高倉龍之介ブログ
「皆さん、本当にこの国を任せていい総理候補は誰でしょうか?」
物価高にあえぐ家庭、将来が見えない若者、そして高齢者の年金不安…。誰もが胸に抱える“生活の苦しさ”。しかし、今の自民党がその声をきちんと拾っているでしょうか?答えは残念ながら「ノー」です。
小泉進次郎氏は会見で、「国民の声を聞き、国民の思いを感じ取る力を失った」と自民党を厳しく批判しました。しかし読者の皆さん、忘れてはいけません。その「国民の声」を置き去りにしてきたのは、彼自身を含む“石破路線”の延長線上にある政治家たちではなかったか?
小泉氏は「危機感」を4つ掲げました。
国民との乖離
自民党の信頼失墜
経済の転換期への対応の遅れ
国際情勢の厳しさ
確かに正論に聞こえます。ですが、ここに致命的な問題があります。口先では「危機感」と叫びながら、具体的な解決策には迫力も実効性も欠けているのです。要するに、きれいなスローガンの羅列でしかない。
たとえば「物価高」への対応。ガソリン税廃止だの基礎控除調整だの、聞こえはいい。しかし、その裏付けとなる“財源の筋道”はどうするのか?「インフレ時代に合わせた税制」とか言いながら、実際は財務省の顔色をうかがった小手先の調整で終わる危険性が大きい。結局は「やってる感」だけを演出しているのではないかと感じざるを得ません。
さらに外交・安全保障。中国・ロシア・北朝鮮が連携を強める現実に、日本が直面しているのは戦後最悪の安保環境。しかし小泉氏の発言はどうでしょう。「日米同盟を基軸に」「インド太平洋の自由と開放を守る」はい、聞き飽きました。どれも過去の総裁候補たちが言ってきた決まり文句の焼き直しです。
ここで問います。もし本気で国民の生活を守り、日本の独立を守る覚悟があるならば、なぜ核抑止力や防衛力の実効性強化といった核心に踏み込まないのか?
それを語らない時点で、彼が「石破茂の影響下にある、財務省にコントロールされた調整型政治家」に過ぎないことは明白です。
「国民との乖離」「信頼失墜」「経済の転換」「国際秩序の変容」。全部、正しい指摘です。問題はそこから何を削り、何を優先し、どこに財源と政治資本を投下するか。
進次郎氏は“危機感”の箇条書きに成功した。だが、国家運営は箇条書きでは動かない。必要なのは、大胆な選択と残酷な集中です。タスクリストでは、現実は一ミリも動きません。
ガソリン暫定税率の廃止、基礎控除のインフレ連動、公的分野の処遇改善、中小企業の価格転嫁促進。どれも趣旨は理解できます。
しかし、同時多発のバラマキと減税を、どう優先し、どこで相殺するのか。
暫定税率を切るなら、道路特定財源の見直しは不可避。
基礎控除連動は恒久費用。一回打てば終わり、ではない。
医療・介護・保育の賃上げは構造費用。景気次第で伸縮しない。
財務省をにらみつつ、国民にもウケる“中道ポーズ”は分かる。だが、「どこを切るか」「いつ上げるか」「どこで借りるか」を語らなければ、政策はモラルハザードになる。
👉家計に例えれば「給料は増やす、税金は減らす、貯金は減らさない、でも旅行は豪華に」。その家、年末に破綻します。
「デフレ脳からの脱却」は大賛成。しかし、インフレ期の王道は供給力の増強と生産性の底上げです。そこで問うべきは、労働市場の柔軟化/電力・物流・デジタルのボトルネック解消/研究開発のリスクマネー供給。
進次郎氏はここで急にトーンダウンする。労働市場改革は「不安を与えた」と下げ、合意形成しやすい論点に逃げる。わかります。人事と雇用は票を減らす。でも、票を減らす覚悟がない改革は、永遠に実行されない。
👉「やる」と言って人気を保つ政治は、ダイエット中に夜食を増やす理屈と同じ。痩せる気、ないですよね?
