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魔法少女タカマド☆ユメミ 第二話「ご注文はうさ耳ですか?」
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魔法少女タカマド☆ユメミ 第二話「ご注文はうさ耳ですか?」

2016-12-08 18:43


    [♀]高円夢美(たかまど・ゆめみ):魔法少女を愛する少女。明るく気さく。振り回されるタイプ。運命の魔法少女にして永遠の魔法少女。
    [♀]南伊鈴(みなみ・いすず):精霊だか妖精だかそんな存在。但し、人間大。丁寧な喋り方をするがその大方がふざけた言動。
    [♀]うさ耳:普通の雑魚。本気を出すと普通の雑魚から雑魚ではなくなる。うさ耳で地上を支配しようとするお姉さん。
    [不問]ラビアン:巨大で可愛い兎の魔獣。鳴き声のみ。うさ耳と兼役推奨。

    伊鈴
    「おはようございます、夢美さんっ。
     朝ですよ。朝なんですよっ。元気に朝ちゅんしてますかーっ? ちゅんちゅんっ」

    夢美
    「……ねぇ、何であんたが私のベッドにいるの?」

    伊鈴
    「え? そんなの、ゆうべはお楽しみだったからに決まってるじゃないですか」

    夢美
    「決まってるわけないでしょ!」

    伊鈴
    「えぇ!? そんな、まさか夢美さん、記憶を失って……」

    夢美
    「失ってないから。残念だけど、魔法少女になった記憶もはっきりしてる。
     あんたのこともしっかり覚えてるよ」

    伊鈴
    「なんだ。そうですか、なら良かったです。
     でも、おかしいですね。それなら何故私とLOVEずっきゅんした時の記憶は無いのでしょう?」

    夢美
    「そもそも何もしてないからじゃない?」

    伊鈴
    「何もかもしましたよ!?」

    夢美
    「だからしてないって!」

    伊鈴
    「うぅ、変です。怖いです」

    夢美
    「いや、私はあんたが怖いわ。
     まあ、とにかく早く起きよう。今日は出掛けなきゃなんだから」

    伊鈴
    「あれ? 学校はお休みと言っておられませんでしたっけ?」

    夢美
    「あぁ、うん。学校は休みだけど伊鈴ってば他に替えの服無いでしょ?
     ずっと同じ服っていうのもあれかなって思って買いに行こうかなって」

    伊鈴
    「夢美さん……っ。なんて心遣い。感激です。
     けど、そういうことなら夢美さんのお古なんかでも私は全然良いんですよ? わざわざ新品をご用意頂くのは申し訳ありませんし」

    夢美
    「お古、ね。一応あることにはあるんだけど……」

    伊鈴
    「うん? あぁっ、胸ですねっ。胸のせいで夢美さんのお古では入らないと。
     すみません、私の胸がまるで乳牛のようにはしたなくいやらしいばっかりに……っ」

    夢美
    「いいけど、その表現はやめない?」

    伊鈴
    「私の胸がミサイルだったばっかりに」

    夢美
    「いや、そうでもなく」

    伊鈴
    「はて、もう少しやらしい方が良かったでしょうか?」

    夢美
    「どちらかというと健全な方向の方がいいかな」

    伊鈴
    「なるほど、以後気をつけます」

    夢美
    「うん、そうして。
     ところでさ、伊鈴はどうしてベッドから全く出てこようとしないの?」

    伊鈴
    「それはですね、夢美さんの匂いを今まさにこの私がくんかくんかしているからで――」

    夢美
    「――今すぐ出てきなさい」

    伊鈴
    「ごめんなさい」

    夢美
    「はぁ。いいよ。とりあえず朝ご飯にしよっか」

    伊鈴
    「おや、夢美さんが自分でお作りになられるんですか?」

    夢美
    「うん。お父さんは放浪癖でどっか行ってるし、お母さんは仕事で忙しいからね」

    伊鈴
    「そうだったんですか。夢美さんも大変だったんですね」

    夢美
    「別にそうでもないよ。一時はお父さんに連れられて色々な所を巡ってたし。
     その時に比べれば、普通に過ごすくらい全然楽ちん。それに、普段会えない分会った時には二人とも凄く優しくしてくれるから」

