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【無料】ピックアップNEWSポストセブン「ボストン爆破テロ事件 CIAとKGBの不都合な陰謀」
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【無料】ピックアップNEWSポストセブン「ボストン爆破テロ事件 CIAとKGBの不都合な陰謀」

2013-05-19 17:00

    『週刊ポスト』から、中川淳一郎が気になった記事をピックアップします。
    ▼▼▼
    ボストン爆破テロ事件
    CIAとKGBの「不都合な陰謀」

    ………………………

    【中川淳一郎のひと言】

     アメリカでは大きな事件が起きると、必ず“陰謀論”が流れる。あの9.11の
    時でさえ、「ボーイングはWTCに突っ込んでいない。ビルに爆弾が設置されて
    いて爆破された」や「イスラエルには事前にテロの情報が流れていたので、ユ
    ダヤ系の被害者はいなかった」など、こんなの誰が信じるんだよ! と思わず
    にはいられない話が出回っていたっけ。

     この前、ある人が真剣な顔をしてこんなことを言っていた。「日本のフリー
    メーソンが高年齢化してきたので、若手を募集してるらしいよ」と。思わず笑
    っちゃったよね。あの得体のしれない怪しい秘密結社が、「若手募集中」って
    (笑)。フリーメーソンは闇の実力者たちが知らないところで集結するような
    組織であって、募集とかかけちゃダメだから! 俺らの夢を壊すなと言いたい
    ね。

     俺も「韓国から数千万円もらって日本に非難的な記事を書いてる」とかネト
    ウヨたちの“陰謀論”に巻き込まれたことがあるからよくわかるけど、そもそ
    も陰謀なんて、そうそうないから。でも100%ないとも言えないから、こんな
    話が出てくるんだろうけど。

    ………………………

     計画、実行、背景―犯行にまつわる具体的情報は漠たるものばかりなのに、
    なぜかそれにいたる「ストーリー」だけは明確に形作られている。もしかして
    そのストーリーは、「不都合な真実」を隠すためだったのではないか。ボスト
    ン爆破テロ事件の重大疑惑に、元外務省国際情報局長・孫崎享氏が迫る。

    《容疑者は反ロシア分子だった》

     アメリカ社会に溶け込めずイスラム過激派思想に染まった兄弟の犯行──事
    件から20日以上経過し、テロ組織からの犯行声明もないなかで、あのテロ事件
    は「アメリカ市民が納得しやすいストーリー」で片づけられようとしている。

     4月15日、ボストンマラソンのゴール付近で発生した爆破テロ事件は、3人の
    死者と約300人の負傷者を生んだ。同19日には実行犯とされるチェチェン人の
    容疑者兄弟と警察が銃撃戦になり、兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者は死
    亡、10数時間後弟のジョハル・ツァルナエフ容疑者も警察に拘束された。5月1
    日には、ジョハル容疑者と同じ寮に住むカザフスタン国籍などの3人が、火薬
    の抜かれた花火の入ったカバンなどを持ち出して捨てたとする司法妨害の容疑
    で逮捕されている。

     犯行の動機についてメディアでは、ボクシングのアマ選手であるタメルラン
    容疑者は五輪代表になってアメリカの市民権を取得しようとしていたが、その
    夢がかなわず、裏切られた思いからイスラム過激派の思想に嵌り、反米テロに
    走ったと説明されている。

     絵に描いたような筋書きに、アメリカ市民は得心した。容疑者の逮捕時に近
    隣住民らが叫んだ「USAコール」は、この兄弟が“アメリカの敵”とみなされ
    た証拠だった。だが、アメリカ社会で孤立していた若い兄弟に、果たしてこれ
    ほどの計画的で大規模なテロが起こせたものだろうか。

    「事件にはあまりにも不可解な点が多すぎる。事件とその後の捜査には、“国
    家の思惑”が透けて見えます」

     そう指摘するのは、各国の情報収集と解析を行なう外務省国際情報局で局長
    を務めた孫崎享氏だ。兄弟の母国であるチェチェンは、ロシアからの独立を求
    めるイスラム過激派がロシアに対して激しいテロ攻撃を繰り返していることが
    真っ先に思い出される国である。 ボストンのテロ事件は、各国諜報機関の関
    与を抜きにして読み解くことはできない、と孫崎氏はいう。

    「ロシアの有力紙『イズベスチア』や『ノーヴァヤ・ガゼータ』が報じている
    が、兄のタメルラン容疑者は2012年に半年間、ダゲスタンというロシア連邦内
    の国に行き、反ロシアのイスラム過激派テロリストと接触している。この人物
    はテロ組織のリクルーターでもあり、その後、ロシア警察により殺されていま
    す。さらに、同容疑者はこのとき、ダゲスタンの隣国・グルジアの首都トビリ
    シで開催された『コーカサス基金』のセミナーに参加していたことも明らかに
    なっています」