「日米同盟の深化」「同志国との連携」「自由で開かれたインド太平洋」。定番フレーズは滑舌よく並ぶのに、抑止の中身(指揮統制、弾薬・防空、産業動員、原子力・サイバー・宇宙の統合)は語られない。
靖国の参拝判断も「適切に判断」。つまり曖昧戦術。ここで争点を避ければ、支持も反発も薄まる。でも国家は薄味では守れない。
名目3%×7年で約+100万円、理屈は分かる。だが、実質賃金+1%の道筋を語るときに、生産性と構造改革を避けてはならない。物価だけが先行し、賃金が追いつかない現象を、税制パッチで凌ぐ発想は限界が早い。
👉“望む未来”を足し算で作るのは簡単。現実は“痛みの引き算”でしか前に進まない。
市井の不安を拾うのは上手い。だが、既得権に切り込む“汚れる工程”を語らない。だから、絵はキレイ、ページは進まない。
危機感は本物でも、実装の覚悟が希薄。
「石破路線の継承者」としての調整型が前面に出る。
やってる感が超一流、やり切る力は不透明。
小泉進次郎氏の会見を丁寧に聞けば聞くほど、危うい構図が見えてきます。
「ガソリン税を下げます」「基礎控除を物価に応じて上げます」「医療や介護の人件費を上げます」「中小企業の負担を軽くします」…。
聞こえはいい。むしろ、全部やってくれるなら国民は大歓迎でしょう。しかし、政治は慈善事業ではありません。政策は「財源」と「優先順位」で決まるのです。
にもかかわらず進次郎氏の説明には、致命的な欠落がある。
それは「どこを削るか」「どこから取るか」を語らないこと。
👉進次郎経済は、“楽天市場の買い物カゴ”みたいなもの。欲しい物をポンポン入れても、最後に『お会計』の段階でフリーズする。
国民は耳障りのいいスローガンより、レジで払える現実的な会計票を求めています。
進次郎氏が大きく打ち出したのが「ガソリン暫定税率の廃止」。
庶民にとっては確かにありがたい。だが、その穴はどこから埋めるのか。暫定税率は道路整備や地方交付税の裏づけになってきた。単純に消すということは、インフラ整備の財源を消すことに等しい。
代替財源の提示がなければ、短期的な人気取りと長期的な財政穴あけの二重苦になる。
本気でやるなら、「国債発行の一時増額」「既存の一般財源への振り替え」などを併せて語るべきだが、それには一切触れない。
「ガソリン税を下げます!」と叫ぶのは簡単。でも、結局“道路の補修ができずに車がパンク”したら誰が責任取るんですか?
「医療、介護、保育、教育の現場の待遇を改善します」――耳障りは最高です。
しかし、これをやるには診療報酬・介護報酬・保育単価の大幅見直しが必要。つまり、毎年の恒久費用が膨れ上がる。
単年度予算でごまかせるものではない。これは国家の構造費用になるのです。
つまり「やる」と言った瞬間から、日本の財政に永久に刻まれる。にもかかわらず、進次郎氏の説明は「善意の積み木」に過ぎない。
“恒久費用”を「思いつき」で語るのは、クレジットカードのリボ払いで高級車を買うようなもの。最初は気持ちいいけど、後から地獄です。
基礎控除を物価に連動させる――発想自体は合理的に見える。
しかし、これも恒久費用。しかも「インフレ下での税制調整」という複雑な仕組みを設計しなければならない。簡単に言えば、税収が伸びた分を“控除”で自動的に吐き出す制度です。
結果としてどうなるか?
財政の安定性は低下
景気対策の弾力性も低下
結局「やってる感」は演出できても、長期的な運営の柔軟性を失う
👉「インフレに強い税制!」とアピールしても、実際には“国の財布に自動穴あけ機”を取り付けるようなものです。
「中小企業がコスト上昇を価格に転嫁できるようにする」これも聞こえはいい。
しかし現実はどうでしょう?
日本の取引慣行は下請け構造
商習慣の壁、業界団体の圧力
公正取引委員会の監視強化だけでは焼け石に水
本気でやるなら、独占禁止法の改正やカルテル規制の見直しまで踏み込むべき。そこを避けている時点で、本気度ゼロです。
👉「価格転嫁の環境を作ります!」は、給食の白米に“ふりかけ”だけ渡して『はい、栄養満点』と言うのと同じ。
進次郎氏の経済政策をまとめれば、こうなります。
「いいこと全部やる」ポピュリズム
財源・優先順位を語らない無責任
恒久費用の爆弾を“善意”で包む
数字に裏打ちされない“やってる感”
つまり、経済の核心に手を突っ込む覚悟がないのです。
労働市場改革は「反発が怖い」と棚上げ
原子力政策は「票が減る」と触れない
財源の設計は「財務省まかせ」でノータッチ
👉これでは、国民の生活を守るどころか、むしろ「国民の財布に穴を開ける総裁」になりかねない。
ここまで読んでいただいた方に、最後の問いを投げかけます。
進次郎氏の“危機感”は、国民の不安を代弁しているようでいて、実際には「責任の棚上げ」ではないか?
