オーディオ用にワンボードPC「BeagleBone Black」を買ってみた
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オーディオ用にワンボードPC「BeagleBone Black」を買ってみた

2017-01-29 01:51
    I2S(Inter-IC Sound)でDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)に接続できる手のひらサイズのワンボードPCはRaspberry Pi(以下RPiと略)が有名ですが、他にもBeagleBone Black(以下BBBと略)とBeagleBone Green(以下BBGと略)があります。(http://beagleboard.org/)

    左:Raspberry Pi 右:BeagleBone Black


    BBB/BBGはI2Sの出力が4線(LRCLK、BCLK、SDATA、MCLK)があることや外部からのクロックの入力が簡単にできることなど、RPiよりもオーディオ用途に適しています。また、最近のRPi 3はCPUの性能が上がりノイズや電気の消費が増えてオーディオ用に使いにくくなっています。
    BBGはBBBの廉価版でHDMI(画像出力)が省略されています。オーディオに使うにはBBGの方がノイズが少なくて良いのですが、ソフトのインストールで面倒な点があるようなので今回はBBBを購入してみました。(秋月電子通商で購入)

    ■lightMPD
    はじめに、RPiでいつも使っているMPD(ミュージックプレイヤーデーモン)のlightMPDを使ってみました。

    lightMPDはこちらから https://sites.google.com/site/digififan/
    設定方法はこちらを参考にしました https://officemoorea.wordpress.com/2016/05/01/lightmpd%E3%81%AE%E8%A8%AD%E5%AE%9A/

    microSDからBBBを立ち上げるにはS2スイッチを押しながら電源投入するのですが、なかなか上手くいかずに内蔵のeMMC上のAungstrom Linux が立ち上がってしまいます。S3スイッチの電源ボタンを長押にして一旦シャットダウンしてやり直したらなんとか上手くいきました。一度microSDから起動するとmicroSDを抜かない限り次回からはmicroSDから起動するようです。
    lightMPDはBBBのI2Sには対応していないので、USB DAC(NFJのキットPCM2704)をつないで試聴しました。ヘッドホン(DT 1770 PRO)では音量が上がらずに迫力がありません。これはBBBとは関係なくPCM2704のアナログ出力のパワーが足りないせいです。

    BBBにUSB DACを接続


    ■Botic
    次は本命のMPD(ミュージックプレイヤーデーモン)Boticです。
    Boticの特徴はI2SのDSDネイティブ再生に対応している点です。RPiでI2SのDSDネイティブ再生するのはかなり難しいのですが、BBB/BBG+Boticなら私にもできそうです。
    ただ、BBB/BBGはハード的にデリケートなところがあるらしく、外付けDACを直接つなぐと壊れることがあるそうです(CPOKがHになってからMCKにクロックを入れないとハードが壊れるそうです)。
    これを回避するには専用のハードを作らないといけないのですが私にはそんな知識も技術もありません。ありがたいことに外付けクロックを搭載しこの問題に対応した市販のブリッジ基板があります。LINUXCOMネットショップから「BBB ブリッジ基板 Type-AK 黒」を購入することにしました。

    左:BBB ブリッジ基板 Type-AK 黒 右:BeagleBone Black


    Boticはこちら http://bbb.ieero.com/
    使い方はこちらを参考にしました ↓
    http://nw-electric.way-nifty.com/blog/botic.html
    http://linuxcom.shop-pro.jp/?mode=f2
    http://y2web.net/blog/

    上記Webサイトを参考にしながらBoticをインストールします。NASの自動マウント設定で結構手こずりましたがなんとかなりました。外付けDACをつないでない状態で起動させると再生できませんが、曲のデータベースはちゃんと構築されてました。

    ここまでで数日かかったのですが、ちょうどうまい具合に「BBB ブリッジ基板 Type-AK 黒」が送られてきました。
    手始めに、たかじんさん設計のRPi用DAC基板「IrBerryDAC」をつないでみます。BBB ブリッジ基板のピン配列はRPi互換なのでそのまま接続してもいいのですが、壊れるといやなので回路図を見ながら必要な線だけをつなぎます。PCM5102AはI2Sの3線(LRCLK、BCLK、SDATA)で動くのでGNDを加えた4本で接続しました。

    上:IrBerryDAC 下:BBB+ブリッジ基板 Type-AK


    自作アンプ(HPA-12)とヘッドホン(DT 1770 PRO)で試聴します。MPDクライアントはGnome Music Player Client(GMPC)です。低音がふくよかで、高音も良く出ています。PCM5102Aってこんなに良い音してたかなぁw

    これはいけると思い、お気楽オーディキット用の4線接続ケーブルを作ってみました。ノイズ対策としてI2Sの4線(LRCLK、BCLK、SDATA、MCLK)それぞれにGNDを加えて8本で接続です(ハンダ付けが汚いなw)。(ブリッジ基板の回路図ではCN2の14pinはGNDに落ちているのだけど基板の14pinはGNDに接続されてない?)