    伊鈴
    「たくましいですね。流石は私が見込んだ魔法少女。
     ですが、そういうことであれば私も諸々お手伝いするしかないってものですよ」

    夢美
    「あはは。気持ちはありがたいけど伊鈴は料理とかしたことあるの?」

    伊鈴
    「冷凍食品をレンジでチンすれば良いんですよね?」

    夢美
    「精霊の星にそういうものがあったっていうのが私としてはまず驚きなんだけど、それはちょっと料理とは言わないかな」

    伊鈴
    「ではこの熱く滾(たぎ)る指、サンシャインフィンガーを使って笑う饅頭でもお作りしましょうか」

    夢美
    「急に難易度が跳ね上がった上に、なんだか不気味だからやめてくれる?」

    伊鈴
    「では、何かお役に立てることは」

    夢美
    「静かに椅子に座ってて」

    伊鈴
    「分かりました。このクッキングファイター伊鈴。静かに朝食の完成を待つことにします」

    夢美
    「……うん、そうして。って、伊鈴。それ何に座ってるの?」

    伊鈴
    「イスですが?」

    夢美
    「椅子かな、それ」

    伊鈴
    「はい、紛うことなきイスの偉大なる種族ですね」

    夢美
    「いや何、そのやばそうなクリーチャー!?」

    伊鈴
    「全然やばくなんてないですって。ほら、この眼が三つある所とかキュートでクールでパッションですよ?」

    夢美
    「もう私はあんたが何を言ってるのかが分からない」

           □

    夢美
    「朝ご飯を作るだけで、何だか随分疲れた」

    伊鈴
    「いやぁ、大変でしたよね。まさかあんなことになるとは」

    夢美
    「あんたのせいだからね、あんたの。
     何が、ハンバーガーは儀式の用意をして無数の生贄を用いることでようやく召喚出来るんですよ、よ。
     完全出来たのはハンバーガーっぽいだけの怪物だったじゃない。何あれ、ホラー?」

    伊鈴
    「あはは、あれに関してはもう何とお詫びしていいやら」

    夢美
    「おかげで私はまた魔法少女になるはめになるし。
     全く、二回目の変身がハンバーガー作ろうとして出来上がった変な奴の退治って何なの」

    伊鈴
    「本当すみません、すみませんってば。
     それよりほら、着きましたよ。ショッキングモールです」

    夢美
    「はいはい、ショッピングモールね。それで伊鈴はどういうのが好みなの?
     可愛い系とか綺麗系とか、服にも色々あると思うけど」

    伊鈴
    「うーん。どれも捨てがたいですが一番はやっぱりリルリルした感じの奴ですかね」

    夢美
    「何そのリルリルしたのって。
     フリルがいっぱいついた奴とかそういうこと?」

    伊鈴
    「ちょっと違いますけど、そのフリルがいっぱいついたのも良いですね。
     こう、人形同士の戦いとかが始まりそうな雰囲気があって」

    夢美
    「戦いが始まるのは御免だけど、そういうのならこっちね」

    伊鈴
    「あ、待って下さい夢美さん」

    夢美
    「うん、どうしたの?」

    伊鈴
    「ここにスクール水着がありますよ」

    夢美
    「あんたはそれで日常生活をするつもりなの」

    伊鈴
    「やっぱりビキニの方が良いですかね」

    夢美
    「とりあえず水着っていう選択肢から離れない?」

    伊鈴
    「じゃあ、陸着(りくぎ)で」

    夢美
    「そんな日本語は無いから」

    伊鈴
    「陸戦型?」

    夢美
    「何処の機動兵器よ」

    伊鈴
    「おぉっ、今度はこちらにセーラー服がっ」

    夢美
    「ここってコスプレ用品を置く場所だったっけ」

    伊鈴
    「機関銃もありますよ!」

    夢美
    「あってはいけないものだからそれ! っていうか、何であるの!?」

    伊鈴
    「多分、宇宙の法則が乱れたんでしょうね」

    夢美
    「それってそんなさらっと乱れていいものなのかな……。って、あれ?」

    伊鈴
    「アレ? アレキサンダー大王のあだ名ですか?」

    夢美
    「そんなわけないでしょ。
     そうじゃなくて……伊鈴、あんたあれ何に見える?」

    うさ耳
    「ふふふふふ!!」

    伊鈴
    「うさ耳をつけた女の人ですね」

    うさ耳
    「ビーム・うさ耳モード!」

    夢美
    「今は何が見えた?」

    伊鈴
    「うさ耳をつけた女の人が光線を撃ちましたね」

    夢美
    「あっちは?」

    伊鈴
    「光線を撃たれた人がうさ耳になりましたね」

    うさ耳
    「ついにこの時が来たのね!」

    夢美
    「あれって」

    伊鈴
    「人間じゃありませんねっ」

    夢美
    「……なんていうか、昨日の奴も微妙にふざけてたけど今回のは分かりやすくふざけた奴ね」

    伊鈴
    「ですね。光線を当てた対象にうさ耳を強制的に装備させるなんて。
     一体今度の怪物はどれだけのうさ耳フェチなんでしょうか。夢美さんには、あの光線に一回当たって頂きたい所です」