そして、その棚上げ政治のツケは、必ず国民が払うことになるのではないか?
次章ではさらに、外交・安全保障分野の“決まり文句”の危険性を暴きます。
「日米同盟を深化させる」「インド太平洋を守る」聞こえはいい。でも、その裏側で何を避けているのか。そこにこそ、進次郎政治の最大の弱点があります。
小泉進次郎氏の会見で目立ったフレーズは「日米同盟を深化させる」「自由で開かれたインド太平洋を守る」「同志国との連携を拡大する」でした。
聞き覚えのある言葉だと思いませんか?
そうです、ここ20年の総裁候補が必ず口にする“外交の定番フレーズ”なのです。
問題は、中身がどこまで具体的か。
防衛費をGDP比2%にする? → はい、誰でも言います。
日米同盟を深化させる? → はい、みんなそう言います。
インド太平洋の自由を守る? → G7首脳も同じことを言います。
つまり、彼の外交・安保発言は「誰でも言えるセリフ集」に過ぎない。
👉進次郎の外交演説は、政治というより“TOEICのリスニング教材”。耳障りはいいが、テストが終われば忘れる内容です。
会見で進次郎氏は「日本を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しい」と述べました。これは正しい認識です。
中国の軍拡
ロシアの暴走
北朝鮮の核・ミサイル開発
誰もが危機感を共有している。問題は、その先の解決策です。
靖国参拝について問われたとき、彼は「総理になったら適切に判断する」と言葉を濁しました。
これはつまり、国民には明言せず、外交の圧力にも逃げ道を残す姿勢です。
👉「適切に判断」とは、結局“その場しのぎの便利ワード”。要は『決めません』という宣言なのです。
安全保障を本気で語るなら、抑止の中身を具体的に示すべきです。
弾薬の備蓄量
ミサイル防衛と反撃能力の配分
産業動員の法整備(防衛生産ライン確保)
サイバー防衛の即応体制
原子力発電を含むエネルギー安保
ところが進次郎氏は、こうした「汗と金が必要な部分」に触れません。
彼の話はあくまで「理念」や「スローガン」で止まっている。
👉安全保障を“理念の紙芝居”で語るのは、戦場に絵本を持っていくようなもの。敵は笑いません、攻めてきます。
「自由で開かれたインド太平洋」は、安倍晋三元総理が世界に打ち出した戦略です。
進次郎氏もそれを踏襲する構えを見せています。だが問題は、具体的な政策に落ちていないこと。
海保と海自の指揮通信の統合 → 触れず
常続的なプレゼンスのための艦数・整備力の増強 → 触れず
港湾補給拠点の国際的分散 → 触れず
つまり彼の言う「インド太平洋戦略」は、ポスターや演説向けの言葉であって、作戦計画や予算配分に落ちる段階の議論がないのです。
👉“インド太平洋を守る”とだけ叫ぶのは、消防士が『火事を消します!』と言ってバケツを持たないのと同じ。
日米同盟を深化させると繰り返していますが、具体的に何を指すのでしょうか。
米軍基地の抑止力強化?
日米共同訓練の常態化?
弾薬・燃料の相互運用?
