北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
東京 大八車@桜新町「中濃にぼし麺」
■侃々諤々!
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「クリスマスとお正月」(山路力也)
今年も残す所あとわずか。毎年この時期になると、クリスマスをテーマにしたラーメンを出す店が多い。どこもたいてい分かりやすいイメージで、スープやチャーシューは鶏だったりターキーだったり、タレは塩、ビジュアルも可愛らしく仕上げてくる。そして年末に向けては年の瀬ラーメンや年越しラーメン、年が明けたら正月をテーマにした特別なラーメンを出すのが一般的になって来た。
「おせちもいいけどカレーもね」ではないが、かつて日本人は大晦日には蕎麦を食べ、正月はお節料理を食べていた。もちろん今も大半の人は食べているのだろうけれど、昔に比べて今は元日からスーパーやデパート、レストランは開いているし、三が日はお節しか食べられないという時代ではなくなった。さらには昔ほどの季節感を重視する傾向も少なくなっているので、クリスマスに寿司も食べるだろうし、大晦日にラーメンを食べることも当たり前になっているように感じる。
ラーメン好きの方が読んで下さっているこの場で言うのもなんだが、私はクリスマスにはラーメンを食べないようにしてきた。そして正月三が日にもラーメンは食べない。それは日頃ラーメンばかり食べているのだから、そんな時くらいはラーメンから離れましょうよ、という意思表示だったりする。
古い人間でもあるので、やはりクリスマスシーズンにはちょっと気取ったフレンチかどこかで夜景を眺めながら食事したいし、大晦日には紅白を観ながら年越し蕎麦をすすりたいし、お正月はお雑煮とお節料理をつまみたい。そして三が日のうちに、今年最初のラーメンはどこにしようかな、などと考えるのが楽しかったりするのだ。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は池袋の「石神秀幸厳選 極み麺selection」に期間限定でオープンした「富山えびすこ」の「富山ブラック 元味」を山路と山本が食べて、語ります。
「富山ブラック 元味」780円