておこう」みたいに考えてしまうのは、心理学で言うところの「全か無か思考(All-or-Nothing Thinking)」が原因だと考えられてます。これは完璧主義の一形態で、私たちに「時間も、集中力も、やる気も100%そろってないと、ちゃんとやったことにならない――」などと考えさせる働きを持っております。
そのせいで、トレーニング科学の研究では「ちょっとの筋トレでも効果はある!」って結果が出てるのに、ついつい「今日は完璧にできないから、やらない!」みたいな気持ちが発生。この状態が続くと、「昨日もサボったし、もう今週はいいや」→「やらない日が続いてしまった……もう意味ないかも」って感じで、いよいよ筋トレが続かなくなったするんですよね。
もちろん、これは「週のセット数だけ稼げばいい!」という話ではなくて、実際には、
- 各セットをしっかり限界近くまでやってるか?
- 正しいフォームでできているか?
- 筋肉への張力・負荷が抜けない工夫をしているか?
みたいなポイントも大事ではあるんですけども、いかに重いバーベルを振り回したところで、刺激が少なければ意味が薄いのもまた事実。逆に言えば、
- 軽めの重量でも
- 回数が多くても
- フォームが地味でも
「限界近くまでのセットを、週トータルで一定数やる」ってところを守っていれば、筋肉はちゃんと育つわけです。

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