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■「ラーマガ」本誌に載せきれない「ラーメンイベント速報スペシャル」です

 「ラーマガ」本誌は、10日ごとの発行なので、今回はこの3連休に見てきたラーメンイベントのレビューをこの号外で掲載します。今回は以下の3つのラーメンイベントと、15杯のレビューを掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。

・「大つけ麺博」第二陣(6杯)
・「町田ラーメン祭2014」(3杯)
・「つくばラーメンフェスタ2014」(6杯)

□目次

1.大つけ麺博第二陣レビュー

2.大つけ麺博第二陣:全6店レビュー
  肉玉そばおとど<昨年つけ博3位のプライド!>
  吉田商店<今年は佐野ラーメンを意識しつつ独自のつけ麺>
  Junk Story<関西若手の雄が鶏白湯煮干しで勝負>
  五ノ神水産<銀だらでダラダラいかせて>
  ストライク軒<大阪からの魔球はウイング麺>
  麺屋 菜々兵衛<北海道の味を実直に出してます>

3.町田ラーメン祭2014レビュー

4.町田ラーメン祭2014:3店舗レビュー
  麺匠佐蔵<安養寺味噌を東京へ!>
  とろぽたや<沼袋のとろとろ派!>
  鯵壱北條<小田原の味と鯵を広めたい!>

5.つくばラーメンフェスタ2014レビュー

6.つくばラーメンフェスタ2014:6店舗レビュー
  猪貴×ドラゴンラーメン×稲葉<茨城の濃厚味噌ラーメンコラボ!>
  喜元門×喜乃壺×華丸<茨城の人気店、鶏と煮干しと直火焼きコラボ!>
  渡なべ<東京の行列店が海老そばで、看板に店名を入れないワケは…?>
  活龍<つくばの福来ミカンを練り込んだ「福来麺」が堂々デビュー!>
  小五郎×ごう家<つくばの2軒がつくば鶏を鶏白湯スープで>
  東京スタイルみそらーめん ど・みそ<高品質の味噌をMAXスピードで!>

編集後記

1.大つけ麺博第二陣レビュー
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 歌舞伎町の「大つけ麺博」も、10月9日から第二陣スタート。第一陣は「レビュー増刊12号」で紹介しましたが、つけ麺博の概要としては以下の通りで変わりません。

・会場の「大久保公園」は、東京都新宿区歌舞伎町2-42-3
・毎週木曜日から水曜日まで、第一陣から第四陣が6店舗ずつ出店。
・営業時間は11:00~21:00(10/8、10/15、10/22は15時で終了)。
・全店共通の食券制。普通盛880円、女子盛(女性限定)800円。
・セブンイレブンの前売りは、普通盛だと830円になる。


 第一陣も第二陣も平日に見ているので、大きく混んではいない。ただ、メディアへの露出があったためか、第二陣の方がやや混んでいるようにも思える。第一陣に続いて、第二陣も週末に台風の心配が来てしまったのは残念だが、いずれも質の高いつけ麺になっていると思う。

 第二陣の6軒のつけ麺も、ラーメン仲間がやってきて皆でシェアしながら食べられたので、それぞれについて少し短めにレビューします。


2.大つけ麺博第二陣:全6店レビュー

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【肉玉そば おとど】
「濃厚旨辛鶏つけ麺」880円
※10月15日まで

 つけ麺専門店でないにも関わらず、昨年のつけ麺博で3位に入った事でつけ麺界隈を驚かせた店。今年は去年から味を変え、ベースはおとどで初の鶏白湯濃厚つけ汁。肉も鶏肉へ変更しているが、濃い目の味付けは共通している。麺の上には他に青ネギと、「ご当地つけ麺」という事で、千葉県産のピーナッツをたっぷりと。つけ汁はラー油を加えてピリ辛にできるが、辛味噌をトッピングして辛さを増した方が私の好みだった。つけ汁の中には卵黄も入っているので、中太のストレート麺をつけながら卵黄を崩してとろみを増しながら啜りこめばインパクトも増してくる。辛味噌を含めて具材が一気に増える「全部増し」もありかと。今年もまたしても「ごはんが進むつけ麺」だとは思うが、ライスはメニューにないので、ごはんを持ちこんでいる人がいるとか(笑)

