
「感情知性を、あらためて学び直そう!」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)
このシリーズでは、AIの時代こそ感情知性が大事だよねーって話をしております。
というのも、文章の要約、企画のたたき台、情報収集などは、AIがかなりの速度でやってくれるようになった昨今。以前なら「知識が多い」「処理が早い」だけでどうにかなった場面が、いまや通用しなくなりはじめたわけです。となると、人間側に残る大きな仕事は、「自分は何を大事にしたいのか」「この状況で誰にどう関わるのか」「いま湧いている感情をどう扱うのか」といった部分になってくるじゃないですか。
ここで必要になるのが、ズバリ「感情知性」であります。ご存じのとおり、感情知性ってのは、自分と他人の感情を理解し、感情に振り回されず、必要に応じて行動や人間関係に活かす力のことでして、人間としての判断や関係づくりには欠かせないんですな。ここはAIには代替されにくいでしょうし。
で、前回からは「感情に気づく力」に欠かせない4要素の説明が終わりましたんで、今回は、感情知性を鍛えるためにに書かせない「感情に対する偏見をチェックする方法」を見てみましょう。
自分は感情について、どんな思い込みを持っているのか?
さて、「感情をうまく扱えるようになりたい!」と思ったとき、多くの人は、まず感情そのものをどうにかしようと試みるじゃないですか。いくつか例を挙げると、
- 不安を減らすにはどうすればいいのか?
- 怒りを抑えるにはどうすればいいのか?
- 悲しみから早く抜け出すにはどうすればいいのか?
みたいな感じですね。このような問題への対策が大事なのは間違いないんですが、その前に見落とされがちなポイントがあるんですよ。それが、
- 自分は感情について、どんな思い込みを持っているのか?
という問題であります。
たとえば、同じように涙が出たとしても、「自分はいま、それだけ自分にとって大事なものを刺激されているんだな」と思う人と、「泣くなんて弱い!こんな自分はダメだ!」と思う人では、その後の苦しさがかなり変わるのは、簡単に想像できるんじゃないでしょうか。
両者のなにが違うのかと言いますと、
- 前者は、涙をひとつの反応として受け止められる。
- 後者は、悲しみそのものに加えて、「泣いてしまった自分への恥」まで背負うことになる。
といったようになります。つまり、問題をこじらせるのは感情そのものではなく、感情に対する偏見なのかもしれないってことですな。
これもまた感情知性の改善において、多くの人がハマりがちなポイントなので、ぜひチェックしておきましょう。
感情についての信念は、感情体験を変える
「感情についての信念」は、感情知性の研究における重要テーマのひとつ。「感情についての信念」ってのは、ざっくり言えば、
- 感情に対して、自分が無意識に持っているルールや評価
のことです。たとえば、これまで見てきたとおり、感情そのものはただの脳の反応でしかないのに、私たちはそこに以下のような意味づけをしてしまうことがあります。
- 「泣くのは弱い」
- 「怒るのは悪い」
- 「不安になるのは未熟だ」
- 「感情を見せるのは恥ずかしい」
- 「仕事で感情を出すのはプロらしくない」
- 「感情はコントロールできない」
- 「ネガティブ感情はすぐ消すべきだ」
いずれもおなじみの考え方ですが、こうした信念のなかでも特に問題になりやすいのが、上記のように感情の経験や表現を「受け入れがたいものだ!」とみなすパターンであります。
感情そのものより「感情への反応」が苦しさを増やすってのは、「無(最高の状態)」でも強調しまくったところですけど、必ず頭にたたき込んでおきたいポイントなので、軽くおさらいしておきましょう。
たとえば、あなたが人前で泣きそうになったとしましょう。このとき、最初に脳内に起きているのは、
- 悲しい
- 傷ついた
- 不安になった
- 圧倒された
といった一次感情であります。これは誰にでも起きる普通の現象なんだけど、ここで「泣くのは弱い」という信念を持っていると、次に起きるのはこういう反応です。
- 「こんなことで泣くなんて情けない」
- 「人に見られたら終わりだ」
- 「もっと強くならなきゃ」
- 「自分はダメだ」
いわば、感情に対してさらに感情が乗っかっている状況ですな。いったんこの状態になっちゃうと、たんに元のネガティブな感情に加えて、恥、自己嫌悪、焦りといった別の問題がブーストしたりするわけですね。
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