これらを語らないまま「深化」という言葉だけでまとめるのは、外交を抽象表現でごまかしているにすぎません。
しかも、会見で「地位協定の改定」を問われた際には「改定を前面に出す前に、合同委員会で課題解決を進めたい」と答えました。
つまり、改革には踏み込まない曖昧姿勢です。
👉“深化”と言いながら、実際は“深読み禁止”。これは外交の自己矛盾です。
本当に「戦後最も厳しい環境」と言うなら、核抑止や産業総動員体制に触れるのが当然です。
しかし進次郎氏はそこを避ける。理由は明白。
世論の分断を恐れる
マスコミに叩かれるリスクを回避する
「若い進次郎イメージ」にそぐわない
しかしこれは、国家指導者として致命的です。抑止力の議論を避けることは、国民を幻想に包む行為だからです。
👉核を語らない安全保障論は、シートベルトを語らない交通安全論と同じ。聞こえはいいが、命は守れない。
進次郎氏の外交・安保論を整理すると、
定番フレーズの焼き直し
抑止の具体を避ける
曖昧さで摩擦回避
安全保障のコストに触れない
結論は一つです。
彼の外交は「理念は響くが、現実は動かない」。
国民はもう「やってる感の外交」ではなく、「やり切る外交」を求めています。
そしてそれを語れるのは、小泉進次郎ではなく――次章で取り上げる「骨太な国家観を持つ政治家」なのです。
次章では、さらに党改革と「政治とカネ」問題に切り込みます。
進次郎氏が掲げる「解党的出直し」が、なぜ単なるポーズで終わるのか。
そして「本気で党改革を進めるには何が必要か」。
ここを読み解くことで、進次郎の限界と、高市早苗氏がなぜ次の総裁にふさわしいのかが、より鮮明になります。
小泉進次郎氏が会見で繰り返した言葉 それは「解党的出直し」。
耳に残りますよね。強烈なフレーズです。マスコミも大喜びで見出しにします。
しかし、ここで冷静に考えてください。
解党的出直しって、何を指すのか?
人事? 資金? 公募制度? 党則?
残念ながら、進次郎氏は「出直し」を叫んだだけで、具体のロードマップを語っていないのです。
👉“解党的出直し”は、政治用語の「RPG魔法」。唱えるだけで何かが変わった気がする。でも現実には敵のHPは1ミリも削れない。
進次郎氏は「政治とカネの問題を断ち切る」と豪語しました。
しかし実際に必要なのは
政治資金収支報告のリアルタイム公開
機械判読可能なオープンデータ化
監査機能の外部委託
ところが、彼の発言は「透明化を徹底します」という抽象的なものに留まっています。
👉“透明化”とだけ言って仕組みを語らないのは、ダイエットで『気をつけます』と言うのと同じ。結局ケーキは食べる。
フリージャーナリストから「詐欺師ではないか」と厳しい質問を受けたとき、進次郎氏は「こうした厳しい目があることを自覚している」と返しました。
一見、謙虚な対応に見えます。が、その後「記者会見のあり方を変えるか」と問われると「総裁になってから考える」と逃げました。
ここに本質が出ています。
改革を「やる」と言う勇気はある
だが、敵を作るリスクを背負う勇気はない
👉“なってから考える”は政治家の常套句。翻訳すれば『やりません』です。
進次郎氏は「私たち世代が先頭に立つ」と強調しました。つまり世代交代です。
しかし、これも掛け声だけで終わっている。
本気でやるなら、
役職の任期制限
兼職の禁止
公募制度の透明化
若手へのクォータ制導入
こうした手続き的なルール改正を語らねば意味がありません。
「世代交代!」と叫ぶだけでは、カラオケで『マイウェイ』を熱唱するオジサンと同じ。気持ちは伝わるが、現実は動かない。
進次郎氏は「谷垣総裁のように自分を抑えて党内融和を優先するリーダーを目指す」と語りました。
確かに美しい精神論です。しかし、今必要なのは融和よりも決断。
政治資金問題に踏み込む
党則改正に汗をかく
既得権益を切り捨てる
これらは血が流れる改革です。美辞麗句や「仲良くしましょう」では解決しません。
👉大火事の現場で「みんな仲良くしよう」と叫んでも火は消えない。必要なのは水と放水計画。
進次郎氏が「解党的出直し」を本気で言うなら、この三つの問いに答えるべきです。
政治資金のリアルタイム公開に踏み切るか?
党役職の任期・兼職制限を導入するか?
公募候補者の選定プロセスを完全公開にするか?
これに「Yes」と答えられないなら、それはパフォーマンスにすぎない。
👉「解党的出直し」を叫びつつ、この三問に沈黙するのは、ダイエットを宣言して焼肉食べ放題に行くようなもの。
整理しましょう。
政治資金改革 → 透明化の中身なし
記者会見改革 → 「なってから考える」で逃げ
世代交代 → 掛け声だけ
リーダー論 → 融和に寄りすぎ
結論は明白です。
進次郎氏の党改革は「名言」では強いが、「名文化」では弱い。
つまり、彼の改革は言葉で終わる改革なのです。
次章(第五章)では、さらに「進次郎ブランドの本質」=やってる感のマーケティング戦略を解剖します。
なぜ彼は比喩と物語でメディアに好かれるのか?
なぜ政策より「印象操作」が優先されるのか?
そして、なぜ国民はその演出に騙され続けるのか?