鶏だって 濃厚な味で 押し進む

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【吉田商店】
「吉田流・佐野つけそば・牛モツの襲来!」880円
※10月15日まで

 栃木県小山市で人気のラーメン店。2年連続の登場だが、去年の濃厚系の逆を行き、今年は隣町の「佐野ラーメン」のモチーフにしたつけ麺。麺は佐野ラーメンをイメージした平打ちでぴろっとした食感。麺がくっつくことを防止する為、麺にスープをかけているとの事。つけ汁は豚・鶏・牛を合わせた澄んだスープ。具に熱した牛モツが入る事で、つけ汁に油脂が補足される。牛モツは佐野では煮込みで使われるそうだが、その使い方とは異なる新しいスタイル。つけ汁には更に唐辛子も入っている。佐野ラーメンのスープよりは塩分も感じるが、油や辛味がしっかりと加えられているので、しょっぱさが立つ事もなく、平打ち麺に相性よくのっかってきてくれる。スープ割りには「イカ天」が入るとの事なので、そちらの味の変化にも注目してみてほしい。

 地元の味を活かしながら、地元にない新しいスタイルのつけ麺になっているので、是非これはここで食べるしかない。あっさり好きなら、是非この一杯を楽しんでみてほしい。

佐野の味 モツを取り込み 新味へ

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【Junk Story】
「たまり醤油仕立ての煮干鶏白湯」880円
※10月15日まで

 若い店主が挑む、大阪市高津の行列店。大阪でも人気店という事があり、今回の行列は比較的長い。今回は濃厚な鶏白湯をベースに煮干ダシを加え、更に煮干粉をプラスしたつけ汁。溜まり醤油をタレに加えているので、鶏白湯のありきたりなイメージに染まらず、見た目には非常にシンプルだが、うずらの味玉はつけ汁の中に沈んでいる。焙煎胚芽を入れた麺はかなり太く、やや固めの茹で上がり。回転を上げる為に早めにあげているのかもしれないが、もう少し茹でてくれた方が私の好みには近いかな、という感じ。とはいえ、ブースの回転を見る限り、このペースより遅くなるのはイベントとしてはお客さんを待たせすぎない為に必要なのも分かるので、難しい所とは思う。

 レアめに仕上げたチャーシューが分厚くドーンと乗り、食べごたえがある一枚。トッピングで燻製チャーシューを乗せる事もできるそうなので、チャーシュー好みの人はそちらもオススメです。

若さから Junkで挑む 大東京

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【五ノ神水産】
「吟醸味噌つけ麺ぎんだら搾り」880円+「銀だらスペアリブ」200円
※10月15日まで

 昨年末の開店以来、強烈なインパクトを与えている魚白湯の人気店。「五ノ神製作所」時代に、らーナビ限定提供後に「大つけ麺博」でも販売した「つけ麺ぎんだら搾り」の印象も強いが、今回はその「ぎんだら搾り」に「味噌」を加えてやってきた。

 とはいえ、つけ汁にだけでなく、会場中に容赦なく漂わせているのがやはり「ぎんだら」の匂い。つけ汁にはそのインパクトだけでなく、酒粕の匂いもしっかり感じさせていて、甘みと深さが感じられる。軽く一味唐辛子が振られているが、味噌の力がもう少し前面に出ていてもよかったかも。

 全粒粉をブレンドした中太麺がぎんだらのインパクトをつけ汁からしっかり受け取っている。つけ汁には鶏肉が入り、麺の上に三角メンマとネギ、薬味のスペースにはガリが入っていて、つけ汁のインパクトをリフレッシュさせる効果をネギとガリで味わえる。

