インテリアデザイナーの倉俣史朗やファッションデザイナーである三宅一生のところで学んだ吉岡徳仁は、インテリア、ファッションなど、さまざまなジャンルを融合させた作品で知られている。
こちらは2013年に東京都現代美術館で発表された「虹の教会 – Rainbow Church」。500個のプリズムがステンドグラスとなっており、「奇跡の光」を感じられる作品となっている。
2015年に発表された「ガラスの茶室 – 光庵」は記憶に新しい。京都の重要文化財に指定された天台宗青蓮院門跡境内将軍塚青龍殿の大舞台に設置されたガラスの茶室は、古くからある伝統的な場所とモダンなデザインとの融合で話題となった。
2017年1月13日(金)から資生堂ギャラリーで展示される「吉岡徳仁 スペクトル − プリズムから放たれる虹の光線」は、プリズムによって虹色の光が放たれるという作品だ。
「プリズム」とは、透明なガラスや水晶でできた立体のこと。集めた光の屈折により、さまざまな色に光が分散される。今回のインスタレーションでは、プリズムが作り出す虹色の光によって作られる神秘的な現象を体感することができる。
モダンでありつつもロマンティック、先鋭的かつ人間が持つ根本的な「美」の基準に優しく語りかけてくる吉岡徳仁作品は、私たちの心にどこかノスタルジックな気持ちを思い起こさせてくれる。
吉岡徳仁が制作したプロダクトや作品は、世界中の美術館のパーマネントコレクションとして見ることが可能だが、インスタレーション作品を見る機会はあまり多くない。
プリズムと光が織りなすファンタジックな空間に、ぜひ足を運んでみてはどうだろうか。
吉岡徳仁 スペクトル − プリズムから放たれる虹の光線期間:2017年1月13日(金)~3月26日(日)
住所:東京都中央区銀座 8-8-3 東京銀座資生堂ビル 地下 1階 資生堂ギャラリー
会期:平日11:00~19:00、日・祝11:00~18:00 ※毎週月曜休館(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
料金:入場無料