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ラーメンレビュー 山本増刊36号
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ラーメンレビュー 山本増刊36号

2016-09-29 15:00

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    ■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です

     「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。

     今回は巻頭コラムで「金乃武蔵」シリーズ第9弾のレビュー、そしてテレビ東京で9月25日に放送され、私も出演した「イチゲンさん」で紹介されたラーメン店10軒のレビュー。今回は全編を無料公開です。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。

    □目次

    1.「金乃武蔵」レビュー

     ・麺屋武蔵巌虎@秋葉原

    2.「イチゲンさん ラーメン大王選手権」出題店全レビュー

     <オープニング>
     ・二代目だるま@台場
     ・一幸@下北沢
     ・大章@田端

     <第1ラウンド>
     ・アルス南青山@乃木坂
     ・まぜそば三ツ星@恵比寿

     <第2ラウンド・プレゼンバトル>
     ・みやみや@聖蹟桜ヶ丘
     ・ピリリ@水天宮前

     <第3ラウンド>
     ・麺屋武蔵神山@神田
     ・BiaBia@東高円寺
     ・葉月@雪が谷大塚


    1.「金乃武蔵」レビュー
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    【麺屋武蔵巌虎@秋葉原】
    「山の王様ら~麺」2,160円
    ※9月29日(木)~10月2日(日)、各日10食限定

     20周年を迎え、「革新的で上質」をテーマに掲げ麺屋武蔵が、ラーメンの可能性を広げる目的で毎月各店で実施している「金乃武蔵」シリーズ。先月の武仁に続いて、同じ秋葉原での実施になる。巌虎店主が長野県伊那地方の出身という事で、伊那谷の食材をふんだんに使い、「実りの秋」を実感させる一杯になっている。

     「山の王様」どころか「食材の王様」と言っても差し支えない「松茸」がこの一杯の主役。長野県は松茸の生産量が日本一で、その多くが伊那谷で獲れたものだという。店主が懇意にしている「梅松苑」から直送された、今が旬の松茸をなんとミキシング!長野県産の猪肉(骨は不使用)で採ったスープにそれを合わせた、「松茸のポタージュ」とでも言うべき逸品。松茸の香りと旨みを存分に引き出している。塩も伊那谷、大鹿村の温泉で作られる山の塩「塩畑」を使っている。

     ネギの下に隠れているチャーシューも、長野県産の猪肉。バラ肉を燻製したチャーシューで、野趣溢れる旨みが松茸のスープの上で引き立つ。麺には栗のパウダーを練り込んでいて、ほんのりとした甘さでスープの旨みと香りに引き込まれる。

     チャーシューと麺の間には、細長く刻んだ松茸が大量に仕込まれていて、香りや食感が更に広がっていく。メンマ代わりにしては贅沢すぎる。仕上げにかけられた油も松茸の香りが移されていて、松茸づくしの一杯。別容器に入ったすだち胡椒や、締めでスープに入れる塩むすび(この塩も「塩畑」使用)も、実に上質で、今までにない食の体験ができるはず。贅沢なだけでない、まとまりと後味の良さは、滅多に感じられるものではない。

    伊那谷の 松茸を知る 4日間

    麺屋武蔵 巌虎
    東京都千代田区外神田1-3-9
    各線「秋葉原」駅から徒歩5分


    2.「イチゲンさん ラーメン大王選手権」出題店全レビュー

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    【二代目だるま@台場】
    「炙り豚トロチョモランマ」1,200円

     「ラーマガ94号」で山路さんがレビューしている店。博多の名店「だるま」が、「東京ラーメン国技館」に出店。自分も2回食べているが、この店限定の「炙り豚トロチョモランマ」の為に再訪。平日夕方でも各店舗賑わっていた。

     ベースは二代目だるまの基本的なラーメンで、背脂を振りかけながら口当たりには過剰な脂分を感じないスープに、細ストレート麺という王道の博多ラーメン。そこにモヤシの山の乗せ、炙り豚トロを5枚、山のように乗せている。見た目のインパクトは抜群で、豚骨スープも悪くない。ただ、モヤシがたっぷりなので、これを食べるのに時間がかかってしまうので、極細麺との相性が良いとは言えない。豚トロもよく炙ってはいるが、熱くはないのでラーメンのスープを冷ますことになってしまう。別皿にして食べてみると感じ方が変わりそうだけど、こういう見た目のラーメンはこのビジュアルあってのものだからなぁ。ここではシンプルなラーメンの方が満足度は高いかな、と思いました。

    二兎を追う だるまの手が出る どこからか

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    二代目 博多だるま
    東京都港区台場1-7-1 アクアシティお台場5F
    ゆりかもめ「台場」駅から徒歩3分


