北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■ラーメン活動月報(9月)
□告知スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『なぜ糖質制限をするのか?』山路力也
9月6日より糖質制限をしている。これは医者から指示されたりというわけではなく、体重を落とすことが目的である。ラーメンを食べ歩くようになって17年。17年前から較べて、最大時には35kgも増えてしまったことがあった。その時にこれは真剣に計画的に体重を落とさなければならないと決めて、糖質制限を取り入れたのである。体重を落とすには摂取カロリーを抑制したり、運動して消費カロリーを増やしたり、色々な方法があるが、私の場合は色々試した結果、糖質制限が合っていたので数年前から時々やっている。
太るメカニズムは至って簡単で、摂取カロリーよりも消費カロリーが多ければいい。糖質制限の場合は、体内で体脂肪などを燃焼しやすい身体にするため、運動をしなくてもカロリー消費量が上がるという仕組みらしい。さらに余計な脂肪を溜めることがない。だから、カロリーに関しては基本気にしなくても問題無く、夜中に焼肉をお腹一杯食べても翌日体重が減る。
細かな糖質制限の方法については調べて頂ければすぐに出て来ると思うが、単純に言えば糖質を摂らなければ良い。糖質とは分かりやすくいえば「炭水化物」「甘い物」と捉えてほとんど間違いない。厳密には「炭水化物」は「糖質」と「食物繊維」を合わせたものなので、炭水化物の中でも食物繊維は摂取しても構わないのだが、概ね皆が思っている炭水化物とは米とかパン、麺などの主食であろうから、それは糖質そのものなので炭水化物や甘い物をカットすると考えて差し支えない。無論、お酒も日本酒やビール、ワインなどは飲めない。焼酎やウィスキーなどの蒸留酒は糖質をさほど含まないので飲む事が出来る。
そうなるとラーメンは糖質が多いのでは?という疑問が出るだろう。その通り、ラーメンには糖質が非常に多く含まれている。だから糖質制限期間中はラーメンを食べることが出来ない。どうしても食べたい時は麺を少なめにして(あるいは残して)、夜ではなく昼に食べると良い。私はラーメンを食べなくてもさほど禁断症状が出る人間ではないので、この3週間でしっかりと食べたラーメンは4杯(うちミニラーメン1杯)である。スープはもちろん飲み干さない。ラーメンのスープには塩分が非常に多く含まれているからだ。
なぜそこまでして体重を落としたいか。単純には35kgも太っちゃぁまずかろう、という思いからであるが、やはり体重を落とすことで身体の色々な部分での不具合は大概クリアになってしまうからである。中性脂肪やコレステロールはもちろんのこと、血糖値や尿酸値、その他諸々の数字がほとんど下がる。毎年の健康診断の数字がそれを物語っている。まぁ分かりやすくいえばデブでいい事は何一つないのだ。だから私は糖質制限を年に何度か挟み込む。ラーメン評論家がラーメンを食わなくてどうする、という意見も分からなくはないが、何年もレコードを出さない歌手もいれば、リハビリで試合に出ない野球選手もいるのと同じだと考えて頂けると有り難い。
しかしこれはあくまでも私のスタイルであって、毎日ラーメンを食べてその分運動するのでもいいだろう。ただ間違い無く言えることは、健康な身体があってこそラーメンを美味しく食べられるのだ、ということ。私はラーメンに限らず、いつまでも美味しいものを好きなように食べていたい。いつまでも美味しいラーメンを食べられる身体でいたいから、敢えてラーメンを我慢して糖質制限に勤しむのだ。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今年4月、市川にオープンした新店「らー麺N」の「N麺」を山路と山本が食べて、語ります。
「N麺(醤油)」680円