• 【しおーる雑記03】音源レビュー BENEATH THE MASSACRE/Fearmonger

    2020-10-04 23:44
    BENEATH THE MASSACREの新譜レビュー!

    BENEATH THE MASSACRE/Fearmonger



    カナダの大自然が生んだ驚異のテクニカルデスメタルバンド、なんと前作から8年ぶりという4thフル。

    すぐに耳を惹くのが非常に密度の高い怒涛の如く押し寄せる音の波。スウィープ、タッピングを駆使した流麗なフレーズ、単音リフと単音トレモロを複雑に組み合わせ、時にはストップ&ゴーを見せたかと思えば落とすところはしっかり落とす。エクストリームメタルに要求されるほとんどの表現が盛り込まれていると言っても過言ではありません。
    ヴォーカルは基本的に低音の吐き捨てオンリーですが、ガツガツとテンポよく言葉数多く吐き出していくので非常に爽快です。
    ドラムはブラストやスラッシュビート、スローミドルをもれなくぶち込んでいてとにかく多彩。例えばブラストひとつ取っても4、5種類くらい叩き分けていて(速すぎてわかりませんがあるいはもっと)、表打ちで溜めて裏打ちやグラヴィティブラストでなだれ込むようなスピード感の演出が多く行われています。
    これらすべてが一体となって楽曲は終始異様なまでのテンションの高さを保っています。

    初期はかなり無慈悲で機械的な印象がありましたが"Maree Noire"あたりからフレーズにクラシカルとも感じ取れるメロディが盛り込まれるようになり、今作でも要所要所にキャッチーな慈悲が見られます(笑)

    テクニカルなデスメタルにおいて聴き手をひたすら突き放すような展開はそれはそれで面白いのですが、BENEATH THE MASSACREのいいところは複雑で難しいことをやっていても曲にノレる余地が残されていること。曲の土台がしっかりしているということですね。
    CRYPTOPSYやBRAIN DRILLなんかもそうですがメタルの基本であるリフの部分がしっかりしているというのはやはり大事だと思います。

    10曲ほど適度にSEなどを挟みながら疾風の如く駆け抜ける30分間、気づけば何度もリピートして聴いていることでしょう。これまでも非常に完成度の高い作品を残している彼らですが、此度もおおよそ欠点というところが見当たらない最高のアルバムをその作品群に加えてくれました。

    2020/10/04
  • 広告
  • 【しおーる雑記02】音源レビュー NAGLFAR/Cerecloth

    2020-09-19 23:48
    今回は待望(?)の音源レビュー!
    NAGLFAR/Cerecloth



    スウェーデンはメロディックブラックメタルの重鎮、NAGLFARの2020年リリース7thフル。
    ペースこそ遅いものの毎回伝統的なメロディックブラックを発信してくれる彼らは今作も期待を裏切りません。

    美しくも寒々しいトレモロリフに哀愁漂う邪悪なリードギター、ブラストとミドルを織り交ぜながら荒れた大地を突き進むか如きダイナミックな曲展開、おおよそ良質なメロディックブラックを形容するに用いられる単語が全て当てはまりそうなサウンドは相変わらずです。

    今作の特徴としてBURZUM、DARKTHRONE、MAYHEMに見られるようなオーセンティックなブラックメタルの色が濃く出ていると感じました。随所にNAGLFARらしいフックの入れ方はありますがベーシックなブラックメタルリフが多く、禍々しさや邪悪さがダイレクトに楽曲に反映されています。例えば③なんかはシンプルなベースとドラムから入りBURZUMを彷彿とさせるリフで幕を開ける非常にプリミティブな楽曲ですね。アルバム全体を通してみるとブラストを多用しているもののそれ以上にミドル主体の楽曲が多く、雰囲気で楽しむスルメタイプの作品と言えそうです。

    また、現代的なプロダクションでありながら普段の作品よりやや深めにリバーブがかかった
    音像で各楽器の生々しさを残したミックスにしているのは今回の作風に合わせた意図的なものでしょう。一聴するとやや地味に感じるかもしれませんが、バランスの取れた非常にいいミックスだと思います。
    余談ですが彼らと同郷のMARDUKの目下最新作"Viktoria"もこの傾向にあり、シンプルな楽曲とよく合っていました。特別意識はしていないんでしょうけど、北欧界隈はこういったあたり影響し合っているのが面白いですよね。

    それでは今回はこれまで。

    Stay heavy!
    2020/09/19
  • 【しおーる雑記01】ドコモ口座不正送金事件について

    2020-09-13 21:58
    REVERSE RESISTANCE RECORDSへようこそ!代表のしおーるです。

    せっかくブログ機能があるので始めよう始めようと思いつつ早数年…すっかり後回しになっていたのですが、今回ちょっと長文を書いてみたい出来事があったので手を付けました。今後は不定期で音源のレビューやその他思ったことなど、雑多に書いていきたいと思います。