この構造を暴くことで、進次郎政治がなぜ「期待の割に成果ゼロ」なのかを証明します。
そして最終章で、高市早苗氏との決定的な対比を描きます。
小泉進次郎氏といえば、比喩の魔術師と呼ばれてきました。
「セクシーに環境問題を」「ポエムのような答弁」国会でもたびたびニュースになりました。
メディアはこれを「若さ」「新鮮さ」と持ち上げる。しかし冷静に考えれば、比喩は政策の代替物にはなりません。
政策は数字、制度、工程表で語るべきもの。けれど彼はそこを飛ばして「耳に残る言葉」だけを前面に出す。
👉進次郎の言葉は“政治のキャッチコピー”。だがキャッチコピーで国家は動かない。広告代理店じゃないんです、総理候補なんです。
進次郎氏の政治スタイルを分解すると、三つの“やってる感パターン”が浮かび上がります。
比喩で包む型
例:「地球温暖化は待ってくれない」「政治に必要なのはセクシーさ」
→ 聞き手の印象に残るが、内容の検証は不可能。
危機感を羅列する型
例:「国民との乖離」「信頼の失墜」「経済の転換期」「国際環境の厳しさ」
→ 危機を並べるだけで、処方箋は抽象的。
自己批判で信頼を稼ぐ型
例:「想像力に欠けていた」「自民党は国民の声を聞けていない」
→ 一見謙虚だが、具体的な責任の所在を曖昧にする。
つまり彼の武器は「聞こえはいいが検証不可能な言葉」。
やってる感マーケティングの典型です。
なぜ進次郎氏がこれほどまでにメディアに愛されるのか?
理由は簡単です。彼の言葉は“切り抜き映え”するからです。
「危機感」「改革」「国民の声」
インタビューで5秒で引用できるフレーズ
テレビのテロップに載せやすいキャッチ
しかし、ここに決定的な問題があります。
政策は5秒では語れないということ。
外交・防衛・財政・社会保障。どれも「長い説明」と「数字の裏付け」が必要です。
ところが彼の発信は常に「短文SNS」的。つまりメディア最適化は徹底しているが、政策最適化はゼロなのです。
👉進次郎の政治は“ニュース映えアプリ”。インストールは簡単、容量は軽い。でも使ってみると、必要な機能が何一つない。
進次郎氏はよく「国民の声を聞く」「生活者の不安に寄り添う」と言います。
しかし実際に彼がやっているのは「聞いているフリ」ではないか。
国民の声を拾う → 言葉として引用する
しかし制度に落とし込む段階で止まる
既得権や利害調整の工程を語らない
結果、“共感”は得るが“解決”は遠いのです。
👉「国民の声を聞く」とは言うが、実際は“マイクを国民に向けただけ”。録音して再生してるだけで、編集もミックスもされない。
危機感を示すのはリーダーの資質の一つです。しかし、進次郎氏の危機感は「演出」に近い。
「戦後最も厳しい安保環境」→ その後の抑止戦略は抽象的
「物価高は生活を直撃」→ その後の政策はバラマキ的で財源不明
「党の信頼は地に落ちた」→ その後の改革案は具体性ゼロ
つまり、危機感を示すこと自体が目的化しているのです。
しかし国家は、危機を列挙しただけでは一歩も前進しません。
👉危機感を語るだけの政治家は、病名を叫ぶだけの医者と同じ。患者を治す気はない。
進次郎氏の最大の武器は「若さ」と「爽やかさ」です。
テレビ映えする容姿
軽快なトーク
上から目線に見えない距離感
これは確かに武器です。しかし、国民が求めているのは「爽やかさ」ではなく「実行力」。
政治はイメージで回らない。数字と制度と現実で回る。
👉“爽やか総理”を望むなら俳優を立てればいい。政治家に必要なのは、汗と血を流す覚悟です。
整理すると、進次郎政治の本質はこうです。
比喩とキャッチで耳を奪う
危機感を列挙して共感を誘う
自己批判で謙虚さを演出する
しかし、具体的な改革手続きには触れない
結果、メディアでは輝くが、国政では空洞化する
結論。
進次郎氏の武器は「やってる感」だが、国を動かすのに必要なのは「やり切る力」だ。
次章(第六章・最終章)では、いよいよ高市早苗氏との対比に入ります。
進次郎=言葉の政治、
高市=実装の政治。
外交・安保・経済・党改革、そのすべてで、なぜ高市が「唯一の現実解」なのかを提示します。
ここまで進次郎批判を徹底してきたからこそ、最後に見える「骨太な国家観」の必要性。
