#9『 あの女との出会い 』サッドマンの海外旅行マニュアル ~タイ・バンコク編~
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#9『 あの女との出会い 』サッドマンの海外旅行マニュアル ~タイ・バンコク編~

2016-05-06 03:33


































    おんな「とつぜん すみません・・・
    あなたは
    ツーリストですか?」




    おんな「団体のツーリスト!?
    もし そうなら
    ガイドさんをわたしに
    紹介してください!!」







    サッド「いいや。
    ぼくは1人だよ
    ひとりで旅行しているんだ」


    おんな「そうなんだ・・・」






    おんなは
    露骨に困った顔をしている

    そして 何度か
    オレのことを チラチラと
    盗み見るようにしてから

    意を決したかのように
    オレに打ち明けはじめた・・・






    おんな「あのホテルを見て」


    サッド「ん???」





    おんな「あのホテルに
    わたしの
    友達が泊まっているの
    日本人で
    名前はユキといいます」


    サッド「へぇ~
    あのホテルなら
    オレも
    宿泊しているよ」


    おんな「その友達と
    ホテルの前で
    落ち合う約束をしてたんだけど・・・
    彼女、、
    チェックアウトの時間になっても
    出てこないの
    もう
    お昼過ぎよ」


    サッド「なにかその友達と
    連絡をとる手段はないの?
    たとえば
    携帯電話とかさ・・・」


    おんな「携帯電話!
    そう
    彼女に何度もかけたわ!
    でも
    彼女の声じゃない声で
    何か言ってくるのよ・・・
    わたし
    日本語があまりわからなくって」


    サッド「"声じゃない声"?」


    おんな「そう
    しかも
    ずっとおんなじことを
    繰り返しているの・・・
    あなた 日本人でしょ?
    もしかしたら
    アナタなら
    その内容が
    分かるかもしれないとおもって・・・」


    サッド「ちょっと
    聞いてみようか?」


    おんな「ありがとう!」





    おんな「はい。
    もう 彼女につながっているわ」

    オレは
    女から携帯電話を受け取ると
    そっと耳元に当てた・・・

    そこから流れる音声は
    日本でも
    よく耳にするアナウンスだった・・・


    『・・・・
    おかけになった電話番号は
    電波の届かない場所にあるか
    電源が入っていないため、
    かかりません・・・』



    サッド (はは~ん
    そういうことね・・・)



    オレは
    メッセージの内容を
    彼女に説明した




    おんなは
    不安げな表情を浮かべながら
    話しを聞いている・・・

    その説明のさなか
    オレはふと
    携帯電話に目を落とした。。。



    サッド「おい これって!」


    オレはすかさず
    おんなにこう訊ねた・・・



    サッド「さっき
    友達のなまえは
    『ユキ』と言ったよね?
    この画面では
    『ユカ』になってるよ」








    おんな「わわわっ!!」






    サッド「おい おい なんだ なんだ・・・
    このおんなの
    慌てふためき様は??」








    ぼわぁぁぁ~ん!!!





    悪魔「よう!」


    サッド「うわぁ!!だれだ 貴様!」





    悪魔「オレのことなんか どうでもいいさ
    それよかよー
    あの女、、、
    めちゃくちゃ怪しくないか??」


    サッド「怪しいよ
    ・・・でも
    友達とはぐれて
    困っているみたいなんだ」


    悪魔「おい おいっ!
    まさか
    助けようってんじゃないだろうな!」


    サッド「・・・・」


    悪魔「やめとけ やめとけ!
    おまえは
    午前中に散々な目に
    あったばかりじゃないか!
    悪いことは言わねぇから
    今日のところは
    誰ともかかわるな! いいな!!」


    サッド「わかったよ」








    おんな「電話がダメなら
    ネットで
    呼びかけようと思うんです!!」


    サッド「あ あぁ・・」


    おんな「おねがいします!
    この近くに
    インターネットが使える場所があるから
    そこまで
    一緒に来てもらえませんか?」


    サッド「な!なんで オレが?」


    おんな「友達からメールが来ても
    わたし、、
    "漢字" が わからない・・・
    あなた
    日本人でしょ?」


    サッド「ぇえっ!?」


    おんな「そんな 顔しないで
    すぐに終わるわよ・・・
    バンコクのお寺では
    インターネットが
    無料なの・・・
    ここから近くのお寺は
    たったの5分で
    いけるわ」





    サッド「5分で終わるなら
    ・・・・・まぁ いいよ」


    おんな「うれしい! ありがとう」


    悪魔「あ~あ
    安請け合いしやがって・・・
    もう どうなっても
    オレは知らねえからな!」








    サッド「じゃあ さっそく行こうよ
    先に言っておくけど・・・
    ぼくは
    "漢字"を読むだけだからね!」


    おんな「ちょっと ちょっと!」


    サッド「えっ なに?」





    おんな「お金は払わないとダメよ!」

    サッド「・・・あぁ そうだった」



    こうして
    オレとこのおんなの
    不思議な旅がはじまった・・・






    サッド (ったく
    どうしてこんなことに
    巻き込まれてしまったんだろう・・・)

    オレは
    さきを歩く女の背中を見つめながら
    しだいに
    気分が重たくなった・・・

    もしも あのとき
    ホテルから出ていなければ・・・

    いまごろは
    ベッドでぐっすり
    昼寝でもしていただろう・・・

    『すこしタイミングをずらせば
    この女に
    出会わなくてすんだはずだ』などと

    心の中で
    途方もない
    後悔がはじまった


    しかし
    前を歩くこの女を見ていると
    まるで
    もう友達と再会できたかのように
    軽快で
    楽しげだ!

    オレは 次第に
    腹が立ってきたんだ・・・





    サッド「ねぇ
    お寺はどこにあるの?」

    女は
    振り向きざまに答える・・・




    おんな「このさきよ!
    もう少しなんだから
    そんなに
    焦らないでよ~」








    はぁあっ??




    カッチーーーーン!!!







    サッド「おい ねぇちゃん!!
    誰のために
    ついてきてやってると思ってんだ!?
    おめぇのためだろうがよ!!
    なのに
    『そんなに焦らないで~ 』だぁ!?
    オレの
    親切心をなめんなよ!!
    約束の5分は
    とっくに
    過ぎてんだからなぁ!!」





    サッド「ぐわぁぁぁぁぁっ!!!!!
    こっち 向け コラァ!!」


    おんな「ちょっと
    そこで休憩しましょう
    ・・・ん?
    どうかしたの??」


    サッド「べつに なんでもないよ」







    サッド (おい おい おい・・・
    休憩はいっちゃったよ・・・)



    おれたちは
    シャッターの閉じた店の前で
    休むことにした

    行く先に
    お寺らしき
    建物はまだ見えてこない・・・

    見ず知らずの国で
    見ず知らずの女と
    見ず知らずの友達を探している

    なんだか

    目から
    涙がこぼれそうだった・・・



    しかし
    このあと起きる出来事のことを
    考えると
    それは たいしたことではない・・・






    おんなの口から出た
    " あの言葉 "で
    事態はもっと深刻なものになっていくのだ・・・


    おんな「じつはさ・・・ 私ね・・・」


    オレは
    何を言われても 動じない
    覚悟をしていたつもりだった・・・


    <#10へつづく>
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