    夢美
    「味方も大概ふざけた奴みたい」

    伊鈴
    「そんなことないぴょん★」

    夢美
    「……兎だからぴょん?」

    伊鈴
    「あ、あはは。そんな睨まないで下さい。私の防御力が一段階下がってしまいます」

    夢美
    「睨まれるようなことするからでしょ、もう。まあ、とにかくコントやってる場合じゃないか。あいつ、どうにかしなきゃだよね」

    伊鈴
    「はい、戦いましょう。
     周囲の人達に関してはご心配なく。私の魔法の武器"ごおるでんちゃあみんぐ"で魅了して一時的に意識を奪って避難させますから」

    夢美
    「そんなこと出来るんならあいつにそれ使えばいいんじゃ?」

    伊鈴
    「そうしたいのは山々ですが私以上の魔力を持つ相手には全く通用しないんですよね、これ。
     ですから戦闘は夢美さんにお任せします。前回みたいに潔くかっこよくやっつけちゃってください」

    夢美
    「簡単に言うんだから。ま、出来る限りのことはするけどさ」

    うさ耳
    「あははは。この場にいる人間は全てうさ耳と化す。
     そして私の調教を受け従順な僕(しもべ)となるの。うさ耳こそがいずれ地上を支配するのよ」

    夢美
    「待ちなさい」

    うさ耳
    「誰!?」

    夢美
    「彼方に夢を、果てに希望を。胸に無限の強き勇気を。
     ――永遠の魔法少女、高円夢美。星が如くここに参上!」

    うさ耳
    「なっ。まさか、貴方が我が同胞を倒したというこの地球の魔法少女っ!?」

    夢美
    「そういうこと。分かったら観念してすぐにでも降参なさい」

    うさ耳
    「はっ、舐めた口を。奴は我ら雑魚の中でも雑魚中の雑魚。雑魚・オブ・キングに他ならない。
     私は違う。私は普通の雑魚なのだからねぇっ!」

    夢美
    「雑魚なんじゃん!」

    うさ耳
    「ぎゅあぁぁぁ!!」

    夢美
    「うわ、魔法の弾が一発当たっただけですっごい苦しんでる」

    伊鈴
    「えらくひ弱ですね」

    うさ耳
    「くっ、おのれ魔法少女。これは私も本気を出して雑魚でなくなる時が来たようね」

    夢美
    「っ、何、この感じ。さっきまでと雰囲気が変わった?」

    伊鈴
    「気をつけて下さい、夢美さん。そいつの魔力明らかに膨れあがっています」

    夢美
    「分かったっ」

    うさ耳
    「兎の拳、その威力を知りなさい!」

    夢美
    「くっ、唸れパンチ!」

    うさ耳
    「ふっ」

    夢美
    「轟け、キック!」

    うさ耳
    「フン、当たらない。その程度だなんてそれでも魔法少女なのかしら? この軟弱者!」

    夢美
    「ぐっ、きゃぁっ!?」

    うさ耳
    「あはは! 大した腕力でしょう」

    夢美
    『なんて馬鹿力。キルゼムオールで何とか防いだけど腕が思いっきり痺れてる……。近くで戦うのは不利ねっ』

    うさ耳
    「逃がしはしないわ! ビーム・うさ耳モード!」

    夢美
    「そんな簡単に当たるもんですかっ」

    うさ耳
    「連射!」

    夢美
    「って、ちょっ」

    うさ耳
    「連射に次ぐ連射!」

    夢美
    「待、待って。数、多すぎぃっ!」

    うさ耳
    「当たれ、当たれ、当たれぇぇぇ」

    夢美
    「きゃぁぁぁ!?」

    伊鈴
    「夢美さんっ!」

    うさ耳
    「ふふ、これで貴方もうさ耳の仲間入り。どうかしら、その長く愛らしい耳は!」

    伊鈴
    「これはこれで……」

    夢美
    「最高に恥ずかしい!」

    うさ耳
    「何ですって!? フン、その麗しい耳を恥じるなんてどうやらきちんとした躾が必要なようね……出なさい、ラビアンローズ!」

    夢美
    「うわっ、何っ!?」

    うさ耳
    「巨大な兎の魔獣よ。貴方はこの子に押し潰されてしまうといいわ」