    DAC(左)とブリッジ基板 Type-AKをI2Sで接続


    いつも使っているDAC(FN1242A)につないでPCM音源(wavとflac)を聴いてみました。低音がモリモリ出ます。高音もキンキンしています。一聴してハイファイサウンドですが若干ドンシャリ気味で長時間聴いていると疲れそうです。



    RPi+lightMPD(I2S接続)とWindows 10+foober2000(WASAPI排他モード)+SPDIF(光接続)はハイ上がりのキツイ音、RPi+lightMPD(I2S接続)を PiSRC4137(サンプリングレートコンバーター)をつなげるとハイ落ちのまったりとした音、BBB+Botic(I2S接続)はドンシャリの派手な音と同じデジタルなのに音が違うのは不思議です。

    さて、お次はI2S接続のDSDネイティブ再生です。DACの接続ケーブルをPCM端子からDSD端子につなぎ替えます(お気楽オーディキットのPCMとDSDの入力コネクターはPin1がSDATA/DSDL、Pin3がLRCLK/DSDRになっているので配線の変更なしにそのままつなぎ替えるだけです)。
    GMPCでDSDファイルを選んでPLAYボタンを押したら音が出ました。成功ですw でもGMPCで音量を下げようとするとエラーが出たり(DSDはソフトウェアボリュームに対応してない)、選曲やSTOPボタンを押すとブチッという大きな音がします。
    う~ん、先は長そうだな。PCMの再生は上手くいったので良しとしよう。ああ疲れた。

    最後に、ハードやソフトを作られた方々、情報を公開している方々にお礼を申し上げます。

    ・・・

    追記1:Boticized lightMPD
    みみず工房(http://mimizukobo.sakura.ne.jp/index.html)でBoticized lightMPDが公開されていたので使ってみました。

    (1) BBB用のlightMPD v1.0.3をダウンロードし解凍する
    (2) Boticized lightMPD v0.2をダウンロードし解凍する
    (3) 解凍したBoticized lightMPDのファイルをlightMPDに上書き
    (4) lightmpd.conf を自分の環境に合わせて書き換える
    (5) MicroSDに書き込む
    Windows上で作業できるので楽です。
    理由は不明ですがBBBの電源ボタンを押しても電源が切れません。lightMPDの特徴はいきなり電源を落としても大丈夫なところなのでそのまま切ってしまえばいいのですが。

    PCMの再生は問題なし、DSDネイティブ再生ではBoticと同様にGMPCでの操作や曲間で酷いノイズが出ます。みみず工房の掲示板でもノイズが出るという書き込みがあります。
    y2blog(http://y2web.net/blog/)の「BeagleBone + Botic で簡単DSD Native 再生(その3)」を見ると、Botic 7 で “Mute” 信号がサポートされたそうです。これを使えばなんとかなりそうですが、私にはさっぱりわかりません。

    追記2:
    Linux Computing(http://linuxcom.info/boticized-volumio.html)にBotic 対応 Volumioの紹介が載ってました。
    残念なことにVolumio 2 は dsd_native オプションをサポートしていないそうです。

    追記3:Arch-Botic
    kicktick(http://kickcoffee.org/kicktick/)でArch-Boticが配布されていたので試してみました。

    BoticとBoticized lightMPDは一度MicroSD起動させると次回は自動的にMicroSDから立ち上がるのですが、Arch-Boticは内蔵のeMMCから立ち上がってしまいます。
    ブリッジ基板を載せているとS2ボタンがものすごく押しにくいのでMicroSDからの起動に苦労しました。記事のコメントを見たらBBBのp8の1/2番と43番をジャンパでつなぐとS2ボタンを押した状態になるそうです。
    LINUXCOMネットショップのBBB ブリッジ基板 Type-AK 黒の説明文を見たら『CN3 の 44 ピンと BBB(G) の P8 コネクタの 43 ピンをヘッダーピンで接続しジャンパーピン J4 のショートピン挿入で BBB(G) の S2 スイッチを押下した状態にすることができます。』とありました。

    配布されているイメージファイルの「arch-botic_listen-only_01272017.img」はPCM(wav、flac)もDSDも問題なく音が出ますが、「arch-botic-rt-01052017.img」はDSDがザーザーとノイズまみれになります。なんでだろう。
    それからDSDの再生時に曲間やMPDクライアントの操作をすると酷いノイズが出るのは一瞬直流が流れるせいかもしれません。さっき気づいたのだけどSTOPからPLAYに変わるときにヘッドホンアンプの保護リレーが作動していました。
    ヘッドホンアンプを自作HPA-12(DCアンプ)からNFJのYDA138(入力カップリングコンデンサー付き)に変えたところ、演奏中の曲間のノイズは出なくなりました。Stop、Play、Next、Prevボタンをおすとやっぱりブチッというでかいノイズが出ます。(YDA138ではBoticでも演奏中の曲間のノイズは出ないが、Boticized lightMPDでは曲間のノイズが出る。両者ともMPDクライアントの操作ボタンを押すとArch-Botic同様にノイズが出る)