 トッピングで気になるのが「銀だらスペアリブ」。銀だらの実を、スペアリブのようにタレで焼き上げたスタイル。味付けが分かりやすくていいのだが、骨が取りづらくて身をほぐすのが大変でもある。

ぎんだらの 匂いを放つ 歌舞伎町

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【ストライク軒】
「NEOシンカー(進化系つけ麺)」880円
※10月15日まで

 大阪天神橋筋で新進気鋭の店。店舗ではスタンダードな「ストレート」と、貝でひねりを利かせた「シンカー」の2種類のラーメンを提供しているが、「初の東京遠征」と名付けた今回のつけ博では、「NEOシンカー」という新機軸のつけ麺で勝負をかける。いわゆる全部乗せトッピングを「グランドスラム」と名付けているが、その注文を受けるたびに「グランドスラム入りましたー」のコールが、会場内で響いている。

 まず驚くのは、「麺屋棣鄂」による、独特の切り歯による「ウイング麺」。太麺とも平麺とも違う形状で、つけ汁をその溝に入れ込んでいる。そしてつけ汁は、鶏と貝を使ったとろみがあるもの。貝のポタージュスープのようなオンリーワンの味。キャベツやパセリ、フライドオニオンがその味に深みを加えている。

 麺の上に乗った具は、まずは大きなハマグリが2つ。そして「肉球」と名付けられた鶏つくね。海苔の「緑」、カレー粉の「黄」、唐辛子の「赤」に色づけされているのは、野球場での「ボール」「ストライク」「アウト」表示をモチーフにしていて、笑いがこぼれてしまう。個性的な味ながら幅広い人に美味しく食べてもらえそうで、イベントならではの楽しさも持ちこんでいる。是非食べてみてほしい一杯。

大阪の ノリと味決め 真価出す

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【麺屋 菜々兵衛】
「つけめん」880円
※10月15日まで

 北海道でラーメンが人気の店だが私は未食。一番端のブースで長い列を作るようなことはなかったが、回転よくつけ麺を提供していた。メインは北海道小麦をつかった中太麺。軽く縮れて小麦の素朴な味わいを出している。つけ汁はアナウンスされている「鶏白湯」のイメージよりはあっさりしていて、鶏清湯に近い。そこに魚介スープや魚粉などを加えているのか、魚介のつぶつぶ感が感じられる。麺を邪魔しないつけダレなので、そのまま麺の力を感じ取りたい。

 具はつけ汁の中にチャーシューと穂先メンマ。こちらもスタンダードな味わいで、さまざまな形でインパクトを与えてくるイベントの中ではおとなしく感じてしまうかもしれないが、北海道産にこだわる姿勢を味わいたい。

この小麦 北海道の 風受けて

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3.町田ラーメン祭2014レビュー
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 今年から「町田ラーメン祭」が始まった。会場は「町田シバヒロ」。「どこだよ?」と思っていたら、移転した町田市役所の跡地で、町田第一小学校の隣。ラーメン的には、町田駅から「一番いちばん」に向かう手前、と言っておけば間違えない(笑)。多目的広場として芝生を植えていて「芝生広場」を略して「シバヒロ」らしい(笑)。

 第一部初日の11時に着くと20人くらいがチケット売場に並んでいた。チケットは当日券のみで800円。売場は現金扱いが3箇所と「suica」や「edy」などの電子マネー限定の売場が1箇所。特に案内されていないので時に混乱するかも。また、平日の昼の時点で「100円玉が不足しています」とアナウンスされていたので、銀行で両替できない週末は大変な事になるんじゃないかと心配になる。

e7c724ea27711e34723a27f1938bcc4466f62634 第一部4日間と第二部3日間で、全9店舗が入れ替わる。第一部は以下の9店舗。「店の味を提供する」がテーマらしい。

