ニコニコ連載小説 『B→ing!!!!』 第三幕 エミリア 1
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ニコニコ連載小説 『B→ing!!!!』 第三幕 エミリア 1

2014-12-14 18:47
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 軍神の剣は、ネレザリアの凶刃との対決に備えた部隊だ。当然、それは、育成部隊である軍神の子も同じことだ。

 だからきっと、僕達の日々は、その為に使われるべきなんだとは、確かに思う。

 けど、僕達だって人間なんだ――

「まー、確かに美人だな、うん」

「美人さんですねー」

「そうなのか?」

 そう、彼女は美人だ。シゲンのように、特殊な感性をしている男子を除く、健全な男子全てが、彼女を美人と答える。僕はそう思う、うん。

「ただ性格が、な……」

「んー? そんなことはないと思いますけど?」 

「そうなのか?」

「サリアっちとはまた違っためんどくささというか、クソ真面目つうか……」

「それはグレイが不真面目だから――」

「いやいやいや、いくらなんでもプライベートにまで口出すのはおかしいだろ!」

「そうなのか?」

「シゲンは少し黙っててくんねえかなっ!?

 彼女を言い表すなら、品行方正で曲がったことが大嫌い。そんな人だ。

「完全休養日くらい、街で遊んだって――」

「――街で女の子に声をかけて遊びに、が正解ですよね」

「い、いいじゃねえかよ! 俺ら、若いんだぜ? 女の子とイチャイチャしたいだろうがっ!  なー、レイル、シゲン!」 

「……イチャイチャ?」

「すまん……シゲンに聞いた俺が馬鹿だった」

 首を傾げ、不思議そうな表情のシゲンの姿に呆れた様子のグレイがこちらに顔を向ける。答えろってこと、だよね。んー……女の子とイチャイチャか。

 僕がイチャイチャしたい女の子……それは当然――

「ぼ、僕は、よく知らない女の子はちょっと……」

「まあ、おまえはエミリアが――」

「――ちょ、ちょっとグレイ、こんなところでっ!?

 僕は慌ててグレイの口を塞ぐ! すす、すんごい焦ったんだけどっ!?

 ま、まままま、まったく! 何を言い出すんだグレイはっ!?

 そ、そりゃあ、エミリアさんは、すごく綺麗で、凛々しくて、誰にでも優しくて、すごく努力家だけどそれを表に出すようなことはなくて。でも、時々見てるのが苦しくなるくらい強がってて……そ、そんな彼女を支えてあげられたらいいなって思うけど、そんなこと無理だよね、うん。そ、そう、僕みたいな奴じゃ、エミリアさんに釣り合うわけないんだ……はあ、僕がもっと強くて男らしくて頼りがいがあったらな――

「はあ……僕はどうしたらいいんだろ……」

「ちょ、ちょっと、レイル!?

「どうした、悩みごとか?」

「うん、実は――」

「んんんんんんんっ!?


 ジョルジュが妙に慌てていることに気づいたのは、僕に口を塞がれているグレイが、白目を剥いていることに気づいたのと同時だった。


 ナレージ軍術都市。通称ナレージ。

 ラルド皇国第一の都市である皇都ラルガルドに次ぐ規模の都市であり、対帝国におけるライフラインだ。戦時中の今であれば、皇都以上に重要な拠点なんだというのは誰でもわかる。

 だからこそナレージは、皇国軍の、実に三分の一に相当する戦力――ナレージ駐屯兵団を有している、と言われてる。

 僅か半刻――騎馬ならすぐさま要塞へ到着できる位置に存在しているからこそ、都市内に駐屯、兵の錬度を高め、有事に備えている、そうだ。

 ひとたび帝国軍による要塞への侵攻が発生した場合、要塞からの伝達狼煙によって、すかさずナレージ駐屯兵団に伝達、即時出撃することで、帝国の侵攻を、いまなお要塞以降のラルドの地へと踏ませたことがない、らしい。