    DSDのノイズについて色々とググってみました。
    http://ifi-audio-jp.blogspot.jp/2014/09/dsddopmcro-idsd.html
    http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/681251.html
    これはDoP再生時のノイズだけどネイティブ再生でも原理は同じだと思います。(なんか違うっぽい?)
    lightmpd作者のデジファイさんがDoP方式でのDSD再生時のノイズ対策のパッチを作ってくれているようですが組み込み方法がわかりませんしXMOSでないと効果がないという話もあったりするようです。(みみず工房掲示板より)

    追記4:
    LINUXCOM ネットショップ(http://linuxcom.shop-pro.jp/)で販売しているBBB用のDAC「AK4495 32bit DAC 基板」の制約事項を見たら『DSD 再生中の頭出し、ストップ操作、PCM から DSD および DSD から PCM への切替わり時にクリックノイズが発生します。』とありました。でも、「WM8741 DAC 基板」の制約事項にはDSD再生のノイズの記述はありません。
    やはりI2S接続によるDSDのネイティブ再生はいろいろと難しいところがあるのかなぁ

    追記5:
    ちなみに、PiSRC4137(AK4137を搭載したRPi用のサンプリングレートコンバーター)からDSD出力でDACに接続した場合、MPDクライアントを操作してもブチッというノイズは出ません。AK4137のSOFT MUTE FUNCIONがONになっているせいでしょうか?
    ノイズが出るのはDACのDSD入力が壊れているせいではないようです。

    追記6:
    今までヘッドホンで試聴してましたが、スピーカーにつないで聴いてみました。
    スピーカーは長岡鉄男氏設計のスーパースワン(10cmフルレンジのバックロードホーン)、アンプはイトウ電子部品・通販のLM3886DCアンプキットに秋月電子通商の電子ボリュームキットMUSES72320(オペアンプはMUSES 01)を使用しDACに接続しています。MPDはBoticized lightMPDを使いました。
    ソースによっては低音が膨らんでボンついたように聴こえますが、解像度が高くてきめ細かい音質です。音像はピンポイントで定位します。でも、音場の広がりはイマイチで高さと奥行きの表現がダメです。自分で生録した鳥のさえずりを聞いても音場の広さが出ませんし、上空を飛ぶカラスの鳴き声も高い位置に定位しません。
    音場再生についてはRPiの方が良いような気がします。

    追記7:
    お気楽オーディキット資料館の「FINAL FN1242A の巻き!」を参考にしてBBB → DACの接続基板を作ってみました。PCMとDSDを並列に接続しても大丈夫ですよね?
    http://www.easyaudiokit.com/bekkan/FinalFN1242A/FinalFN1242A.html



    追記8:
    GMPCを操作すると、dffファイルでもノイズが出るし、DSFファイルをDSF_FillMute(http://pcmdsd.com/Software/DSF_FillMute.html)で変換してもノイズがでるし、お手上げです。

    追記9:
    お気楽オーディキット資料館の新談話室(BBS)で、FN1242AはDSDの信号にオフセットがあるという書き込みがありました。差動アンプの出力にコンデンサーを入れる必要がありそうです。
    http://easy-audio-kit.bbs.fc2bbs.net/?act=reply&tid=14328070

    お気楽オーディキット資料館で配布しているDAC基板は他にも持っているのでそれを使ってみました。いずれもDSDネイティブ再生での実験です。

    ・DAC179X-6 for QUAD PCM179X
    PCM1792を4個使ったDACです。IV 変換差動合成にはPOWER-IV基板を使っています。
    曲間のポップノイズはありません。MPDクライアントの選曲、ストップ、プレイボタンを押すと酷いノイズが出るのはFN1242Aと変わりません。


    ・Renew DAC9018Dv2
    ES9018Sを2個使ったDACです。IV 変換差動合成にはディスクリIV変換差動合成基板を使っています。
    このDACは作り方がまずかったのか、プレイボタンを押したり選曲するとES9018SのDPLLのロックが外れて音が一瞬途切れます(BBBだけでなくRPiでも同様)。DPLLのバンド幅をLowestからHighestまで変更してもダメです。
    MPDクライアントの操作ボタンを押してもノイズは出ません。このDACチップは曲の始まりや終わりで自動的にMuteが入っているのではないでしょうか? ロックが外れなければこのDACで問題解決なんですが残念。


    PiSRC4137(AK4137を使ったサンプリングレートコンバーター)からDSDでこの基板に接続するとロックは外れないので、おなじDSDデータでも何か違いがあるのかもしれません。





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