 ・(京都祇園)らぁ~めん京
 ・(杉並)世界の龍ちゃんよしき坊
 ・(小田原)鯵壱北條
 ・(町田)なんでんかんでん
 ・(松本)麺匠佐蔵
 ・(中野)とろぽたや
 ・(新潟見附)みそら
 ・(町田)ゴル麺
 ・(博多)長浜ナンバーワン

 気になったのは、写真のような店舗の並びで、チケットを買った側に5店舗、その裏側に4店舗が並んでいる事。

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 この状態だと、全店舗の込み具合を一瞥する事ができない。また、行列が長くなった時の並ばせ方も運営から指示がなかったので、本当に混んだら大変かもしれない。

 行列は、チケット売場に一番近い「らぁ~めん京」が比較的長め。あとは味噌味を出している「佐蔵」「みそら」が長かった。最初は「世界の龍ちゃんよしき坊」が並んでいたが、昼過ぎに「スープが切れたために一旦クローズします」とアナウンスされた後は、すぐに再開したようだがそこまでの行列ではなくなった。博多豚骨の「なんでんかんでん」「長浜ナンバーワン」は行列はほぼなし。というか、「なんでんかんでん」と修業元の「長浜ナンバーワン」が同時出店なんですね。あと「なんでんかんでん」の川原社長の姿は、初日の昼過ぎまではなかった模様。なお、第一部の出店店舗は主催者の「産経リテールプロモーション」が選び、第二部の出店店舗については、そこに出店するある店舗の店主が集めたという。

 客席は、テントの中に150席を用意。平日昼ごろで七割くらいは埋まっていたかと。テントの片隅に、ジュースやビールを売るコーナーが、主催者によって設けられています。ごみ箱はそこそこの大きさがありますが、スープを入れる容器が、他のイベントより小さくて、これも混んだ時に混乱しないか心配。

 運営側にイベント慣れいていない感じがあり、知名度のある店が更に増える第二部で混乱しないか少し心配もある。


4.町田ラーメン祭2014:3店舗レビュー

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【麺匠 佐蔵】
佐蔵味噌らぅめん(800円)
※10月13日まで

 2010年、松本に開店したラーメン店。佐久にある「七代目助屋」の姉妹店との事。つまり、かつて新宿に出店していた「三代目助屋」とも繋がりがある。「佐蔵」と書いて「さくら」と読むらしい。佐久市では、地元の「安養寺味噌」を使った味噌ラーメンをPRしているが、こちらの店でも安養寺味噌を使ったラーメンを提供しているそうで、店舗では色々なメニューがあるようだが、今回のイベントでは味噌ダレを濃厚豚骨スープを割った「佐蔵味噌らぅめん」で参加。

 濃厚だが匂いを控えめにした豚骨スープなので、味噌で割るとその存在感は結構抑えられる。細麺なのでするすると食べられるが、もう少し安養寺味噌の特徴が分かりやすく出てもいいのかな、とも思える。それだけに、肉味噌を軽く乗せているのはいい感じ。この肉味噌を増せるようにしてもいいのかもしれない。メンマの量が多く、チャーシューも大きく分厚いのは「三代目助屋」を思い出させるもの。値段なりの存在感はあるラーメンにまとまっていると思う。

信州の 味噌で咲けるか 味の華

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【とろぽたや】
和風とろぽたらーめん(800円)
※10月13日まで

 東京中野区、沼袋にあるラーメン店。じゃがいもや玉ネギをたっぷり使ったベジポタスープのラーメン店で、「洋風」「和風」の2種類が基本メニューになっている。今回は鰹節ベースの出汁を加えた「和風とろぽたらーめん」で提供とのこと。ベジポタのイメージが湧きづらいのか、裏側にある場所の不利からか、あまり混んではいなかった。
 とろっとしたスープだが、油脂由来のこってり感はあまりしないので、あまり胃に響かないスープ。太麺の存在感もスープに負けていない。具には大きく炙ったチャーシューが2枚、青菜にシメジが加わり、辛味もあってちょっと味変もできる。一杯まるごと食べるとさすがにボリュームを感じるが、二人でシェアしながらだったのでそこまで飽きる事はなかった。そういう意味では、ラーメンイベント向きのラーメンとも言える。