     この「コーカサス基金」こそ、タメルラン容疑者とアメリカの諜報機関を繋
    ぐポイントである。イスラム過激派に詳しい国際ジャーナリストの山田敏弘氏
    が、この組織の実態を解説する。

    「この基金は、グルジアの教育省を介して、いわゆる『反ロシア分子』に資金
    を落としていたとされる。米CIAが間接的な資金援助をしている組織として知
    られ、ブレジンスキー・元大統領補佐官も活動に関わっていた。特にチェチェ
    ンから亡命した人々に、奨学金と称して資金を与えていた。タメルラン容疑者
    が基金の活動に参加していたことは、グルジア内務省のスパイ防止活動部門の
    内部書類から発覚しました」

     さらに兄弟の叔父が、ロシア語を話せるCIA職員の娘と以前結婚していたこ
    とも明らかになった。こうしたことから、孫崎氏は指摘する。

    「タメルランはもともと反ロシア分子であり、その背後を辿れば米CIAが活動
    に関与していた。少なくともそのことは間違いありません」

     実際にタメルラン容疑者が米当局とつながりがあるとしなければ、説明のつ
    かない事実もある。ロシア紙『ノーヴァヤ・ガゼータ』の報道によると、ロシ
    ア連邦保安庁(FSB=旧KGB)は、2010年末ごろからタメルラン容疑者をマーク
    し、FBIに情報提供を要請したが、FBIは何も証拠を得られなかったとロシア側
    に回答している。しかし、その後タメルラン容疑者はユーチューブにテロや反
    欧米のビデオをアップロードしている。なぜ、それを見逃したのか。

     FBIやCIAに対するロシア当局からの捜査依頼にもかかわらず、タメルラン容
    疑者は2012年にあっさりアメリカから出国して、前述したテロ支援組織と接触
    していたというのも不可解といわざるをえない。

    《CIAとの関係を黙殺》

     そもそもこの事件には、不審な点があまりにも多い。孫崎氏はこう指摘する。

    「テロに使用された爆弾には圧力鍋や釘などが使われていて、一見すると素人
    の犯行くさく見えるかもしれないが、実際にはむしろより巧妙といえる。鍋や
    釘は武器と違ってどこでも手に入るから入手経路を特定しづらく、追跡を不可
    能にしているんです。犯行時間についても、マラソンのトップグループがゴー
    ルした後、どんどん人が増え、警備も散漫になる時間帯を計算して狙っている。

     ところが、これだけ周到に準備した形跡があるのに、なぜか安全に逃げる
    ルートを確保しておらず、監視カメラに写ってしまい、特定されることになっ
    た。本当にこの兄弟だけで計画して実行したのか、何か別の意図や思惑が働い
    ていたのではないか、疑問は尽きませんが、警察との銃撃戦で兄は死亡し、弟
    は喉に傷を負って言葉を話せなくなっている(供述は筆談)。米当局はこの2
    人に話してもらっては困ると考えたのではないか、と勘繰りたくもなります」

     兄とは別の意味で謎が多いのが弟のジョハル容疑者で、テロ支援組織との関
    わりは確認されておらず、通っていたマサチューセッツ大学には友人がたくさ
    んいて孤立していたわけではない。なぜこんな凶悪な犯行を手伝ったのか、い
    まだ不明なのだ。

     報道によると、テロ事件が起きた4月15日からFBIが写真を公開した18日まで、
    ジョハル容疑者は普段通りに大学の授業に出席し、17日夜には学内のサッカー
    仲間とのパーティを楽しんでいた。テロ発生から約5時間後の15日午後8時ごろ、
    ジョハル容疑者はツイッターで「都市の中心には愛情がない。みんな安全でい
    て」と発信し、17日午後1時すぎには「自分はストレスがないタイプ」とつぶ
    やいていたという。

     カモフラージュのためかもしれないが、あまりにも悠然としすぎている。同
    じ寮のカザフスタン人が爆弾製造の証拠を隠滅したとして逮捕されているが、
    結局、爆弾製造の物証は現時点でみつかっていないのである。

     さらに大きな謎は、ロシア紙で報じられたような兄とCIAとの関係が、アメ
    リカではほとんど黙殺されているということだ。孫崎氏はいう。

    「米当局と主要メディアは、アメリカ社会に溶け込めなかった兄弟がテロに走
    ったというストーリーで、事件の捜査を終息させようとしているのではないか。
    容疑者がCIAと関係があるとなれば、米諜報機関が海外で行なっている工作を
    説明しなければならなくなる。また、事件との関連性についても、疑惑が浮上
    することになりかねません」