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    【一幸@下北沢】
    「煮干豚そば」790円+「トリュフ煮干~る」200円

     築地の和食店店主で、「汐留ラーメン」を手掛けた事でも知られる竹若氏が下北沢に開店させた店。「ラーマガ87号」で山路さんもレビューしている。厨房も客席も狭く、柱を避けるように置かれた客席は6席。ラーメンの「煮干豚そば」を基本に、つけ麺やまぜそばも提供している。

     スープは煮干と豚骨の両者の旨みを強く感じる、どちらも匂いは強すぎず、旨みで結構存在感の強い太麺を啜らせてくれる。豚骨煮干は珍しくないが、味としては独特なものを提供している。炙ったチャーシューに、インゲンがメンマ替わりのアクセントに。

     そんなスープの味変要素が、トッピングした「トリュフ煮干~る」。味はコクを強めた煮干しが、香りはひたすらに主張するトリュフオイルが担当していて、これはなかなか強烈。トリュフ好きにとって嬉しい限りだろうが、ラーメンの味わいがトリュフに上書きされてしまう面もあって、ちょっともったいないかなという印象。つけ麺も含めて味の印象はいい店だけに、何かきっかけがあれば一気にブレイクしそう。

    下北に トリュフの香り 振りまいて

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    下北沢 一幸
    東京都世田谷区北沢2-13-5
    各線「下北沢」駅から徒歩3分


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    【大章@田端】
    「とろ卵ラーメン」830円

     不忍通りの「動坂下」交差点の一角に今年5月に開店した店だけど、駅から遠いのと最寄駅の地味さで、あまり話題になっていない印象。年配のご夫婦らしき二人と、その息子世代にあたりそうな、若い男性との3人で営業。店内は家族連れでも気軽に入れそうな、テーブル席主体の構成。タンメン、もやしそば、あんかけ焼きそば、中華丼など、中華屋さんのメニューが並んでいる中で、気になるのは「とろ卵ラーメン」の存在。POPに写真がないので、どんなのが出てくるかを気にしながら注文。

     スープには、タマネギ・ニンジン・ニラ・タケノコ・豚肉が入って、塩味のスープに溶き卵を加えて、中華屋さんのあんかけちゃんぽんにも近い印象。卵のまろやかさを感じさせるところに、エスプーマのように泡立てられた、卵白と醤油ダレを使い、攪拌機で泡立てたメレンゲがトッピング。見た目に非常に印象に残り、自家製麺を引き上げる時に溶き卵スープとのコントラストが感じられる。見た目に比べると味付けはオーソドックスだが、実際以上にボリューム感のある一杯。餃子やチャーハンなどもあり、気軽な気持ちで食べに行きたい。

    電波乗る D坂下の 第一章

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    麺処 大章

    東京都文京区本駒込4-41-5
    JR東日本「田端」駅から徒歩10分


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    【アルス南青山@乃木坂】
    「アルス煮干らぁめん」900円

     「楽観」店主が手掛ける、出汁と鍋料理の店。夜は鍋を含めたコース料理を楽しめるようになっているが、ラーメン類もちゃんと提供している。ランチもラーメンと「にゅうめん」を提供している。ラーメンも種類があるが、「ラーマガ79号」で山路さんがレビューしている、アルス煮干しらぁめんを注文。ランチに訪問したので、前菜のサラダが取り放題、コーヒーや紅茶も用意している。

     煮干しをたっぷり使うラーメンは最近では珍しくはないが、「一杯につき150gの煮干し」という使用量は、今まで知る中で最大ではなかろうか。それだけたっぷり煮干しを使って、見た目にはいかにもな煮干しラーメンっぽいものにしつつも、単にニボニボしているだけのラーメンではない。その秘訣は、やはり大量に鰹節を使ったという和風出汁がベースになっているからか。楽観GOLDと違い、タマネギの代わりにささがきのネギを使用。炙ったチャーシューや、凪製麺製の中細麺も力強い。

     他のラーメンや「にゅうめん」も気になるし、夜は麺料理も楽しめるコースの為に訪問するのもよさそう。機会を見て再訪したい一軒です。

    煮干しでも こんなのアルス 乃木坂に

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    アルス 南青山
    東京都港区南青山1-15-19 B1F
    東京メトロ千代田線「乃木坂」駅から徒歩1分


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    【まぜそば三ツ星@恵比寿】
    「和牛まぜそば」900円+「ぷちこしひかり」50円