ラーメンに とろぽたの味 たっぷりと
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【鯵壱北條】
小田原ラーメン(800円)
※10月13日まで

 小田原で、地元の名産を集めた「小田原ラーメン」を提唱しているラーメン店。豚骨をメインにした濁りあるスープに、小田原の「鯵の干物」をベースにしたスープを加えている様子。あっさりめのスープに太麺をあわせている。スープには胡麻を多めにかけていて、トッピングは野菜や生姜、チャーシューに多めのネギ、そして、何故か「柿」の絵柄が描かれた蒲鉾が加えられている。
 蒲鉾は小田原名産だし、野菜なども小田原産を極力使っているのだとは思う。ただ、それでもそこはかとなく感じる違和感は、このラーメンがどこかチグハグに感じられるからかもしれない。鯵がもう少し強ければとも思うが。
 私はこちらの本店で食べた事があるが、そちらでは地元名産の木桶を丼につかい、梅ゆかりをつけるようにしている。それらの内容が「鯵麺八策」として暖簾に飾られているが、それが守られていない一杯が出てくると、ちょっとテンション下がるかな。

鯵出して いっそ小田急で 上り線
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5.つくばラーメンフェスタ2014レビュー

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 今年で3回目になる「つくばラーメンフェスタ」。会場は第一回目を開催した「研究学園駅前公園」に戻ってきた。ラーメンは一杯750円で、セブンイレブンでは前売券を13日(祝)15時まで販売との事(朝一番でブースに並びたい人には必須)。地元5ブースと、東京から3ブース、他に3ブースで11ブースになっている。その並びは以下の通り、地元ブースと全国ブースが交互になっている。

 (1)(富山)麺家いろは
 (2)(茨城)猪貴×ドラゴンラーメン×稲葉
 (3)(滋賀)ラーメンにっこう
 (4)(茨城)喜元門×喜乃壺×華丸
 (5)(東京)渡なべ
 (6)(茨城)活龍
 (7)(東京)麺屋 宗
 (8)(茨城)てらっちょ
 (9)(姫路)ずんどう屋
 (10)(茨城)小五郎×ごう家
 (11)(東京)東京スタイルみそらーめん ど・みそ
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 初日の開始30分前に会場に着いたが、既に一番人気の「喜元門コラボ」に20人以上並んでいて、慌ててそちらの列に並ぶことに。このコラボの3軒は地元でも人気ある店が多いので、予想してはいたがそれ以上の行列ができ、10時の開始時点で100人以上の並びに。その後も行列が伸びるブースが多く、かなり混雑しました。「つくば」は確かに人気あるイベントだが、今回の集客は予想以上。
 可能性として考えられるのは「台風19号接近の予報」。3日目にかけて天気が崩れる事が予想され、早いうちに食べておこうという意識が働いたのかもしれない。
 逆に考えると、2日目の12日(日)と、3日目の13日(祝)は行列が少なくなる可能性もある。今の所、12日は何とか雨は降らなさそうなので狙い目かと思われます。会場は、秋葉原からも50分で着くつくばエクスプレス「研究学園」駅前で、駐車場も1000台分が無料開放されている。ラーメンイベントでも屈指の交通の便の良さ。テントには客席が800席ほど用意されている。気軽に行けてステージイベントや物産販売も豊富なので、私からもオススメです。


