北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■連載コラム(第22回)
『ラーメンの憂鬱』〜製麺所が変わる店(山路力也)
『教養としてのラーメン』〜南九州のご当地ラーメン(山本剛志)
□告知スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「3.11に思う」山路力也
今年も3月11日がやって来ました。東日本大震災から5年。東北から離れた関東で暮らしていると、日常に追われてつい忘れてしまいがちですが、今もなお多くの方が避難所での生活を余儀なくされ、復興への道のりはまだまだ長く険しい状況であることに変わりはありません。
昨年、震災の年から4年ぶりに宮城県気仙沼市に入りました。津波の被害が大きかった港の近くは、以前と違って道なども整備され、その復興ぶりには驚かされましたが、同時にまだ区画割りが出来た程度で、ここから土地の量上げをしたりまだまだ街並が出来上がるのには時間がかかるのだろうなとも感じました。
震災直後よりラーメン店の皆さんが被災地に入って炊き出しなどをして、今も定期的に東北へ向かっているラーメン店の方たちがたくさんいます。被災地のことを考えるとき、いつもラーメンのことを思い出し、ラーメンの持つ力を感じます。
一日も早く震災前の日常が戻りますように。まったく同じにはならないのでしょうし、あの記憶が消えることもないのでしょうが、少なくともこれからのことに対する不安がなくなり笑顔が戻りますように。その為にもあの時に私たちが感じた思いを忘れることなく、これからも東北の復興を願って過ごしていきたいと考えています。
今回「Yahoo!ニュース」と「All About」にて、気仙沼「かもめ食堂」についての文章を寄稿しました。同じ方向性の内容ではありますが、それぞれ別の文章になっていますので、もしよろしかったらご覧下さいませ。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は茂原に3月オープンした注目の新店「中華そば 鷸」の「中華そば」を、山路と山本が食べて、語ります。