    ラビアン
    「うさー」

    夢美
    「無駄に可愛らしい鳴き声!」

    伊鈴
    「惑わされていけません。その鳴き声には私達の攻撃力を下げる能力が!」

    夢美
    「何その能力!? って、うわぁっ!?」

    ラビアン
    「うさー」

    夢美
    「可愛らしくてもなんでも、こんな大きな兎さんを暴れさせておくのはまずいよね。
     だから悪いけど貴方の出番はここで終わりよ!」

    ラビアン
    「うさー?」

    うさ耳
    「フン、強がっちゃって。
     私の可愛いラビアンを倒すなんて貴方に出来るわけが――」

    夢美
    「――無いって? そんなのやってみなきゃ分からないでしょ?
     刮目なさい、乙女の煌めきを! はぁぁぁぁぁぁ!!」

    ラビアン
    「うさぁぁぁぁぁぁぁ!?」

    夢美
    「ライトニングディヴァイン!!」

    うさ耳
    「何、この眩い光は!? 光の線がラビアンを覆い尽くしていくっ」

    伊鈴
    「あれは、一秒間に数百発の魔力による光弾を打ち込むという魔法――ライトニングディヴァイン。
     流石は夢美さん。前回見事に説明し忘れた、魔力を収束して超火力で砲撃するスターライトプリズムの他に直感で新たな技を習得するだなんて」

    ラビアン
    「う、さぁああぁ」

    うさ耳
    「馬鹿な。あの巨体を、たった一度の魔法で……!」

    夢美
    「あんたも倒れなさい!」

    うさ耳
    「くっ……まだよ、まだ終わらない! メタルうさ耳モード!」

    夢美
    「メタル化した!?」

    うさ耳
    「ぐぅ、体が重い……!」

    夢美
    「何がしたいのよ!」

    うさ耳
    「ぐぁぁっ!」

    夢美
    「はっ、思わず殴っちゃったっ!? 待って。ツッコミでやられるはやめて。締まらない、締まらないからぁっ!」

    うさ耳
    「ぐぅぅ」

    伊鈴
    「耐えた! 物凄い気合いです!」

    夢美
    「良かった……。じゃあ今度こそ、行かせてもらうからねっ!」

    うさ耳
    「ぐぅ、みすみす……やられるかぁっ。ぴあぴあ! キャロットミサイルゥ!」

    夢美
    「燃えろ、私のハート! 天を衝き、悪を払う、輝ける光! スターライトォプリズムゥ!!」

    うさ耳
    「ぐっ、そんな、ミサイルごと私を……っ、のう゛ぁあぁぁぁぁあ!?」

    夢美
    「――ふぅ、何とか勝ったね」

    伊鈴
    「お疲れ様です、夢美さん。
     今回は少し強敵でしたが見事な勝利でした。これには私も心ぴょんぴょんです」

    夢美
    「何よ、心ぴょんぴょんって。
     それより、周囲の人達はちゃんと無事なの?」

    伊鈴
    「はい、誰一人怪我は負っていませんよ。
     あいつを倒したことでうさ耳化も解けたようですし。
     ただ、あの大きい兎さんの登場で店には割と被害があるようですが」

    夢美
    「……それは何とか出来ない?」

    伊鈴
    「出来ませんね。店の方にはお気の毒ですがこればかりはどうしようもありません」

    夢美
    「そっか。なんていうか不憫だね」

    伊鈴
    「ですね。でも、こういうことがこれからも起こらない為にも魔法少女、高円夢美が頑張っていかないと」

    夢美
    「責任重大過ぎて辛い」

    伊鈴
    「ふふ、ファイト一発ですよ」

    夢美
    「他人事みたいに」

    伊鈴
    「あはは、きっちりかっちり最後までお供はしますから」

    夢美
    「当たり前よ」

    伊鈴
    「ところで夢美さん」

    夢美
    「何?」

    伊鈴
    「スクール水着は白も良いと思うんですが」

    夢美
    「あんた、まだ水着にこだわってたの?」


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