【猪貴×ドラゴンラーメン×稲葉】
「濃厚味噌ラーメン」(750円)+全部乗せトッピング
※10月13日まで
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 土浦の「猪貴」、下妻の「ドラゴンヌードル」、古河の「稲葉」。県内の人気店3軒のコラボ。3軒の味をブレンドしつつ、濃厚スープに数種類の味噌をブレンドしたラーメンを提供。3日間でそれぞれの店がメインを交代するそうで、初日は「猪貴」による、菅野製麺の麺を使って海老油のトッピングがメニューに加わっている。
 挽肉や味玉、そして鶏肉がたっぷり乗って、刻み玉ネギでさっぱりさせつつも、やはりインパクト抜群だったのは濃厚な味噌の味。太麺も食べごたえが十二分にあった。
 気になったのは回転の悪さ。開店時という事もあり、麺茹でと盛り付けを一人で担当していて、ラーメンを出し終えてから次ロットの麺を入れていたという。そこらへんはもっと体制を整えてから臨んでほしかったとも思う。

味噌で押す 濃厚な味 トリオにし

【喜元門×喜乃壺×華丸】
「鶏煮干ラーメン」(750円)+特得盛(300円)
※10月13日まで
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 つくばの人気店「喜元門」と「喜乃壺」と、小美玉市の「華丸」の3軒がコラボ。スープは「華丸」の軍鶏スープと「喜元門」の三段仕込み煮干スープをブレンド。麺は「喜元門」による、ハルユタカの細麺。具には「喜乃壺」の直火焼きチャーシューを組み合わせている。「特得盛」では、「華丸」の鶏チャーシューとつくね、「喜元門」の味玉も加わっている。そんな豪華なラインナップなので開店前から大勢の人が並んだ。麺をすぐ茹で上がる細麺にした他、具の盛り付け作業を分担した事によって、物凄いスピードで提供されていて、初日だけで1300杯以上のラーメンを販売したという。
 煮干をしっかり感じながらその旨みに尖った所がなく、軍鶏ダシも加わった事でじんわりと飲みやすい味にまとめられていた。そこに細麺がたおやかに入り、様々な具の味付けも丁寧で美味しい。非常にクオリティの高いラーメンで、イベント限定なのがもったいないほど。今回の「つくばラーメンフェスタ」で、是非食べてみてほしい一杯です。

期限付き 壺はまる味 花マルです
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【渡なべ】
「鶏海老ラーメン」(750円)+味付玉子
※10月13日まで
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 高田馬場の人気店だが、今回のイベントでは通常メニューと異なる、「海老」を全面に出した一杯を提供している。スープは軽い動物系に、たっぷりの海老ダシと海老油をかけることで、風味と旨味がかなり海老っぽい一杯に。海老の味をしっかりと出しているが、決してスープが弱いわけでもない。驚いたのは麺が細めの平麺だった事。これはやはり回転を意識したものらしく、相当早いスピードで行列をさばいていたが、それでも「厨房の大きさが他のイベントより少し小さくて、スタッフが動くには多少不便がある」と渡辺樹庵氏が語ってくれた。
 ついでに気になったもう一つの事を渡辺樹庵氏に聞いてみた。店頭の看板が「鶏海老」と商品写真だけで、店名すら入っていないのだ。イベントに出店すると、看板に店主の顔を出しても売上には繋がらない。一番大事なのは「商品写真」だと思って大きくしていたら、店名がなくても影響がないとの事だった。確かに店舗が一列に並んでいる以上、店名よりも商品名が大事だとは分かるが、それにしても思い切った事をするなぁ。