「――なぜ、言葉尻があやふやなんだ?」

「いやだって、ねえ?」

 気絶したグレイを、同小隊員であるジョルジュに任せた僕らは、ルニスに頼まれたお使いを済ませるため、ナレージ中央市場へとやってきた。

 その賑わいは、とても活気があり、とても――

「有事の際には、ここの人たち全員が出撃するとか、想像つかないじゃないか」

 そうなんだ。

 実は、ナレージ駐屯兵団とは、闘えない女子供を除く、ナレージに暮らす人たち全員らしいんだ。

 そして、なんで僕が、シゲンに対して、ここまであやふやな説明しかできないか。

 理由は簡単。

「ここ数年、帝国との戦場はアルワナ大平原だけだからね」

 ナレージ駐屯兵団が動くのは、あくまでもデルウィス要塞が、直接襲われた場合にのみ。

 つまり、アルワナ大平原での主導権争いに、ナレージ駐屯兵団は一切参加しない、ということなんだ。

 だから僕らは、彼らが出撃するところを見たことがない、そういうわけなんだ。

「これで全部か?」

「えーと、ちょっと待ってて……」

 それにしても、ルニス、ちょっと買いすぎなんじゃないかな?

 小サイズの吸魔石が30個、中サイズが5個、大サイズが1個。ちなみにこれだけで、大人二人がかりで運ぶような重装歩兵の特注全身鎧一式――3着分くらい……重すぎるっ!?

 さらに魔導器製作過程でできる、吸魔石の粉を小さな子供くらいの大きさの麻袋を3袋。全身鎧1着分追加されましたっ!?

 その他にも、魔導器作成、魔術書作成に必要な備品類を山のように頼まれたんだ、文字通りの山になってます、笑えないっ!?

「……よし! 全部あるよ、シゲン」

「わかった、では、いつも通りだな?」

 そういうとシゲンは、その荷車の後方へと回りこむ。そして僕は、定位置、つまりは前方へと移る。

 通常の荷車では、これほどの重さに、各部位が絶対に耐えられない。だから、この重さに耐えられるこれは、通常の荷車じゃない。そう、こいつこそは、ルニス製魔導大荷車。

 その名もユニコーン3号! 1号と2号は、今回のように荷物を運んでいる最中に大破しました! 実際こいつの性能はすごい。このありえない重量の荷物をしっかり支えているんだから。

 ちなみに、こいつも一応魔導器だから、魔導士である僕が制御する。起動は荷車前方に突出したバーで行なう。だから、僕が前方、シゲンが後ろから押して進むってわけ。

「さ、いこうかシゲン――」

「――相変わらずスゴイ荷物ね」

 こ、この声は!

「いくら安くなるからって、レイル君達に運ばせることないのに。本当にルニスは――」

 腰まで流れる、光が反射してキラキラしている黄金の髪と、よく鍛えられ均整の取れてい身体。そんな彼女から放たれるそれは、聴く者の意識をバッチリ覚醒させる凜とした声。その声を放つ瑞々しい唇。その瑞々しさを引き立たせるスッキリした鼻立ち。

 そして、強い意思を感じさせる碧い瞳。その眼を見た瞬間、僕の心はなんだかフワフワしてきた。

 そう、今僕達の前に現れた彼女こそ、グレイやジョルジュが所属しているガーネット小隊の隊長にして、メルヴェールの天童と呼ばれている才女。


 エミリア・ガーネット。僕が大好きな女の子だ。




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エミリア金髪碧眼いいのぉ絶対かわいい( ´͈ ᵕ `͈ )
62ヶ月前
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>>1
かわいいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお_| ̄| Σ・∴'、-=≡(´◉◞౪◟◉)
62ヶ月前
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これアニメ化されねーかな?

どの漫画家に書いてもらいたいかなぁ、と考えるとワクワクするね
60ヶ月前
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>>3
いいね~(「`◉◞౪◟◉´)「

アニメにしても漫画にしても、アクション重視かつ女の子がかわいければOK!(ゝω・´★)b
60ヶ月前
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