     タメルラン容疑者がイスラム過激派ではなく、CIAと関係の深い人物だった
    とすれば、それはアメリカにとって“不都合な真実”にほかならない。しかし、
    そう仮定することで、事件の謎を解く鍵が見えてくるのかもしれない。

    「最大の謎は、タメルラン容疑者はなぜアメリカに対してテロを行なったのか
    ということです。反ロシア活動をしていたはずの人物が、なぜ突如としてアメ
    リカを標的としたのか。可能性として考えられるパターンは2つある。1つは、
    タメルラン容疑者がある時点からアメリカに対して強烈な不信感、あるいは恨
    みをもったのではないかということ。つまり、米当局との関係がこじれたとい
    うことです。

     もう1つの可能性は、このテロ事件自体がCIAの関与によるものであり、この
    兄弟が捨て駒として利用されたということ。考えにくいことではあるが、状況
    証拠だけを見れば、その可能性は捨てきれない」(孫崎氏)

     同様の分析は、他国からも上がっている。カナダに拠点を置くグローバルリ
    サーチというニュース分析サイトは、「タメルラン容疑者はビンラディンと同
    じような経緯でテロリストになったのではないか」との記事を掲載した。

     かつてCIAの後ろ盾で反ロシア(旧ソ連)活動を行なった後、反米に転じ9.11
    テロにいたったビンラディンと同じように、タメルランもアメリカの協力者か
    ら反米に転じてテロを起こしたのではないか、ということだ。ただし同記事は、
    「仮にそうだったとしても決して明らかにされることはない」と結んでいる。

    《プーチンにも「プレゼント」》

     真相は依然として不明だが、事件の背景を解明するうえで一つの指針になる
    のは、「誰が得をしたか」を見極めることである。得をしたのは誰かといえば、
    その一人はオバマ大統領だ。

    「シリアの内戦にオバマは軍事介入しようとしているが、アメリカの世論が許
    していない。アサド政権が化学兵器を使用しているという情報も流れているが、
    これも世論を動かすための米当局の仕掛けです。同じく、イランへの軍事介入
    も政権側にとっては大きな課題となっている。アメリカ社会に反イスラムの空
    気が生まれることは、オバマ政権側にとって非常に都合がいいわけです」(孫
    崎氏)

     もう一人、得をした人物がいる。ロシアのプーチン大統領だ。前出の山田氏
    が指摘する。

    「今回のテロ事件は、チェチェン独立派を叩きつぶしたいプーチンにとっては
    プレゼントのようなものです。チェチェン系の人間が米国でテロを実行したこ
    とで、今後、欧米諸国はチェチェン独立派の幹部などの政治亡命に躊躇する方
    向に傾くことになるからです」

     チェチェン過激派によるテロは残虐だが、ロシアによる圧政が背景にあるた
    めこれまでは同情的に見られることも多かった。しかし、今後はアルカイダと
    同様のテロ組織として扱われるようになる可能性がある。

     事実、オバマ大統領は兄弟の死亡・逮捕後の4月19日、プーチン大統領に電
    話をかけ、テロ対策で「緊密な協力」を得たことに感謝の意を示し、プーチン
    も賛同したという。この件に関しては、オバマとプーチンの姿勢が奇妙なほど
    に一致しているのだ。

     この兄弟の両親は、いまも息子たちがテロの実行犯だったとは信じておらず、
    米諜報機関のでっちあげだと主張している。母親は、「タメルランはこの5年
    間、FBIに監視されていた。彼らは息子がどこで何をしているのかすべて知っ
    ていた。一挙手一投足を追っていたのだから」といい、FBIの監視下にありな
    がらテロなどできるわけがないと訴える。

     父親も「FBIは、タメルランとジョハルがちょうど悪い時間に悪い場所にい
    るよう仕組んだに違いない。やつらが息子たちに発砲し始めたとき、タメルラ
    ンはジョハルを学校に送るところだった。これは仕組まれた、政治的な指令に
    よる、ハリウッドショーだ」と怒りをあらわにしている。孫崎氏は最後にこう
    指摘する。

    「アメリカという国の本当に恐ろしいところは、ビンラディンやフセインがそ
    うだったように、自分たちが一度は利用した人間を、あっさり裏切って敵とみ
    なすところにある。今回の事件でもそのことが垣間見える。盲目的なアメリカ
    追随を良しとする日本人は、アメリカのそうした怖い側面を少しでも知ってお
    いたほうがいいのではないか」

    ※週刊ポスト2013年5月24日号
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