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ラーメンレビュー 山本増刊39号
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ラーメンレビュー 山本増刊39号

2016-12-10 09:00

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    ■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です

     「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。

     今回は「新小麦スタンプラリー」参加の4軒をはじめ、期間限定品を計5軒を無料公開でレビュー。静岡遠征で残っていた4軒もレビューしました。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。

    □目次

    1.限定メニューレビュー

     ・二代目にゃがにゃが亭@三河島

    2.「新小麦スタンプラリー」レビュー

     <「レビュー増刊38号」で「マタドール」「魚露温麺凪」のレビューを無料公開
     ・饗くろ㐂@秋葉原
     ・えんや@王子
     ・ほうきぼし@赤羽
     ・ソラノイロ@半蔵門

    3.静岡遠征完全版

     <「ラーマガ106号」で「さすけ」「川しん」「清見そば」「八丸」のレビューを掲載
     <「ラーマガ107号」で「あまからや」「一匹の鯨」「弥栄」「佐伝」のレビューを掲載
     ・晴屋@菊川(朝から豚骨醤油ラーメン)
     ・伊駄天@静岡(静岡名物を名乗る唯一のラーメン)
     ・斉藤@静岡(ちょっと郊外の素朴な朝ラーメンの店)
     ・銀@沼津(「銕」の2号店は鶏白湯)


    1.限定メニューレビュー
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    【二代目にゃがにゃが亭@三河島】
    「しいたけそば」900円
    ※期間限定

     季節限定メニューが始まったと聞いていたが、なかなか伺えずにいた。そろそろ終了してしまうのでは?と焦りだして訪問。土曜昼過ぎでちょうど満席状態。「しいたけそば」の食券を購入。

     スープはネギ・豚バラ肉・メンマ・油揚げ、そしてたっぷりの椎茸で煮込まれて熱せられていて、青菜とナルトの彩りが嬉しい。このスープに椎茸が持つグアニル酸の旨みが溢れんばかりに含まれている。当初は椎茸で香油を作ってみたがあまりに旨味が強すぎ、マッシュルーム香油に変更したとの事。それでもスープ自体が持つ椎茸の旨みが具にも浸透していて、口にする度に驚くほどのインパクト。

     麺は冷やしで使う、中華そばよりもやや細いもの。啜るごとにスープの旨みを一気に引き上げてきて、鼻に届く香りも楽しい。チャーシューはないものの、「それがどうした」と言わんばかりの個性的な一杯。中華料理店で提供される椎茸そばとはひと味違う和風の香りを持ち、「自分が食べたいラーメンをメニューにしちゃいました」というご主人の言葉にも納得できる。

     期間限定との事だが、次の限定に使う「白菜」の値段が落ち着いてきたらそちらに移行したいとの事で、早めにチェックしておきたい一杯と思われる。

    グアニル酸 \ググっとググっと/ ラーメンに

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    二代目にゃがにゃが亭
    東京都荒川区荒川3-61-6
    JR常磐線「三河島」駅から徒歩2分


    2.「新小麦スタンプラリー」レビュー
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    【饗くろ㐂@秋葉原】
    「道産の雲呑そば」1,000円
    ※12/20まで、昼夜各10食限定

     「支那そばや」創業者の佐野実氏の足跡を追った「新小麦スタンプラリー」の参加店。平日夜の部開店25分前に並ぶと前3人。その後行列が伸び、開店時には20人以上が待っていた。週替わりの限定がある中でこちらの限定も提供しているので、900円の限定食券を購入して現金100円を渡す。週替わり限定を頼む人も結構いるが、こちらも負けない人気ぶり。

     北海道産の「春よ恋」と、それを使った「美彩粉」の新麦を合わせ、細麺に仕上げている。この麺が滑らかで小麦を香らせながら邪魔になる匂いはなく、グイグイと啜らせる力を持ったもの。スープは羅臼昆布と鮭節を使ってあっさりしつつじんわりとした旨みを湛えている。具には、やはり春よ恋で作ったワンタンの皮に、餡はホタテを使用。このワンタンが「ツルン」とした食感で一気に口の中に入り込んでくるが、噛みしめればホタテの旨みで飽きさせない。具はこの雲呑のみ。あとは薬味にアサツキが乗るだけというシンプルな構成で、麺・雲呑・スープのそれぞれの存在感が強調されている。あっさりした所に「くろ㐂」らしさを出しながら、素材の向こうに佐野実氏の笑顔が透けて見えるような一杯である。