     恵比寿駅西口の飲み屋街に2015年1月に開店。もともとは中華料理屋だったのが、ドイツに進出した時にまぜそばが話題を集め、そのまぜそばを専門店にして恵比寿に開店。店内は木を多用して屋台のような雰囲気も出したカウンター席と厨房。数種類のまぜそばを基本に、トッピングだけでなくつまみメニューや酒類も様々に用意して、軽く飲んだ後に〆のまぜそばというスタイルも提唱されている。注文したのは店一押しの「和牛まぜそば」。

     箸がなくて、スプーンとフォークを乗せてくるあたりが、「逆輸入店」という感じを彷彿とさせる。牛肉のミートソースをメインに、豚そぼろ、揚げネギ、青ネギ、バナナチップス、揚げ玉など、ユニークな具材が様々に乗ってくる。しっかりかき混ぜると、ソースの色に染まった太麺が姿を表わす。その麺をフォークに巻き付けながら、豊富な種類の具をスプーンですくいながら飽きずに食べられる。麺を食べ終わってから一口サイズのライスを注文し、タレに絡めて完食。他にも、割りスープやバケットも用意されていて、メニューの豊富さを含めて、何度来ても新しい驚きが感じられそうです。

    恵比寿には ビール以外も 星が来る

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    まぜそば 三ツ星
    東京都渋谷区恵比寿西1-13-2
    各線「恵比寿」駅から徒歩3分


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    【みやみや@聖蹟桜ヶ丘】
    「味噌ヌードル」780円

     2016年4月開店。都内の複数の店舗で修業して独立。もともとはラーメン好きの方だったらしく、店内は明るく、女性でも入りやすい雰囲気。味噌味を看板メニューにしつつ、地鶏中華そばや油そばも提供している。今回は味噌ヌードルを注文。

     鶏をメインに豚骨、煮干も加えた濃厚なスープをベースに、全国から選んだという7種類の味噌をブレンド。中にはまだ市場に出回ってないという山形の「青ばた味噌」や、西京味噌の中でも甘さが強い京都の「極上白味噌」などもある。スープをしっかり感じさせつつも、しょっぱくない味噌ダレの味が程よくマッチ。スープの強い力を受け流すのは、村上朝日製麺の中太麺。水菜やモヤシ、タマネギなどの豊富な野菜が乗っている事で、食感が単調になる事を防いでいる。チャーシューは流行の低温調理。

     濃厚だし、食感の変化で最後まで飽きずに食べられる味噌ラーメン。チーズを加えた特製もよさそうだし、他の味も気になる。いわゆるワンオペ状態だが、店主の明るい雰囲気でまた来たくなる。そんな注目店です。

    聖蹟の 街に味噌あり 元気あり

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    味噌ぶり Noodle みやみや
    東京都多摩市関戸2-24-23
    京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅から徒歩3分


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    【ピリリ@水天宮前】
    「黒胡麻担々麺」880円

     2016年7月開店。新大橋通り沿いにある讃岐うどんの「谷や」2階。狭い階段を登ると、本格中華料理店のような入口があって、客席の椅子やテーブルも中華料理店を思わせるものだが、店内には小さい食券機が置かれている。メニューは「黒胡麻」「白胡麻」の2種類の汁無し担々麺と、限定の汁あり担々麺、辛さのないお子様担々麺。そこにトッピングとライスが並んでいる。黒胡麻担々麺を辛口で注文。

     よくかき混ぜてくださいと言われながら提供される、つばの広い浅めの器には、辛めのタレに滑らかな中太麺。挽肉とナッツがたっぷり入り、山椒が加えられている事で辛さはかなりのものに。とはいえ、激辛とまではいかないかな。味は結構濃いので、よくかき混ぜないと後半、舌に残る味が強く感じられる。

     トッピングには「パクチー」「温泉玉子」「ミョウガ」などがあり、どれも特徴を持ちながらこの辛い味にはマッチしそう。いろいろ気になるメニューはあるけど、担々麺専門なのは少しもったいないかなとも思える。一品料理や酒類も充実させれば長居ができそうな店になるけど、それだと中華料理屋になっちゃいますね。

    担々麺 優劣白黒 つけがたし

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    汁なし担担麺 ピリリ
    東京都中央区日本橋人形町2-15-17 海老原ビル2F
    東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅から徒歩3分


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    【麺屋武蔵神山@神田】
    「神山一本焼豚麺」2,050円

     2009年に開店した、麺屋武蔵グループの一軒。麺屋武蔵は店ごとにスープの味やメニュー構成が異なる。神山の特徴は「蒲焼きチャーシュー」。豚バラ肉を長時間蒸して油を落とした上で、タレに浸けてからサラマンダーという焼き機に入れて仕上げるという事。この仕上がりが「鰻の蒲焼き」の製法に似ているという事で、その名前がついたという。その蒲焼きチャーシューをラーメンの上に一本丸ごと乗せたのがこのメニュー。

