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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#048

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2015年1月30日発行(月3回)1月第3号(通刊 第49号)

【目次】

■巻頭コラム
 「ラーメンの定義とは」(山路力也)

□クロスレビュー「必食の一杯」
 支那ソバ 小むろ@行徳「チャーシューワンタンメン」

■ラーメン実食レビュー

【北島秀一】
  中華料理 喜楽@大森「ラーメン」

【山路力也】
  神楽坂 料理やま本@神楽坂「担々麺」
  中華蕎麦 きみの@飯田橋「塩(少なめ)」
  麺屋武蔵 芝浦@田町「芝辛つけ麺」
  横浜家系らーめん 二代目武道家@中野「ラーメン」
  横浜ラーメン 末広家@本千葉「ラーメン海苔増し玉子」
  らー麺 にしかわ@鎌取「とんこつしょうゆラーメン」
  IPPUDO TAO FUKUOKA@天神「TAO豚骨+チーズ」

【山本剛志】
  チラナイサクラ@御徒町「冬野菜蟹味噌アンチョビソースの味噌バターラーメン」
  巌哲@早稲田「鴨蒸籠」
  417@佐野「らーめん」
  麺や偶@浦添市「のりと半熟玉子」
  高江州そば@浦添市「ゆしどうふそば小」
  通堂@小禄「辛みそおとこ味」
  三竹寿@古島「つけめん」

□拉麺人インタビュー 
 知見芳典<麺屋棣鄂 社長>③
 『まだまだ「製麺道の道半ば」なんです』(聞き手 山路力也)

■異論激論!
 『老舗の魅力』

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
「ラーメンの定義とは」山路力也

 ラーメンの明確な定義がないままに一世紀が経ってしまった。中華麺を使っていればラーメンなのかと思いきや、無鹹水麺であっても蕎麦粉を配合していてもラーメンであるという。ならば動物系素材を用いているのがラーメンかと思えば、魚介のみであったり、完全ベジタリアン対応のラーメンもあるという。麺がスープに浸かっていたらラーメンなのかと思ったら、麺とスープを別にしたつけ麺もラーメンの一ジャンルだという。ならば麺とスープがあればラーメンなのかと思えば、スープのないまぜそばすらラーメンだという。定義が無いことをいい事にやりたい放題だ。

 私がやっているインターネット番組「Tokyo Raumen On Air」で、渡なべ店主の渡辺樹庵氏が「ラーメン屋が店で出せばラーメン」という明快な定義を一つ提示した。これに全面的に同意するものではないが、おおよその解釈としてはそうなのだろうと思う。さらに翻訳するならば「ラーメン屋がラーメンと言えばラーメン」とでも言おうか。それはフォークシンガーの松山千春がロック調の「長い夜」を歌った時に「俺はフォークだ」と言い切ったように。「これはラーメンだ」と言えばラーメンというのは一理ある。

 色々な考え方があると思うが、私の考えとしてはラーメンの誕生以前に存在している麺料理をラーメンと呼ぶのはおかしいと思うし、ラーメンが祖だとしても違う名称と食文化によって認知されているものはラーメンの範疇に加えるべきではないと考える。例えば「長崎ちゃんぽん」「沖縄そば」などは自らをちゃんぽん、沖縄そばと名乗っているわけで、それらをラーメンとして括るのには無理がある。そして私個人の考えとしては「つけ麺」も「まぜそば」もラーメンではない。

 そう考えると、少なくとも私の頭の中のラーメンの定義としては、あくまでも汁そばであり、自らをラーメンと名乗っていたらラーメンだ。それが仮にイタリアンのお店がスープパスタを「ラーメン」だと自ら名乗っていたとしても。しかし逆にイタリアンが出しているスープパスタをラーメン側から「あれもラーメンだ」というのはかなり乱暴な話だ。

 ラーメンの明確な定義がないままに一世紀が経ってしまった。しかし、日本の麺料理の先駆ともいえる「うどん」は、やはり中国由来の食べ物を日本が独自に進化させたものだが、臨済宗の僧である円爾がうどんの文化を宋から持ち帰ったのは今から800年近くも昔の話。明確な定義付けなどをするにはたかが100年ではサンプルが少ないのかも知れない。ラーメン文化はまだまだ始まったばかりなのだ。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は昨年11月、行徳にオープンした新店『支那ソバ 小むろ』の「チャーシューワンタンメン」を山路と山本が食べて、語ります。

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支那ソバ 小むろ@行徳
「チャーシューワンタンメン」1,100円