    さて、記念すべき第1回目はドコモ口座不正送金事件について(社会派)
    このニュースをネットで見たとき歴史的なレベルでやばいと感じたんですよね。これまで7payのようなお粗末セキュリティは度々問題になりましたが、それらに比べて何を「やばい」と感じたのか、掘り下げてみることにした次第です。

    ●まずはドコモ口座って何?というところから
    これは銀行口座やコンビニなどからチャージすることでd払いに対応しているお店やネットショップで利用することができるいわゆる電子マネーです。au PAYやPayPayのドコモ版ですね。

    ●何が起きたか
    悪意の第三者がドコモ口座を開設してそこに全く面識のない他者の銀行口座を登録しました。七十七銀行のケースでは本人のあずかり知らぬところで銀行口座から30万円引き落とされていました。悪意のあるAが全く関係ないBの銀行口座からチャージできてしまった訳です。

    A「俺のターン!!!ドロー!!!俺はドコモ口座を開設し、Bの銀行口座にダイレクトアタック!!!30万円を引き出しターンエンド!!!」

    ●原因は一体…
    ・ドコモ口座の開設→メールアドレスの認証のみで誰でも可
    ・ドコモ口座と銀行口座の紐づけ→口座番号と暗証番号のみで可
    これら本人確認の甘さに付け込まれた形になります。銀行口座との紐づけに関しては銀行によっては2段階認証が採用されており、そういう銀行は被害にあわずセキュリティの薄い銀行が被害にあっているようです。会社が違うとはいえひとつのアプリに対して銀行ごとにセキュリティがバラバラなのはちょっとアレですね…

    ●手口について
    自分がネットで調べた限りでは
    ①過去にフィッシングサイト等から銀行口座所持者の情報が抜かれ、それを元に攻撃された
    ②リバースブルートフォースアタックにみられるような口座番号、暗証番号の総当たり攻撃を受けた
    のいずれかの可能性が高いようです。(現時点においてはまだ解明されていない)

    事件を受けて開かれたドコモの会見によれば「個人情報は各人に守ってもらう必要がある」旨の発言がありましたが、②のケースなら銀行口座所持者には予防のしようがなく、まさに防御も回避も不能な『飛天御〇流奥義 九頭〇閃』のごとき技をくらい続けている状態になります。

    ●従来のサイバー犯罪と異なると感じた点
    例えばamazonのアカウントを乗っ取られ、そこで登録していたクレジットカードで買い物をされてしまう…なんていうのは伝統的な手法のひとつです。

    この例でいくと本事例はamazonのアカウントを持っていない人でもターゲットになります。
    該当のサービスを利用せず、インターネットと無縁の生活を送っているお年寄りでもドコモと提携している銀行に口座を持っているだけで被害にあう可能性があるのです。サイバー犯罪に合わない最良の方法はそもそもインターネットという大海原に乗り出さないこと、と思っている私としましては大変なショックを受けました。

    ここで「いやいやフィッシングサイトからクレカのカード番号と暗証番号を抜かれたらamazonアカウント関係なく不正利用されてしまうのでそれと同じでは?」という疑問に突き当たりました。

    クレジットカードの不正利用と銀行口座の不正利用の違いは何か。
    前者は「消費(買い物)するため」に作られるものに対し、後者は通常「貯蓄するため」に作られているものであるということです。そもそもクレカは銀行の預金を担保に買い物取引の利便性を向上させるものです。その性質上、利便性と引き換えに一定のリスクが伴うのはある程度理解できます。使うために銀行口座から現金を引き出した状態を「ready状態」とでもしましょうか(かっこいい)、クレカは担保にした銀行口座を現金を介さずにready状態にするツールと言えます。

    お金については常にリスクが付き物です。何かを買おうと思って銀行口座から引き落として持ち歩けば盗難や紛失の可能性があります。自宅にしまっておいても火事で焼けたり洪水で家ごと流されてしまうかもしれません。預金金利が雀の涙以下となって久しいですが、私はそういったリスクから資産を守るために銀行に預けています。

    ここに冒頭で述べた「やばさ」の根源がありました。つまるところ(少なくとも現時点においては)全く消費する意思のない、ready状態にない資産を何の関わりもない第三機関のシステムを通して奪われてしまうということへの恐怖と憤りです。リスク回避のために預金しているのに何事か、というわけです。安心の根幹が揺らぐ。こわい。

    クレジットカードの場合、締め日に利用した内容を確認する人は多いと思います。他方、自動引き落としをせず振り込みの予定もないような、特に金の流れが発生しない口座については細かに残高を確認する人はほとんどいないと思います。

    手元に通帳もキャッシュカードもあり、当然暗証番号も誰にも教えていない。そんな状況で自分の口座から勝手に引き出されることをどれ程の人が想定しているでしょう。まだ判明していない被害者が存在しそうです。

    ●終わりに
    お金のやり取りって信用が大事ですから、利便性という言葉に踊らされてその根幹を揺るがすことがあってはならないんですよね、本来。私が知らないだけで銀行口座から直でチャージできるようなサードパーティ製のアプリって結構あるんですかね…怖い世の中です。

    長くなってしまいましたが第1回はこの辺で。

    Stay heavy!
    2020/09/13