     豚骨魚介がしっかりしたスープに太麺を合わせていて、半熟味玉やメンマも乗っているが、正直、目にも舌にも抜群のインパクトを与えるのが、一本のチャーシュー。焼きたてでアツアツ、香ばしさをもってパリッとした食感が「蒲焼き風」でもある。醤油ダレを入れた別皿があるので、肉の中心部など、もう少し味付けがほしいと思った時にはそこにつけて食べ進められる。チャーシューがアツアツなので、スープに沈めておけばその温度も保たれて、最後まで一気に食べられた。値段を考えればしょっちゅう食べられるメニューではないが、肉好きなら一度は食べて損はないと思う。

    神っている アツアツ出来立て 肉の山

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    麺屋武蔵 神山
    東京都千代田区内神田3-8-7
    各線「神田」駅から徒歩2分


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    【BiaBia@東高円寺】
    「ローストトマトラーメン(しお)」900円

     2012年に開店して以降、人気を集めているラーメン店。イラン出身のご主人という経歴が話題を集めているが、そのご主人の気さくな接客と、お洒落な雰囲気の店内もあって、地元にしっかり根付いているお店になっている。イラン料理でお馴染みのゼレシュクを乗せた「BiaBia Specialラーメン」は前回食べたので、基本のラーメンにローストトマトをトッピングしたこのラーメンを注文。塩と醤油から選べるので塩味で。

     鳥取大山鶏の丸鶏を煮込んで、魚介系素材の出汁と合わせたスープは、いわゆる「淡麗系」の中でも滋味深く、クオリティの高いもの。胡麻の香りもプラスされていて後味が素晴らしい。国産小麦の自家製麺は細麺ながら力強さもある。味をしっかり染み込ませたチャーシューも楽しめるが、しっかりローストしたトマトの甘さとほのかな酸味が、スープと馴染むことで新たな味を楽しむことができる。

     季節ごとに入れ替わる限定メニューも楽しく、今年は初夏に冷やしグリーンカレーラーメンをいただいた。これもよかったので、機会があればぶらりと立ち寄り、その時の限定メニューも食べてみたい。

    楽しげな ご主人の腕 確かなり

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    BiaBia
    東京都杉並区高円寺南1-6-6
    東京メトロ丸ノ内線「東高円寺」駅から徒歩2分


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    【葉月@雪が谷大塚】
    「味玉らぁめん小」850円+「エビ辛」200円

     10年以上ご無沙汰してしまっていたので再訪。自分で満席になる人気ぶりは変わらず。つけ麺も人気だったし気になったけど、久々なので味玉らぁめんに、別皿で提供されるエビ辛を注文。麺量300gに思わず怯んでしまい、150gで100円引きになる小盛で。

     丸鶏を中心にした濃厚なスープには、負けないほど濃厚な魚介系の旨みがプラスされている。白醤油ベースのタレに、干しエビや貝柱などを加えているのも、旨みの増大に対応できている。そこに、デュラム小麦と国産小麦をブレンドした太麺が入るが、多加水でモチモチ、さらにガッチリした食感があってインパクトある後味を存分に感じられる。肩ロースを吊るし焼きしたチャーシューは、仕上げに炙っているのでアツアツで肉厚。かじり甲斐があるので満足度が高い。極太に切ったメンマは一週間塩抜きしてスープの味を邪魔せず、味玉は和風ダシと濃口醤油に2日間浸けた、地鶏の半熟玉子。

     別皿のエビ辛はハバネロを含んだ数種類の香辛料をブレンドしていて、少しずつ入れていくと辛味がぐんぐんと広がっていく。海老の香りと旨みも漂わせながら、麺をすっきりと食べさせてくれるエビ辛、これはいいですね。

     次回こそはつけめんを食べようと思いますが、他のメニューも気になりますね。

    麺啜る 音が厨房 響かせる

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    らぁめん 葉月
    東京都大田区雪谷大塚町11-8
    東急池上線「雪が谷大塚」駅から徒歩4分


    ■編集後記

     というわけで、今回のラーマガ増刊では25日に放送された「イチゲンさん ラーメン大王決定戦」で取り上げられた13軒のうち、過去のラーマガでレビューしていない10軒を紹介しました。今回のイチゲンさん出演については、ラーマガ108号の巻頭コラムでもまとめる予定ですので、よろしくお願いします。また、「ラーマガ」を気に入っていただいた方には、ご購読いただければ幸いです。


    1d12777c7c29bf73cd6d25efb0e1b67a4b35bee3山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。ぐるなび「メシコレ」キュレーター。「ラーメンwalker」百麺人。

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