    道産の 実りを丼 詰め込んで

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    饗 くろ㐂
    東京都千代田区神田和泉町2-15
    各線「秋葉原」「浅草橋」駅から徒歩7分


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    【えんや@王子】
    「新小麦100%麺の塩つけ麺」1,000円
    ※12/20まで、1日20食限定

     「新小麦スタンプラリー」参加店。開店直後に入店して、このメニューの食券を購入。前後のお客さんにこれを頼んでいる人はいなかったので、比較的遅い時間でも残っているかもしれない。

     こちらはスタンプラリー参加店の中で唯一の「つけ麺」での提供。「春よ恋」の新小麦を、平打ち麺の太ストレート麺に仕上げている。この麺が香りを立たせながら、しっかりした食感も残している。麺の丼には昆布と鮭節を使った出汁を敷いていて、まずは麺をそのままで啜ると、麺の食感と共に、昆布のとろみと鮭節のシャープな味付けが絡まって十分に食べ応えあるものに。もちろんその後は、魚介系スープに塩ダレを加えたつけ汁に浸けて、麺に感じる異なる美味しさを楽しめる。麺の上にはチャーシューと肉厚なワカメが乗り、辛みで食感を引き締めるネギの上には鮭節の粉が乗っていて、味と食感の変化で飽きずに食べられる。

     麺と具を食べたら、残った昆布と鮭節の出汁をつけ汁に入れてスープ割り。塩分が抑えられて飲みやすい味にまとめられている。新小麦を活かしながらつけ麺としての「らしさ」を楽しめた。

    昆布だし 小麦をとろみで 引き立てる

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    らーめん えんや
    東京都北区岸町1-1-10
    各線「王子」駅から徒歩1分


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    【ほうきぼし@赤羽】
    「シン中華そば」1,000円
    ※12/20まで、1日20食限定

     「新小麦スタンプラリー」参加店。今年4月に開店した「駅前店」は初訪問だが、この限定メニューを注文。なお、創業店の「志茂店」はこちらのオープン以来休業中。また、11月に開店した「茅ヶ崎店」でもこのメニューを販売している。平日だが正午前に入店したので、背広姿のサラリーマンのグループ客が多く、店頭に待ち客がいる盛況ぶりだった。

     「春よ恋」の新小麦を使った中太麺はモチモチした食感を出しながら力強く、独特の香りも立たせている。そこに使っている澄んだスープには、舌に昆布のとろみ、鼻に鮭節の香りを感じつつ、どこか懐かしさある「中華そば」の形は守っている。懐かしさの中にある新しさが、「中華そば」に対する「シン中華そば」という事なのかもしれません。具には大ぶりで厚いチャーシューに、メンマ、青菜、モヤシという組み合わせで、かつて食べたような一杯の見た目だが、スープに組み合わせた時の食感も新しいのかもしれない。

    中華そば 小麦香らせ シン骨頂

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    自家製麺 ほうきぼし 赤羽駅前店
    東京都北区赤羽南1-3-2
    JR東日本「赤羽」駅から徒歩2分


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    【ソラノイロ@半蔵門】
    「北海道の実麺~佐野実の食材を巡る旅~」1,200円
    ※12/20まで、昼15食夜10食限定

     別件で訪問したけど、残っていたらと狙っていた「新小麦スタンプラリー」参加メニューが13時でも残っていたので注文。その後1杯出て完売していました。

     「春よ恋」「北みのり」「ロイヤルストーン」といった道産の新小麦3種類をブレンドした麺は、小麦の存在感を立たせながら滑らかな食感もあり、これまで食べた「新小麦スタンプラリー」参加メニューとはひと味違うものになっている。スープは北海道天塩町の白貝を使った塩味で、すっきりした中に貝の旨味が存分に出ていて、物足りなさは全くない。具にはその白貝の他、布海苔、ワカメを乗せていて、それらのとろみが舌の印象に残り、やはり北海道産の軟白ねぎが、舌をリフレッシュさせながら、それ以上の辛さなどは残さない。

     完成度が高いだけでなく、滑らかな食感にはどことなく「支那そばや」っぽさも感じる。佐野さんの跡だけでなく、よりよい食材を探していこうとする姿勢も継いでいく意識を感じた。今後の限定でも、新しい食材と腕で食べ手を驚かせてほしい。

    食材は 北海道の 香り乗せ


    ソラノイロ japanese soup noodle free style
    東京都千代田区平河町1-3-10
    東京メトロ「半蔵門」「麹町」駅から徒歩4分


    3.静岡遠征完全版
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