それが第六章のテーマです。
小泉進次郎氏が「危機感」や「爽やかさ」で注目を集める一方、高市早苗氏は常に“実装”で勝負してきた政治家です。
彼女が語る安全保障は、抽象的な「抑止力の強化」ではなく、
弾薬備蓄量の拡大
防空網の再設計
産業動員体制の法制化
宇宙・サイバーの統合防衛
こうした工程と数値に裏付けられています。
つまり、「理念」で国を動かす進次郎」ではなく「手続きで国を守る高市」という構図が浮かび上がるのです。
👉進次郎の政治が“キャッチコピー”なら、高市の政治は“設計図”。コピーは壁に貼れるが、設計図は国家を建て直す。
進次郎氏は「給付金」「減税」「賃上げ」を並べて善意の積み木を積み上げました。
しかし、高市氏は違います。
非効率な規制の撤廃
不採算事業の整理
電力安定供給のための原発再稼働
研究減税や即時償却による投資促進
つまり、痛みを引き受けてでも「生産性の引き算」を進める姿勢がある。
進次郎経済は“欲しい物リスト”。高市経済は“いらない物を処分する断捨離”。前者は部屋が散らかり、後者は住みやすくなる。
靖国参拝について「適切に判断する」と逃げる進次郎。
対して高市氏は明言します「国のために命を捧げた方々への敬意は当然」。
これは単なる感情論ではなく、外交における“抑止シグナル”でもあります。
さらに、
FOIPを「理念」でなく、海保・海自の統合運用計画として語る
日米同盟の深化を「防衛産業・弾薬生産ラインの共有」レベルで具体化する
つまり高市氏は、抽象論を“歯車の設計図”に落とし込む政治家なのです。
👉進次郎が“曖昧さ”で外交を演出するなら、高市は“明確さ”で抑止を成立させる。敵が恐れるのは、言葉ではなく数値と装備です。
進次郎氏は「解党的出直し」と叫び、世代交代をアピールしました。
一方の高市氏は、政治資金の電子公開やデータベース化など、具体的な制度改革に言及してきました。
進次郎:理念は強いが、制度は語らない
高市:理念より先に、制度と手続を示す
ここにも「掛け声の政治」と「手続きの政治」の違いが如実に表れています。
👉進次郎が『透明化します!』と叫ぶなら、高市は『このシステムを入れます』と契約書を提示する。違いは明白です。
進次郎氏の言葉は確かに聞きやすい。若者にも響くでしょう。
しかし、それは「人気取りの共感」にすぎません。
高市氏の政治姿勢は、時に不人気です。
核抑止議論
原子力再稼働
財政規律の確保
これらは世論を割るテーマです。
しかし彼女は逃げない。なぜなら、国家の存続に必要な議論は「好感度」ではなく「覚悟」で語らなければならないと知っているからです。
👉進次郎は“拍手を求める政治家”。高市は“拍手より歴史に耐える政治家”。
ここで改めて読者に問いかけます。
あなたは「爽やかな言葉」を選びますか?
それとも「骨太な実装」を選びますか?
もし前者を選べば、日本はまたやってる感の政治に埋もれます。
しかし後者を選べば、日本は確実に防衛・経済・統治の三本柱を再構築できるのです。
本稿で批判してきた通り、進次郎氏の政治は「言葉は強いが、工程は弱い」。
逆に高市氏は「言葉は時に不器用だが、工程は強い」。
言葉で動く国はない。
工程でしか国は守れない。
結論として、次期総裁にふさわしいのは高市早苗氏ただ一人です。
最後に読者の皆さんに問いかけます。
「やってる感」にまた4年を預けますか?
それとも「やり切る力」で日本を変えますか?
👉拍手喝采を求める政治家は多い。しかし、国民に必要なのは「覚悟を持って手を汚す政治家」です。
その覚悟を持っているのは、進次郎ではなく、高市早苗です。
ここまで読んでくださった方へ。
政治評論は時に冷酷に響くかもしれません。
しかし、国を守る選択は冷酷さを含まねばなりません。
進次郎=言葉の政治(やってる感)
高市=実装の政治(やり切る力)
この対比を頭に刻んでいただければ幸いです。
未来を決めるのは、スローガンではなく、工程を語るリーダーです。
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※高倉 龍之介(政治フリージャーナリスト・映像クリエイター)