イベントは 名にこだわらず 味を取る
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【活龍】
「鯛だし福来そば」(750円)
※10月13日まで
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 つくばの人気店「活龍」だが、今回は新作の「福来麺(ふくれめん)」を引っ提げての登場。これは、つくば市が特産物として売り込みを目指す「福来みかん」の皮を乾燥させた「陳皮」を麺に練り込んだもの。柚子を使ったラーメンやつけめんが多い事から、柑橘類はラーメンと相性がよいはず、という思いで開発したとの事。
 驚くのは、麺にたっぷりと陳皮が練り込まれている、というより、陳皮ごと啜っているような麺であること。「福来みかん」はこの皮を食べる事も可能なみかんとの事なので、一般的な陳皮よりも自然な味わいだが、それでもしっかり自己主張している。
 今回特製麺にあわせたのは、鯛煮干しを使ってあっさり芳醇に仕上げた「鯛だしスープ」。シンプルな味で麺の個性を引き立てている。薬味には紫玉ネギと三つ葉でしっかりと引き締め、具には太メンマと国産豚の窯焼きチャーシューを乗せる事で味わいを加えている。麺・スープ・具と、それぞれに異なるインパクトがあってしっかり美味しい。
 今後、福来麺を使った限定を店舗で出すそうで、まずは「スーラータンメン」を予定しているとの事。確かに、スーラータンメンに柑橘のさっぱり感と甘みは相性よさそう。この独特な麺の今後に注目したい。

柑橘で つくばの麓に 福来たる
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【小五郎×ごう家】
「濃厚鶏白湯ラーメン」(750円)+岩のり(150円)+鶏つくね(100円)
※10月13日まで
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 「つくばラーメンフェスタ」の常連「麺や小五郎」が、今年はやはり市内の「ごう家」とコラボ。時折並んでいる人も増えるが、テンポよく提供を続けていた為か、行列はやや短め。つくば鶏を使った濃厚鶏白湯スープを使ったラーメンを提供。しっかり白濁したスープに細麺を入れて、具にはチャーシュー、メンマとシンプルながら力強いものにまとめている。
 トッピングで追加したのは、宮城県の「岩のり」と、つくば鶏を使った「鶏つくね」2個。鶏白湯に岩のりの相性がよいのは、他の鶏白湯ラーメンでも実証されているが、鶏白湯の時としてまったりして口飽きしてしまう恐れを、岩のりの食感と磯の香りで抑えてくれている。鶏つくねは味付けがシンプルな分、鶏白湯スープに馴染んでくれて、コリコリした食感も嬉しい。最近では珍しくはない味だが、つくば鶏の実力も感じ取ることができて後味もよかった一杯でした。

鶏出汁に つくばの誇り ブレンドし
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【東京スタイルみそらーめん ど・みそ】
「味噌ラーメン」(750円)
※10月13日まで
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 東京で「味噌ラーメン」といえば、で名前が挙がる店。今回も基本的には店舗で提供している味噌ラーメンをベースにしていると思われる。濃厚な味噌の味に背脂でまろやかさをプラスし、太麺にはタピオカ粉もブレンドして、のびにくい麺にしている事もイベントにはちょうどよい。モヤシやニラ、コーンを乗せて海苔を立てかけている。店のラーメンと大きく異なるのは、チャーシューではなく豚バラ肉煮を乗せている事。これがラーメンに適度な脂分を加えさせる他、肉らしさを楽しませてくれて好印象。これは「ど・みそ」店舗のラーメンでも食べてみたくなる。
 驚いたのは、とにかく早い提供スピード。斎藤店主の指揮の元、行列がどんどんと流れていく。大量の人が押し寄せるイベントでは、何より提供スピードが評判の大きな部分を占める。もちろん品質が第一だが、そこもしっかりしているから問題ない。求められる物を求められるスピードで提供する、そこに「ど・みそ」の真価を見た気がする。

待たせずに 美味しいラーメン 出せるミソ
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■編集後記
 ラーメンイベントは、規模も目的もそれぞれ。今回、3日連続で「大つけ麺博」「町田ラーメン祭」「つくばラーメンフェスタ」を巡ってみて、「いろいろあるんだなぁ」と新鮮な気持ちになった。この3つ以外にも全国各地でラーメンイベントが行われているそうなので、皆さんも是非ラーメンイベントへ。そして、日本最大規模のラーメンイベント「東京ラーメンショー」への期待も高めたいと思います。

1d12777c7c29bf73cd6d25efb0e1b67a4b35bee3山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。ラーメンwalker「百麺人」。