真空管アンプ『6N6P全段差動プッシュプル』を作ってみた
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

真空管アンプ『6N6P全段差動プッシュプル』を作ってみた

2017-03-24 23:32
  • 2
アンプ基板の『A-10 SG』は残念な結果になったので、気分転換に前々から作りたいと思っていた真空管アンプに挑戦することにしました。

真空管アンプというと、偶数次高調波歪み(=倍音)が心地よい響きを与えてくれるとか、ソフトディストーション(緩やかに歪む)で音量を上げても嫌な音が出にくいとか、出力トランスがフィルターになって可聴外の低音/高音を緩やかにカットしてくれるとか、ダンピングファクターが小さくてゆったりとした低音が出るとか、いろいろ言われています。プラシーボ全開ですが、実際のところ自分で聴いてみないことには判断ができません。
しかしながら真空管は生産が終了しています。需要はあるのに供給がない状態なので、音が良くて人気のある真空管の値段はうなぎ上りです。1本数万円のものも珍しくありません。その上、真空管にはスピーカーを直接つなげられないので出力トランスが必要です。良い音がする高性能なトランスはこれまたお値段が高いのです。つまり貧乏人に優しくないのが一番の特色ですw
そんな中、ぺるけさんという方がお手軽に作れて真空管の音を充分に楽しめるアンプをWebサイト(http://www.op316.com/tubes/tubes.htm)で公開してくれています。しかも作製のノウハウだけでなく、手に入れにくいパーツやシャーシーを配布してくださっています。
今回は『6N6P全段差動プッシュプル・ミニワッター2014 <応用バージョン>』というのを作ってみることにしました。製作費は加工済みシャーシー1万円、各パーツ1万円、トランス1万4千円、真空管1千~2千円くらいです。

トランス(左の箱)と配布してもらったシャーシーとパーツ


平ラグにパーツをハンダ付け。ミスがないように配線が終わったところをマーカーでチェック


ケースにトランスを取り付ける




とりあえず配線が完成。かなりスパゲッティになってしまった




各部電圧のチェック、実験用のスピーカーでの音出しとDCバランスの調整が終わったのでオーディオシステムに組み込みます。スピーカーは長岡鉄男氏設計のスーパースワン(10cmフルレンジのバックロードホーン)、DACはお気楽オーディキットで配布しているPCM1792を4個使ったものにBeagleBone Green+Boticized lightMPDをI2Sで接続しています。
さて、試聴です。真空管アンプを作ったのは初めてなので緊張します。いろいろな音源を聞いてみましたが、音がが伸びやかで弾むように鳴ります。中高音がスムーズに出ているのでしょう。低音はやや膨らむような感じですが充分に伸びています。思っていた以上に良い音です。
残留ノイズはボリュームを絞っているとスピーカーに耳を付けても全く音がしません。ボリュームを最大まで上げてもほんのわずかにブーンという音が聞こえるだけです。スーパースワンには市販のアンプ3機種、自作アンプ4機種をつないだことがありますが、こんなに残留ノイズの少ないアンプは初めてです。内部配線がけっこうスパゲッティな上に電源回路と音声回路の配線が交錯しているのでノイズが出るのではないかと心配していたのですが全く問題ありませんでした。
残留ノイズがほとんどないせいか、細かい音がよく再生されます。最大出力が1W程しかないので、微弱信号の反応が良いのでしょう。真空管アンプだから音が良いのではなく、回路設計(全段差動プッシュプル)やパーツの選択と実装、充分な時間をかけてじっくりと取り組んで設計したところが音の良さにつながっているのだと思います。
自作アンプの中では一番良い音がします。メインアンプはこれを使うことに決定しました。



A-10 SGは音質云々の前に残留ノイズが多すぎます。ノイズに埋もれて細かい音が表現できずにもっさりとした感じに聴こえます。もともとカーオーディオ用のパワーICなので、エンジン音や走行音にかき消されて残留ノイズは気にしないという仕様なのでしょう。低能率のスピーカーを距離を置いて使うぶんには気にならないと思いますが、スーパースワンは軽量な振動板に強力な磁気回路、LCネットワークなしのアンプ直結、バックロードホーンなので中高音は後面開放、微弱信号に非常に強いスピーカーで相性が悪いようです。A-10 SGは燃えないゴミ ジャンク箱へ放り込んでしまいましたw

左:6N6P全段差動PP 右:A-10 SG


数日使ってエージングがだいぶ進みました。
無音の静寂の中から音がスッと立ち上がってきてゾクゾクする音です。細かい音が再生されるので音楽の雰囲気がよく伝わってきます。全体的なパワーが少ないので小編成のクラシックに最適です。音圧が高くて音がガンガン鳴りっぱなしのポップスや大編成のものはちょっと物足りないかもしれません(これはアンプの問題ではなく小口径ユニットを使っているスピーカーのせいもあるのですが)。
今まで使っていた『LM3886 DCアンプ』がピンポイント的に音像が定位するのと比べるとやや音像が膨らむような感じがします。それがゆったりとした雰囲気を出して聴いていて気持ち良い音です。

広告
×
そこはかとない昭和の香りがw
ラグ板配線なつかしい・・・蛇の目基板がポピュラーになるまでは大抵これで組んでいたような。

昔はデカいコンデンサがシャーシの上にボコボコ立ってたような気がしますが、今はシャーシ内に収まっちゃうんですね。 トランスはカバーしちゃうのがビジュアル的にもったいないようなw

真空管ソケットの裏も空中配線状態だから、ハンダ付けのスキルがかなり要求される制作ですね。
41ヶ月前
×
>>1
真空管アンプで音楽を聞きながら昔(昭和)は良かったなぁと懐かしむおっさんがここにw

ラグ板配線はプリント基板のハンダ付けと較べて10倍くらい大変でした。組み立てる順序をよく考えて作らないと、部品がハンダ付けできなくなるんですよw
今回作ったものは入門向けの小出力アンプなので、でかいコンデンサーとか付いていません。トランスも見栄えがしないのでカバーで隠しています。
真空管アンプは初めて作ったのですが、トランジスタアンプと音の違いはあまりないみたいです。回路的にトランジスタ時代の技術を取り入れて設計されているアンプのせいかもしれませんが。前回作ったA-10 SGよりもずっと良い音がします。
41ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。