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STEVE NAKAMURA氏は、アメリカ・ロサンゼルス出身のクリエイティブディレクター/アートディレクター/映像ディレクタ-。UKのセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン卒業後、ラフォーレ原宿 グランバザール、NIKE、PARCOの広告キャンペーンなど、ユニークな作品を多数手掛けています。

実はNAKAMURA氏、きゃりーぱみゅぱみゅのデビュー当時から、CDジャケットのアートディレクションを担当しています。今回はルーミーのために、これまでのきゃりーのアートワークを解説していただきました。「作業を進めるうちに、変化することのできるアイデアを持っていることが大事」と語る彼ならではの独創的な世界観をお楽しみください。

 

「もしもし原宿」ミュージック・ジャケット大賞2012受賞作品)
きゃりーぱみゅぱみゅの世界観を紹介する役割を担った初のアルバムです。コンセプトは、実際のアニメっぽいメイクで勝負したいと思いました。
[ワーナーミュージック・ジャパン/通常版/2011年8月17日]

アニメ顔。

 

「つけまつける」
“グロかわいい”をテーマにいろんなものをミックスしました。タイトルの文字は固まっているバブルガムのイメージです。ちょっとびっくりした感じの彼女の表情、歯の間のほうれん草、おばさんっぽいセーターに目玉、耳みたいにピョンと持ち上がった髪の毛。このユルい感じのイメージが良いです。
[ワーナーミュージック・ジャパン/初回版/2012年1月11日]

シャイニングのジャック・ニコルソン。

 

『ぱみゅぱみゅレボリューション』
初のフルアルバムです。MEDIEVEL(中世風)とファンタジーランドを融合させたイメージで創りました。彼女は古典的なビクトリアン。上品な姿勢ですが、トランス状態で表情は遠くを見ています。
[ワーナーミュージック・ジャパン/通常版/2012年5月23日]

 

「ファッションモンスター」
ハロウィーンのシングル。私が6歳の時、ハロウィーンに母がコスチューム(ウルトラマン)を手作りしてくれた思い出をアイデアにしました。そのコスチュームのマスクは段ボールで、顔のディテールはマジックで描いたものでした。きゃりーが着けている一つ目玉のマスクは、当時のマスクと品質を似せていますが、アマチュアとプロフェッショナルの間で決まりすぎない感じがいいと思いました。怖くないモンスター。グロさとポップを組み合わせました。
[ワーナーミュージック・ジャパン/初回版/2012年10月17日]

ケーキを食べているドラキュラ

 

「キミに100パーセント/ふりそでーしょん」
20歳の誕生日シングル。大人になるというテーマで、さまざまな設定で遊ぼうと思いました。表紙の彼女は、スター・赤い口紅・パフォーマー・脚光を浴びている赤毛の女優・アニー・ブロードウェイ・シャネルをイメージ。どこか昭和っぽい雰囲気も入れました。タイトルの文字は、歯磨き粉を使用して作成しました。
[ワーナーミュージック・ジャパン/通常版/2013年1月30日]

 

「にんじゃりばんばん」

コンセプトは、和とフューチャーです。衣装の色やパターンは、ISSEY MIYAKEや山本寛斎の時代もインファレンスしました。フォームを自然な生き物に近い形にして、その中にいろんな物を組み合わせて不思議な世界観を創りたいと思いました。初回盤の表紙は、きゃりーがまた何かやってくれるのではと想像を膨らませてもらえるようなイメージにしました。
[ワーナーミュージック・ジャパン/初回版・通常版(トップ画像)/2013年3月20日]

「きゃりーのキャラクターと言えば原宿テイストですが、毎回そのテイストを少し崩して、他の要素をミックスするようにしています。そしてオーディエンスにその世界観を信じさせることが大事です」とNAKAMURA氏。「いろいろな意味で、この一連のプロセスはきゃりーの遊び場をクリエイトすることだと思っています。とにかく私はその予想外の良い結果を探しています」と語っていました。今後もどんな作品が飛び出すのか楽しみです。

[STEVE NAKAMURA]
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