• 大気汚染物質の基準 2

    2019-09-20 01:28
    一つのネタを書くと、いくつもの次のネタが思いついて収集がつかない…

    近年の基準達成・超過の結果は、必ず環境省のサイト等をご確認下さい。
    必ず試験に出ます。

    大気関係の環境基準について
    ダイオキシン類は、以下の記事をご覧ください。
    https://ch.nicovideo.jp/penlight_recycle/blomaga/ar1809184


    浮遊粒子状物質(SPM)
    大気中に浮遊する粒子状物質の内、粒径が10μm以下のものです。
    PM2.5と違い、10μmを超える粒子を100%除去できるフィルターで収集したものです。(PM2.5は2.5μm粒子を50%除去できるフィルターで捕集、2.5μmを超える粒子も含まれる)
    PMという単語を使うと、PM6.5程度に相当します。厳密には異なりますが、PM2.5成分を含みます。
    基準値は「1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること」です。

    土のほこりや黄砂、粉塵、金属粉、または硫黄酸化物や窒素酸化物とアンモニアなどが空気中で反応して生成した塩等の混合物です。
    単体では見えませんが、高濃度になるとスモッグ状に、見通しの悪い状態になります。
    近年ではほぼ100%基準を達成していますが、硫黄酸化物同様に火山の噴火により発生した粒子のため、または黄砂の飛来状況など、自然現象により達成しないことがあります。

    粒子径が10μmを下回ると、人間の鼻で捕集できず、呼吸器系に入り込み健康に影響します。





    二酸化窒素
    排出抑制の対象は「窒素酸化物(NOx)」ですが、基準値を定められているのは二酸化窒素です。
    排出されたNOxは、空気中の酸素と紫外線で二酸化窒素にまで酸化され、安定に存在します。また、NOxの中で特に人体に毒性が強いため、二酸化窒素を評価します。
    酸性雨の原因物質であり、一酸化二窒素は温室効果ガスでありオゾン層破壊物質でもあり、全方向で悪役ぶりを発揮します。

    自然界では雷や微生物により発生しますが、自動車のエンジン、工場排ガスや焼却炉のばい煙に含まれます。
    硫黄酸化物(SOx)と対比すると、同じ酸性雨の原因、燃焼により発生、SOxの発生抑制をするとNOxも減らせるのですが、NOxの原料の窒素は空気中に存在するため完全に無くすのは困難です。

    基準が緩くなったことのある物質で、1973年は「1時間値の1日平均値が0.02ppm以下であること」の基準から、1977年には「1時間値の1日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm のゾーン内又はそれ以下であること」と、グレーゾーンが設けられ、緩くなりました。

    近年、一般局はほぼ100%を達成してます。自排局は毎年数か所で超過があり、99%台で推移しています。




    ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン

    似ているのでまとめて扱います。1年平均値がそれぞれの値以下であること、と定められています。
    ベンゼン  0.003mg/m3
    トリクロロエチレン 0.13mg/m3
    テトラクロロエチレン 0.2mg/m3
    ジクロロメタン 0.15mg/m3
    いずれも、かつては脱脂力の高い有機溶剤、洗浄剤として使われていた、発がん性の高い物質です。
    これらの物質を取り扱う工場のVOC成分として、また、ベンゼンは工場や自動車の排ガス中の未燃炭化水素成分として排出されます。
    大気汚染の基準として定められていますが、労働安全衛生法の特定化学物質としての規制や、塩素系化合物は特に水質汚濁や土壌汚染の原因物質として、多方面で規制されています。

    トリクロロエチレンは実はあまり安定ではなく、安定剤としてジオキサンを入れられることもありました。水質汚濁的には最悪の組み合わせです。



    光化学オキシダントと微小粒子状物質が残りましたが、長くなりそうなので後日。



    参考文献
    もっと知りたいPM2.5の科学 日刊工業新聞社

    独立行政法人 環境再生保全機構
    https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/taisaku/01_02.html

    平成29年度 大気汚染の状況(有害大気汚染物質等を除く)
    http://www.env.go.jp/air/ref_h29.pdf

    窒素酸化物排出削減対策技術の導入に係るガイドライン
    www.env.go.jp/en/water/wq/ine/pdf/tool/1_guideline-fixed%20sources-jp.pdf
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  • 46年前の労災 2

    2019-09-19 00:10
    46年前の労災が認められたニュース、1960年~1973年まで働いており、1973年に47歳でがんのため亡くなった、ということです。

    決め手は、「47歳で中皮腫」でしょう。過去の診断や判例、アスベストに触れた記録から、アスベストが原因と間違いないでしょう。

    労災認定は、アスベスト等のように30年を超えて発症する事例など、時効を過ぎても認定されるケースが多々あります。労働者を守るためにも、割と柔軟に対応されです。

    アスベストの種類について、主に蛇紋石系のクリソタイル(白石綿)、角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)があります。
    角閃石系のアスベストは1995年に使用禁止となりクリソタイルだけは2004年まで製造していました。

    0.01~1μmもの非常に細かい結晶が、肺の奥、肺胞までたどり着きアスベストを人体の中に取り込もうとします。時には30年を超える潜伏期間の末に悪性の中皮腫を発症することがあります。

    しかし、おおむね平成初期頃までは、アスベストが使用されることもありました。特に業務用の配管や小屋のスレート屋根等に存在する可能性があります。図面等が無くて不明な場合、「アスベストが使われいる」と思ってもよいかもしれません。

    参考文献
    https://medicalnote.jp/diseases/中皮腫
  • 46年前の石綿労災が認定されました 

    2019-09-18 00:43
    今日のニュースで、偶然アスベスト(石綿)の労災関連の話題が並んだので、急遽このブログでも取り上げます。

    46年前の「石綿労災」認定 根室の遺族に給付金 全国最古
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/345277?rct=n_society

    石綿被害の起算、がん診断日から 遅延金算定で神戸地裁判決
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/345412?rct=n_society

    アスベスト(石綿)は、今となれば肺がんや中皮腫等の原因物質として判明したこと、代替品が十分に流通したことで使われません。

    かつては断熱材やシール材等で使われました。1975年にはすでに吹き付けアスベストの使用が禁止、2006年9月から化学プラント等で使用されるフランジガスケットやグランドパッキンを除き禁止、2011年をめどに全廃することになりました。

    1988年の小学校の実験で石綿付き金網が使われていました。教科書には「石綿付き金網」と書いてありましたが、理由を聞かされずに石綿のないものに変更されました。大人になってやっと理解できました。
    1歳上の世代は石綿に触れていた可能性があります。


    30年間の作業記録の保存、30年間の作業環境測定記録の保存が法令で定められています。

    しかし、今回ニュースの当事者は1973年に亡くなっており、すでに46年間経過しています。
    また、今回の裁判で、遅延金はガンの損害発生の日は、診断や手術を受けた日を損害発生の日としています。


    続きは後日。